[税抜100万円を切る!4気筒400cc]想定外の完成度の高さで日本の四発400cc神話を揺るがす“刺客”[QJモーターSRK400RS最速試乗]
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インライン4ならではの滑らかで伸びやかな回転フィールと、胸のすくサウンド。そのフィーリングは陶酔感すら覚えるほどエキサイティングで、走らせるほどに“もっと回したい”という欲求が自然と湧き上がってくる。国産メーカーが長らく独占してきた400cc4気筒というジャンルに再び熱を灯し、その中心に食い込もうとする挑戦的な一台、QJモーターSRK400RSにいち早く乗ったぞ!!
●文:青木タカオ ●写真:関野温 ●BRAND POST提供:QJMOTOR
胸のすく高回転サウンド! これぞ四発だ!!
昨年3月のモーターサイクルショーで姿を本邦初公開され、話題沸騰となったQJモーターSRK400RS。さらに今年2026年もモーターサイクルショーではついに価格も発表となった! 最速試乗レポートをお届けしよう。
走り出してすぐに感じるのは、驚くほど素直で扱いやすい低中速フィールだ。右手のスロットル操作に対し、過不足なく1対1で応えるようなダイレクトなレスポンスが返ってくる。ギクシャク感がなく、入力に対して忠実な反応を示す。
それでいてスロットルを開けていくと、高回転域ではインライン4ならではのシルキーさを保ったまま、淀みなく一気に伸び上がる。その加速感は陶酔感を覚えるほどエキサイティングなものだ!
400ccの4気筒フルカウルモデル『SRK400RS』に、いち早く試乗することができた。昨春(’25年3月)の東京モーターサイクルショーで、初出展ながら強烈な存在感を放った中国のQJモーター。その目玉として展示され、マスコミとファンを騒がせた話題のニューモデルである。期待は自然と高まり、乗る瞬間を待ち焦がれていたと言ってもいい。
ダイヤモンドフレームに搭載されるパワーユニットは、新開発した排気量399ccのDOHC4バルブ水冷並列4気筒エンジン。
ボア×ストロークは57.0×39.1mmというショートストローク設計。高回転型のパワーユニットらしく、スロットルを開けた瞬間からシャープに回転が立ち上がり、ストレスなく一気に吹け上がる。回すほどに伸びていく感覚がダイレクトに伝わり、思わず高揚感に包まれる。
注目の並列4気筒エンジンは、想像以上の仕上がりだ。低速域での扱いやすさと、胸のすくトップエンドの伸びを見事に両立しており、その完成度には思わず唸らされる。
理屈抜きに、もっと回したくなるエンジン。これだけで『SRK400RS』の価値はすでに十分だが、評価すべき点はそれだけではなかった。トータルパッケージの完成度の高さにも目を見張るものがある。その実力を順を追って見ていこう。
最高出力77psを発揮するインライン4エンジンは、6速トランスミッションを組み合わせる。
マルゾッキとオーリンズの豪華な足まわり
足まわりに妥協はない。フロントはマルゾッキのフルアジャスタブル式倒立フォークと、ブレンボのラジアルマウントキャリパーというイタリアンブランドの豪華な組み合わせとなっている。モノサスのリヤショックもマルゾッキだ。
足まわりは、マルゾッキ製フルアジャスタブルサスペンションを前後に採用。倒立フロントフォークとリンク式モノショックの組み合わせで、初期動作はしなやかでありながら、奥ではしっかりと踏ん張るセッティングとなっている。
フロントフォークは右にリバウンド、左にコンプレッション調整機構を備え、セットアップの自由度も高い。路面追従性に優れ、どの速度域でも街乗りからスポーツ走行まで、安定した接地感を維持する。
肉抜きされたアルミ製トップブリッジ。フロントフォークのアジャスターへのアクセスがしやすく、セミラジアルポンプのマスターを含め、サーキットでも十分に通用しそうな装備内容を持っている。
特筆すべきはフロントブレーキのコントロール性の高さだ。ブレンボのラジアルマウントキャリパーとセミラジアルポンプを惜しみなく標準装備。リニアなレバータッチで、握り込みに対して制動力が自然に立ち上がる。
強力でありながら繊細で、コーナー進入でフロントブレーキを軽く引きずるようなアプローチにも忠実に応える。走りの許容範囲が広く、スポーツライディングの精度を高めてくれる足まわりとなっている。
美しいイタリアンデザイン
精悍な佇まいのSRK400R。車体色は全4色で、今回試乗した情熱的なレッドの他に、造形美を際立たせる上質でスポーティなホワイト、重厚感と凄みを放つシックなブラックなどが設定されている。
スタイリングもじつに美しい。今回は試乗インプレッションを優先し、エンジンや足まわりから触れたが、このデザインの完成度もまた『SRK400RS』の大きな魅力だ。
実車を目の当たりにすると、その印象はより鮮明になる。上質で隙のないボディワークは、元MVアグスタのエイドリアン・モートンが率いるデザインスタジオ「C Creative」が手がけたQJモーター『SRK1000RC Ten 78』のスタイリングを受け継いでおり、アグレシッブかつ洗練されたシルエットを形成している。
