![「世界へ打って出る“夢”を託して」ホンダ初の4ストローク・ドリームE型[’52年製造]〈走行映像あり〉](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2025/06/001-18.jpg?v=1750388151)
2018年7月16日、ツインリンクもてぎの南コースにてホンダコレクションホール開館20周年記念イベントが開催。20周年記念ということで市販製品特別走行が実施され、ホンダの黎明期から現在までのエポックとなるバイク34台、自動車29台が動態走行を披露した。
●文:ヤングマシン編集部 ●取材協力:本田技研工業/ホンダモーターサイクルジャパン
ドリームはホンダ初の本格バイク
1947年のA型からプロトタイプのB型(1948年)、エンジンに加え自転車フレームも初めて自社製としたC型(1949年)を経て1949年8月に登場したのがドリームD型となる。今では、企業スローガン「The Power of Dreams」やオートバイ販売店ネットワーク「Honda Dream」などホンダを象徴するキーワードとして耳に馴染んでいる「ドリーム」の命名については記録に残っていない。本田宗一郎氏が「今に世界のホンダになる!」と当時夢のようなことを語っていたからという説や、試作1号機を見た社員たちが思わず「まるで夢のようだ」と口に発し、このバイクに将来の「夢を託そう」としたなど諸説ある。
1950年前後のドリームシリーズのエポックは、ホンダが本格的バイクメーカーとしてのスタートを切ったことにある。C型で車体も自社製としたホンダだったが、ベースは自転車のフレームなので出力を上げてもこれに応えられる保証がない。乗り心地、耐久性、ブレーキ性能などが限界に達しつつあった。そこで、エンジンもフレームも自社で開発して生まれたのがドリームD型である。新たに採用された生産性の高い鋼板製のチャンネルフレームはフロントにテレスコピック式サスペンションを採用し、リヤをリジッドとしている。
【HONDA ドリームD型 1949年8月】E型の前身となるD型は、エンジンもフレームも自社製の初の本格的バイク。エンジンはA型から発展した2ストロークだったが、自転車補助エンジンの面影は見られない。その後のスーパーカブに通じるクラッチレスのコーンクラッチ式2段変速を採用していた。■空冷2ストローク単気筒ロータリーバルブ98cc 3ps/5000rpm 車重80kg
初の4ストを採用したE型は箱根越えを達成
ドリームD型の販売は芳しくなく、E型が発売となる1951年10月には生産が終了している。それは、D型が発売された1949年は、日本政府のデフレ政策で不況の嵐が吹き荒れ始めたこと。この頃から日本市場は静かな4ストローク車を選ぶ傾向に変わっていたこと。加えて、D型独自のコーンクラッチ式のメカニズムが不評だったことが挙げられる。D型の変速にクラッチ操作は必要なく、左足でシフトペダルを前に踏めば一速に入り、足を離せばニュートラルに戻り、ペダルをカカトで後ろに踏めば2速に入るという半自動的なクラッチ機構を持つ日本初のバイクだった。しかし、一速で登り続ける坂道ではずっとつま先でペダルを踏み込んでいなければならず、それが販売に影響したという。
後継のドリームE型はホンダ初の4ストロークエンジン搭載車で開発のスタートは1951年3月。その4ヵ月後の7月には箱根でテストが実施され、ノンストップで登り切ったという逸話が残されている。ドリームE型用の4ストOHVエンジンは146cc/5.5psで、当時リッターあたり20~30psと言われていたバイク用4ストエンジンのレベルを大きく上回るリッターあたり38psを発揮。一躍このクラストップの販売量に躍り出ていく。ドリームE型はD型のチャンネルフレームを流用していることから単なるモデルチェンジ版と見られがちだが、ホンダが4ストメーカーへ転換する契機となっていることから、飛躍としてはそれ以上のものだ。加えて、E型シリーズがホンダオートバイの技術進歩と企業規模の拡大に果たした役割も大きかった。
【HONDA ドリームE型 1951年10月】クラッチはD型のコーンクラッチから一般的な乾式多板に改められたが、当時はサイドバルブが主流だった中でOHVを採用するあたりにホンダの勢いが現れている。■空冷4ストロークOHV単気筒146cc 5.5ps/5000rpm 車重97kg
吸排気バルブを横一列に配置したE型の単気筒OHVエンジン。左右割りのアルミ製クランクケースはクラッチと変速機とがコンパクトに収められた一体式で、アルミダイキャスト製カバーで外観もスマートに仕上げられている。変速機は2速だったが、1953年の3E型で3速に改められた。
【動画】ホンダ初の4ストローク、1952年製造のドリームE型が走行
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
最新の関連記事([特集] ホンダコレクションホール20周年記念動態走行)
生産累計1億台、60周年の原点モデル 初代スーパーカブはホンダ創業の本田宗一郎氏と藤澤武夫氏が直接開発の先頭に立ったオートバイ。それに続く東南アジアのドリーム、WAVEなどを含む歴代スーパーカブシリー[…]
「カブ」の名称は小熊を意味する英語から カブF型は自転車の後輪に取り付ける6kgの補助エンジンで、ホンダのオートバイ躍進の基盤を築いた機種。「白いタンク、赤いエンジン」の愛称で親しまれ、デザインでも人[…]
