
モータリスト合同会社は、ファンティック・モーター社「キャバレロ」シリーズ初のフルモデルチェンジを発表した。2024年11月のEICMA(国際モーターサイクルショー)で披露後、欧州における部品供給の乱れによる遅延を経て、遂に日本上陸だ。
●文:ヤングマシン編集部 ●写真/外部リンク:MOTORISTS
イタリア魂が込められたフルサイズ125ccネイキッド
2018年デビュー以来、その美しいスタイリングと俊敏なハンドリングで世界を魅了してきたキャバレロは、今回の2025年モデルで「クオーレ・イタリアーノ」(イタリアの心臓)をテーマに、すべての主要部品・車両組み立てをイタリアへ回帰。
熟練職人のイタリアン・プライドが込められた一台となった。従来のイメージを大切にしつつ、新エンジン、新フレーム、新デザインのマフラーを装備し、足つき性も向上。市場からのさらなる変化を求める声と、時代が要請するより厳しい環境規制へ対応すべく、フルモデルチェンジを刊行した。
高出力化したエンジンと安全性を高めた電子制御系
キャバレロの心臓部を担うのが、ファンティック子会社のモトーリ=ミナレッリ社製「MM460」エンジンだ。DOHCヘッドにフィンガーフォロワー・ロッカーを与えられたコンパクトなこのユニットは、排気量をわずかに増しながらも全域で圧倒的なパフォーマンス向上を実現したという。
旧モデル比15%ものパワーアップを果たし、これに合わせてラジエーター表面積も15%増加し、オイルクーラーも新設。エンジン単体重量は40kgに抑えられ、「軽さは正義」というファンティック哲学を徹底している。
もちろん最新のEURO5+環境規制に適合。高速化するピストンスピードに合わせた鍛造ピストンを採用し、湿式多板のスリッパークラッチも標準装備した。さらにきめ細かな制御を行うべく導入されたライド・バイ・ワイヤーにより、トラクションコントロールとABSシステムを協調制御。
このクラス唯一となるコーナリングABSまで提供するなど、安全性能はリッタークラスに引けを取らない、高い水準を実現している。
ライダーとの一体感を追求したシャーシ&足まわり
メインフレームも徹底的に見直された。新エンジンに合わせ、より軽く、より俊敏なハンドリングを追求。キャバレロらしさは不変だ。シート幅は30mm狭くなり、足つき性が大幅向上したのは嬉しいポイントといえよう。
シート下には書類入れが装備され、キー脱着式となるなど利便性も高まった。前後のサスペンションも徹底的に手が入れられ、フロントフォークはオイル量からシムスタックまで、リアショックには新しいスプリングが与えられセッティングが見直された。
これにより、厳しいオフロードのようなコンディションでも地面を確実にとらえる「メカニカルグリップ」の良さにつながり、あらゆるシーンで安定した走りを実現する。エアボックスも一新され、ボディのスリム化とスムースなエアフローに貢献。フィルターは湿式に変更され、メンテナンス性も向上した。
エキゾーストシステムも完全にデザイン変更され、クラシックなヒートガードと低音の効いた歯切れの良いサウンドはそのままに、キャバレロのアイコンである2本出しマフラーエンドは健在である。
リアル・デュアルパーパスへ進化したラリーモデル
スクランブラーの前後サスペンションストロークを伸ばし、専用スイングアームでオフロード性能を高めてきた従来のラリーモデルは、2025年モデルで「ザ・リアル・デュアル」として真のデュアルスポーツ・モデルへと進化を遂げた。
最大の特徴はフロントに与えられた21インチホイールだ。タイヤにはピレリ・スコーピオン・ラリーSTRを奢る。圧倒的な走破性を支えるサスペンションは200mmのストローク量を誇り、前後ともにフルアジャスタブルシステムを備えている。
グランドクリアランスは280mmに高められ、スキッドプレートも標準装備。そして149kgに抑えられた車重が、ライダーを迷うことなくオフロードへと誘う。
3グレードから自分好みのモデルを選べ!
キャバレロ500シリーズは中核となるスクランブラーにレッドとブルーのボディカラーを設定。豪華装備の「デラックス」には、従来のグレーに加えて「ブロンズ」カラーも用意される。ラリーはサンド・ベージュとグリーンの2種類展開だ。
【FANTIC CABALLERO RALLY500】グリーン
気になる希望小売価格は、スクランブラー500が129万円、デラックス500が134万円、ラリー500が140万円(すべて税込)。シリーズのバリエーションである125ccモデルも順次発売予定なので、そちらも要チェックだ。
FANTIC CABALLERO500シリーズ主要諸元
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| 車体寸法 | |
| 全長 | 2080㎜ |
| シート高 | 820㎜ |
| ホイールベース | 1425㎜ |
| エンジン | |
| 種類 | 水冷4サイクルDOHC単気筒 |
| 環境規制 | EURO-5+ 適合 |
| 最高出力/最大トルク | 45HP@8,000rpm / 42.5Nm@7,000rpm |
| 排気量 | 463㏄ (96×64.7㎜) |
| 燃料供給 | 電子制御燃料噴射式(EFI) |
| スロットルボディ口径 | 46㎜ |
| トランスミッション | 常時噛合式6速 |
| クラッチ | 湿式多板、スリッパ―クラッチ付き |
| フレーム | |
| メインフレーム | スチール鋼管製トリレスフレーム+アルミ削り出しサイドプレート |
| スイングアーム | スチール製(ラリーはアルミ製) |
| タイヤ | |
| フロント(スクランブラー) | 110/80-R19 ピレリ・スコーピオンSTR |
| リア(スクランブラー) | 140/80-R17 ピレリ・スコーピオンSTR |
| フロント(ラリー) | 90/90-R21 ピレリ スコーピオン・ラリーSTR |
| リア(ラリー) | 140/80-R17 ピレリ スコーピオン・ラリーSTR |
| ブレーキ | |
| フロント | 320㎜ディスク + ラジアルキャリパー |
| リア | 230㎜ディスク |
| サスペンション | |
| フロント | 41㎜倒立式150㎜トラベル(ラリーは43㎜倒立式フルアジャスタブル) |
| リア | 150㎜リバウンドダンピング調整機構付き(ラリーは200㎜フルアジャスタブル) |
| 灯火類 | フルLED |
| 車両重量 | 150㎏(ラリーは149㎏) |
| 燃料タンク容量 | 12L |
| 安全装備 | 前後ABSシステム、コーナリングABSシステムトラクションコントロールシステム(オプションで追加可能) |
| 希望小売価格 | |
| スクランブラー500 | 129万円(税込) |
| スクランブラー デラックス500 | 134万円(税込) |
| ラリー500 | 140万円(税込) |
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