
現実的な車格と価格、そして使い勝手を兼ね備えた軽二輪クラスは、初心者からベテランまで親しめるファーストバイクがずらり。マイナー感のあるオフロードモデルも、だんだんと選択肢が増えつつある。カワサキの新型投入により勢力図が動く中、ホンダ・スズキを含む代表的な3車種を、プロライダーの岡崎静夏が実走。街乗りから高速、林道まで、それぞれの得意分野とキャラクターを徹底的に吟味した。
カワサキ KLX230シェルパS:抜群の足着き性と軽さで林道デビューに最適な一台
KLX230シェルパをベースに、前後サスペンションの変更でシート高を標準の845mmから825mmへ下げたのがこの「S」仕様だ。スリムなシート形状も相まって足着き性はとても良く、身長158cmのライダーでも母趾球まで接地する安心感がある。
搭載される232cc空冷単気筒エンジンは最高出力18psと控えめだが、低回転から小気味よく回り、車体の軽さを活かした十分な加速を披露する。特筆すべきはオフロードデビューへのハードルの低さだ。ハンドガードやスキッドプレートが標準装備されるほか、S仕様は後輪がチューブレス化されておりパンク修理も容易となっている。
ハンドリングも極めて軽く、オンロードでも機敏に動くため、初心者の最初の1台やベテランのセカンドバイクとして、道を選ばず「トコトコ」と楽しめる万能さを備えている。ABSのキャンセル機能も備わっており、林道でのUターンも軽い車体と大きな切れ角のおかげで容易だ。まさに、オフロードの楽しさをもっとも身近にしてくれる一台と言える。
カワサキの侵攻で勢力図に異変!? アドベンチャーカテゴリーの世界的な人気は依然として高めに維持されているが、その一方で、主力となるリッタークラスのマシンに対して、「大きすぎる、重すぎる…」と感じている[…]
スズキ Vストローム250SX:油冷シングルの伸びやかな加速が光るオンロード特化型ツアラー
ジクサー250譲りの新世代油冷単気筒エンジンを搭載したVストローム250SXは、見た目以上にオンロードでの走りに振り切ったキャラクターだ。前後サスペンションはオフロード車としては硬めのセッティングで、高速道路や峠道での安定感と旋回性に優れている。最高出力26psを発揮するエンジンは高回転域までスムーズに回り、スロットルを開ける楽しさを教えてくれる。
フロント19インチ径のホイールにブロックパターンタイヤを履くが、その本領はやはりアスファルトの上にある。防風性の高いスクリーンを備えており、長距離ツーリングをスイスイとこなす性能は、まさに「扱いやすいツアラー」そのものだ。一方で、オフロード性能はフラットダートやキャンプ場のアクセス路程度に留めておくのが賢明だろう。
シート高は835mmで、サスペンションの沈み込みが少ないため足着きはやや高めに感じるが、車体バランスは良くオンロードを快適に楽しむためのストッパーとして絶妙に機能している。アドベンチャーのルックスを纏いながら、舗装路を機敏に走り抜けたいライダーには最適な相棒だ。
オンロードメインで楽しむ扱いやすいツアラーモデル いい意味で、事前の想像とは大きく異なる乗り味だったのが、油冷単気筒エンジンを搭載した軽二輪アドベンチャーのVストローム250SX。このルックスから、個[…]
ホンダ CRF250ラリー:ワークスマシンの風格と快適な高速巡航を両立した冒険マシン
ダカールラリーのワークスマシンを彷彿とさせる大型スクリーンや左右異形2眼ヘッドライトが特徴のCRF250ラリーは、3台の中でもっとも大柄で所有感に満ちた一台だ。車重153kgとボリュームがあるため、オフロードではその大きさを意識する場面もあるが、オンロードでの安定感と快適性は群を抜いている。
水冷単気筒エンジンは24psを発生し、低中回転域の粘り強さが際立つ味付けだ。特筆すべきはサスペンションの動作で、加減速に伴う車体姿勢の変化がゆったりとした走りの楽しさを生んでいる。今回試乗したスタンダード仕様はシート高830mmだが、またがるとリヤサスが大きく沈み込むため、小柄なライダーでも足着きの不安は少ない。
12Lの燃料タンクや防風性能の高さにより、高速道路を利用したロングツーリングも得意科目だ。ABSのキャンセル機能やツールボックス、レバー操作の軽いアシスト&スリッパークラッチなど、装備面でもスキがない。近くの裏山から遠方の林道まで、オン・オフ問わず「遊び倒したい」と考えるツーリング派にこそ、このラリーの真価が伝わるはずだ。
低中回転域の力強さとよく動くサスペンションが楽しい! CRF250ラリーは、ダカールラリーのワークスマシンをデザインモチーフとした異色の軽二輪アドベンチャー。車体にボリュームがあり、車重も開発ベースと[…]
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(試乗インプレッション/テスト)
胸のすく高回転サウンド! これぞ四発だ!! 走り出してすぐに感じるのは、驚くほど素直で扱いやすい低中速フィールだ。右手のスロットル操作に対し、過不足なく1対1で応えるようなダイレクトなレスポンスが返っ[…]