ホンダが初めて設計したA型エンジン 敗戦から1年後の1946年の夏、ホンダの創業者である本田宗一郎は、早くも復興を目指して旧陸軍の小型発電機用2ストエンジンを改造して自転車に取り付け、自転車補助用エン[…]
2018年7月16日と9月24日、ツインリンクもてぎの南コースでホンダコレクションホール開館20周年記念イベントが開催された。いつもの動態確認テストはレーサーなどが多かったが、今回は20周年記念という[…]
2018年7月16日と9月24日、ツインリンクもてぎの南コースでホンダコレクションホール開館20周年記念イベントが開催された。いつもの動態確認テストはレーサーなどが多かったが、今回は20周年記念という[…]
最新の関連記事(ホンダ [HONDA] | 名車/旧車/絶版車)
“過剰性能”というコンセプト 第18回モンキーミーティングの会場を沸かせたリトルカブベースのカスタムマシンがある。その核となるのは「過剰性能」という明確なコンセプトだ。通常の車両開発では、性能は用途に[…]
様々な可能性が試された個性の時代 現代から過去を振り返って見ると、今に連なるメインストリームのマシン達が当然のように歴史を作ってきたように錯覚してしまう。しかし時代の王道を行くマシンの影には、無数の異[…]
浪漫の塊だったレプリカ 年末、あるいは正月にフランスのパリをスタートし、アフリカ大陸を走破してセネガルのダカールを目指す「パリ・ダカールラリー」(2009年からはコースを南米に移して開催)。1978年[…]
再現という行為の本質 第18回モンキーミーティングの会場には数多のモンキー系カスタムが集まり、綺羅星のごとく会場を埋め尽くしたカスタムモンキーの中に一際目を惹く1台があった。 それは伝説的名車であるホ[…]
伝説のチューナー「スーパーモンキー」 東大阪市に拠点を構えていたチューニングショップ「スーパーモンキー」は、ミニバイクという小さな世界において極限性能を追求した異端の存在だ。その頂点に位置するのが「ス[…]
人気記事ランキング(全体)
58馬力の直4エンジンが放つ、突き抜けるような高揚感 「ヨンヒャクでも胸のすくような直列4気筒エンジンの吹け上がりを、フルカウルモデルでとことん味わい尽くしたい」。そんなスポーツ志向のライダーの渇望を[…]
夏のツーリングを快適に変えるプロ仕様の冷却技術 猛暑のなかでのライディングは、想像以上に体力を消耗する。ジャケット内にこもる熱や、肌にまとわりつく汗のベタつきは、集中力を削ぐ大きな要因だ。快適な走行を[…]
58馬力を絞り出す新設計の直列4気筒エンジン 「もう一度、あの甲高い直4サウンドを響かせて走りたい」。そんなライダーの切なる願いに、ホンダの技術陣は新設計の399ccエンジンで完璧に応えてみせた。 最[…]
スロットル操作でシフトダウン!? 電子制御CVT「YECVT」の衝撃 「スクーターはアクセルをひねるだけで楽だが、スポーツ走行ではどうしても物足りない」。そんなライダーの不満を過去のものにするのが、ア[…]
ワークマンプラス上板橋店で実地調査! これからの「猛暑」あるいはそれを飛び越えた「酷暑」と呼ばれる夏の時期、上着なしの薄着でいたくなるのも確か。しかしバイクに乗る以上、「転倒」というリスクには常に備え[…]
最新の投稿記事(全体)
ティラノサウルスの凶暴さをシャープに表現 TX-ストラーダに新登場するグラフィックモデルの名称は、もっとも有名な恐竜ティラノサウルスに由来する。ティラノとはギリシャ語で「暴君」や「凶暴」を意味する言葉[…]
WSSPで活躍する岡本祐生選手のレプリカ発売! RX-7Xにこのたび追加されるレプリカモデルは、WSSP(スーパースポーツ世界選手権)で活躍中の岡本祐生選手が愛用しているグラフィックだ。全日本ロードレ[…]
安宿での睡眠不足はツーリングの大敵。音の悩みを和らげる専用設計 宿泊費を極力抑え、その分をガソリン代や現地の美味しい食事に回したい。そう考えるライダーにとって、カプセルホテルやネットカフェは非常にあり[…]
58馬力の直4エンジンが放つ、突き抜けるような高揚感 「ヨンヒャクでも胸のすくような直列4気筒エンジンの吹け上がりを、フルカウルモデルでとことん味わい尽くしたい」。そんなスポーツ志向のライダーの渇望を[…]
歴代モデルが浜松に集結する「KATANAミーティング」の魅力 「KATANAミーティング」の最大の魅力は、新旧様々な排気量のKATANAが一堂に会する圧倒的な光景にある。昨年開催された「KATANA […]
- 1
- 2


![ホンダ|ドリームE型|「世界へ打って出る“夢”を託して」ホンダ初の4ストローク・ドリームE型[’52年製造]〈走行映像あり〉](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2018/07/004-15-768x431.jpg)
![ホンダ|ドリームE型|「世界へ打って出る“夢”を託して」ホンダ初の4ストローク・ドリームE型[’52年製造]〈走行映像あり〉](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2018/07/005のコピー-768x511.jpg)



![HONDA CX650 Turbo [1983]](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2019/02/008-1.jpg)