LEDデイライトを備えたフロントフェイス、エッジの効いたレイヤー構造のカウル、そして縦型テールランプなど、エクステリアの造形は緻密で、スーパースポーツとしての存在感はクラスを超えるものがある。
特にフロントカウルのウイングレットはサイズ感からして主張が強く、視覚的なインパクトも際立っている。
フロントマスクの迫力は圧巻! クラスを超えた存在感を放つ大型ウイングレットが、只者ではないオーラを漂わせる。LEDデイライトとレイヤー構造のフロントカウルが生み出す立体的な造形も、見る者の視線を釘付けにする。
前傾すぎない程よいライポジ
ライポジと足つき性も気になるところだろう。身長175cm/体重65kgの筆者がまたがると、地面に下ろした両足のシューズは、カカトまでソールが届く。
トップブリッジの下にマウントされたセパレートハンドルは、アグレシッブなライディングポジションを生み出すが、前傾姿勢はさほどキツくなく、バックステップも程よい位置。窮屈さはなく、街乗りやツーリングもこなしてくれるだろう。
シート高は795mmで足つき性に不安はない。
400cc四発フルカウル
日本車勢が得意とした400cc4気筒クラスに殴り込みをかけるQJモーターの新型SRK400RS。
ライバルは、現行国産唯一の400cc4気筒スーパースポーツであるカワサキ『ニンジャZX-4R』シリーズだ。QJモーターの担当者も「強く意識している」と明言しており、正面からの真っ向対決を前提としたモデルであることは間違いない。
両車とも399cc水冷直列4気筒エンジンを搭載。QJモーター『SRK400RS』は最高出力77.6PS/14,000rpm、最大トルク39Nm/13,200rpm。一方、『ZX-4RR』は77PS/14,500rpm(ラムエア時80PS)、39Nm/13,000rpmと、数値上はほぼ互角だ。
車体は『SRK400RS』がやや大柄だが、車重は176kgと軽い。『ZX-4RR』の189kgに対し、約14kgのアドバンテージを持つ。
この軽さを実現しているのが、スチール製メインフレームとアルミ製リヤセクションを組み合わせた骨格だ。剛性としなやかさを両立し、扱いやすさにも直結するシャシーと言っていい。
結果としてパワーウェイトレシオは『ZX-4RR』の2.45(ラムエア時2.36)に対し、『SRK400RS』は2.27と数値上でも一歩前に出る。
そして、104万8000円という価格が何よりも強い。『ZX-4RR』の121万円を強く意識した戦略的な設定となっている。
「安かろう悪かろうではない」と担当者が語るように、単なる価格勝負ではなく、真正面から挑む意思がうかがえる。
コクピットには自動調光機能付きのTFTディスプレイが備わり、ハンドル左のスイッチで、走行モードをノーマルとスポーツに切り替えることができる。
電子スロットルではないため、制御はECUの燃料噴射マップによるものと考えられるが、スポーツモードでも一般道では劇的なレスポンス向上や出力変化は感じにくい。そこで日本のメーカー担当者に質問を投げたところ、下記回答を頂戴できた。
「走行モードにおける体感的な差異については、市販モデルの設計段階でユーザーの好みを十分に考慮し、より多くの方々が日常域で快適に運転できるよう、マイルドな設定を重視しています。そのため、極端な変化よりも扱いやすさに重点を置いたセッティングとなっています」
一方で、トラクションコントロールに加え、ローンチコントロールまで搭載している点も見逃せない。こうした装備内容は、サーキット志向のライダーに強く響くものだろう。ローンチコントロールについてどのような制御なのかも聞いてみた。
「ローンチコントロール(LC)の核心的なロジックは、発進時にECUが出力を管理し、エンジン回転数を『最適トルク域』に保持すると同時に、後輪のスリップやウィリー(前輪の浮き上がり)をリアルタイムで抑制することにあります。車速やギア数が一定の基準に達した段階で、自動的にフルパワーへと移行します」
「LCは単に『回転数を固定する』機能ではなく、ECUを核とし、TCS(トラクションコントロール)やIMU(慣性計測装置)等を連携させた動的平衡システムです。『滑らない、浮かない』という前提のもと、出力を最も速く、安定し、かつ制御可能な状態で路面へ伝達します」と答えてくれた。
激戦区となる
スタイル、装備、そして実際の走り、ライバルと比較しても互角以上の性能を持つQJモーターのニューモデルSRK400RS。車両本体価格は税込み104万8000円だ。
普通二輪免許で乗れる上限である400ccで、しかも4気筒。この領域は長らく日本メーカーの象徴だった。そこへ海外勢チャイニーズブランドが、本気で踏み込んできた意味は大きい。
カワサキ『ニンジャZX-4RR』だけではなく、ホンダも『CBR400Rフォア(Eクラッチコンセプト)』と『CB400スーパーフォア(Eクラッチコンセプト)』の復活を示唆し、400cc4気筒市場は再び激しく動き出している。
複数ブランドが正面からぶつかる構図の中、QJモーターがどこまで食い込めるのか。今後の展開から目が離せない。
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