雑味のないクリアな鼓動感は同じ! デビューから約5年経っても色褪せないエンジンの心地よさ シンプルで親しみやすいロードスポーツ系として、ʼ21年春にデビューしたのがGB350シリーズ。ʼ24年秋にはG[…]
ファッショナブルスクーター・VinoのポストはFazzioが引き継ぐ!? 排出ガス規制の強化により2025年11月で50cc原付バイクの国内生産が終了。ジョグやビーノといったヤマハの50ccスクーター[…]
一大メーカー「QJ MOTOR」を認知せよ! 去年の東京モーターサイクルショーで日本国内での華々しいデビューを飾ったばかりのQJモーターだが、実は欧州ではしっかり認知されている中国の一大ブランド。ミド[…]
我慢できずに単独で全開走行! 1982年にAMAデイトナ100マイルレースを空冷CB750F改で制し、翌1983年には参戦2年目となるWGP500でヤマハのケニー・ロバーツと死闘を演じて当時史上最年少[…]
最新の関連記事(新型アドベンチャー/クロスオーバー/オフロード)
「ちょうどいい」がもたらす自由。完全新設計の並列2気筒 BMWの「GS」ファミリーはアドベンチャーバイクの最高峰として君臨しているが、その大柄な車体に尻込みしてしまうライダーも少なくない。そんなジレン[…]
漆黒と真紅が織りなす、ストリートでの圧倒的な存在感 ドゥカティの単気筒ラインアップを完成形へと導くモデルとしてこのほど登場した「Nera(ネラ)」。イタリア語で「黒」を意味するその名の通り、デザイン全[…]
段差を恐れない「足長」サスペンションの威力 一般的なスクーターはタイヤが小さくサスペンションのストロークも短いため、路面のギャップを拾いやすい。しかし、SR GT 200 Sportは根本から設計が異[…]
「名機」がもたらす、心地よい高揚感と安心感 長年、日本のツーリングライダーを虜にしてきたスズキの645cc・90度Vツインエンジン。SV650やVストローム650の生産終了により、その系譜は途絶えたか[…]
長距離ツーリングの「疲労感」にお別れ 休日のツーリング。絶景や美味しい食事を堪能した帰り道、高速道路を走りながら首や肩の痛みに耐え、「明日の仕事、しんどいな…」とため息をついた経験はないだろうか。スポ[…]
人気記事ランキング(全体)
「ちょうどいい」がもたらす自由。完全新設計の並列2気筒 BMWの「GS」ファミリーはアドベンチャーバイクの最高峰として君臨しているが、その大柄な車体に尻込みしてしまうライダーも少なくない。そんなジレン[…]
漆黒と真紅が織りなす、ストリートでの圧倒的な存在感 ドゥカティの単気筒ラインアップを完成形へと導くモデルとしてこのほど登場した「Nera(ネラ)」。イタリア語で「黒」を意味するその名の通り、デザイン全[…]
ホンダNSR50が、12インチの景色を変えた 前後輪12インチの50ccロードスポーツバイクといえば、ホンダ「NSR50」「NSR80」を思い浮かべるバイクファンは多いことでしょう。それというのも、こ[…]
窮屈さとは無縁。余裕のフルサイズボディがもたらす優越感 125ccのバイクというと、小柄でコンパクトな車体を想像するかもしれない。しかし、SX 125は違う。全長2050mm、ホイールベース1430m[…]
チェーンメンテナンスから解放される悦び。ヒョースン「GV250X Roadster」 ヒョースンから2026年6月に上陸予定の「GV250X Roadster」は、チェーンメンテナンスから解放してくれ[…]
最新の投稿記事(全体)
アメカジスタイルに涼しさをプラス:ストリートメッシュブルゾン ミリタリー×アメリカンカジュアルテイストを取り入れたフルメッシュジャケット。ボディには滑らかな質感で透け感を抑えたストレッチ性のあるメッシ[…]
現代に蘇った伝説。CB1000Fが放つ圧倒的な包容力と野性 2025年11月に待望のデビューを果たした「CB1000F」、そして2026年1月に上級モデルとして追加された「CB1000F SE」。かつ[…]
東レ株式会社は日本が誇る“縁の下の主役”だ 東レ株式会社をご存じだろうか。創業はちょうど100年前の1926年。一般的な知名度こそ高いとは言えないものの、繊維・素材分野において世界でもトップクラスの技[…]
芳賀紀行選手のライディングスタイルをダークに表現 世界のトップレースで活躍した芳賀紀行選手は、とくにWSBK(スーパーバイク世界選手権)に1994年から2013年までの19年間にわたって参戦し、通算4[…]
「ちょうどいい」がもたらす自由。完全新設計の並列2気筒 BMWの「GS」ファミリーはアドベンチャーバイクの最高峰として君臨しているが、その大柄な車体に尻込みしてしまうライダーも少なくない。そんなジレン[…]
- 1
- 2





































