ハーレーダビッドソンが発売した“普通二輪免許で乗れるハーレー”ことX350は、同時デビューのX500と合わせて早くも1000台を受注する人気ぶり。そしてさっそく納車されたユーザーの間では、ある噂が静かに飛び交っているという。どうやらバリエーションモデルが存在し、それがアドベンチャーモデルまたは教習車を連想させるというのだ……!
●文:ヤングマシン編集部
取扱説明書に書かれた「X350RAモデル」の文字……!
ハーレーダビッドソンとしては異例の353cc並列2気筒エンジンを搭載し、”普通二輪免許で乗れるハーレー”として話題沸騰のX350は、同時発表のX500と合わせて早くも1000台を受注し、ユーザーへの納車も始まっている。
X350は、往年のアメリカントラッカー「XR750」をモチーフとしたストリートスポーツで、360度クランクを採用する並列2気筒エンジンはV型2気筒とは異なるものの独自の鼓動感を発揮。優れたデザイン性と扱いやすい素性で、新たなハーレーファンを開拓中だ。
そんなX350を、ヤングマシンの姉妹誌であるハーレー専門誌「WITH HARLEY(ウィズ ハーレー)」では速攻で購入。これからカスタムプロジェクトをスタートさせるのだが、彼らが送ってくれた取扱説明書の写真に我々はザワザワすることになった。『2024年式ハーレーダビッドソンオーナーズマニュアル』に書かれた機種名がX350だけじゃないのだ……!
そこにあったのは、「X350、X 350およびX350RAモデル」の文字。前半の2車は、半角スペースの有無だけの違いであり、何を表現しているのかは不明だが、『X350RAモデル』というのは明確に何らかのバリエーションモデルを示唆している。しかも、マニュアルの中にあるスペックリストを見ると、車重やエンジン出力、装着タイヤまで異なっているのだ。
+8kgの車重は何のため?
まず車重だが、X350は総重量192kgで、X350RAは200kgと、+8kgの違いがある。エンジン出力については、同じ353cc並列2気筒エンジンで圧縮比なども同じだが、X350の36psに対しX350RAは23psだ。最大トルクの差は小さいが、発生回転数は7000rpm→5500rpmと明らかに低回転寄りでトルクを発生している。
さらに、装着タイヤはX350がピレリ・エンジェルGT(ラジアルタイヤ)であるのに対し、X350RAはピレリ・エンジェルCiTyというバイアスタイヤ。しかも前後ともワンサイズ細い設定だ。
これらが何を表しているのか。我々は2つの可能性があると踏んだ。
ひとつは、大型アドベンチャーモデル「パンアメリカ1250」の血統だ。パンアメリカは、スポーツスター=XL883のようにハーレー独自のネームを持っている。その名も“RA1250”──。これを参考にするなら、X350をベースにアドベンチャースタイルに仕立てたモデルが予想できるわけだ。パンアメリカ1250と違って前後ホイールサイズは17インチのままだが、ワンサイズ細いことで軽快さを出したストリート寄りのクロスオーバーになるとすれば違和感はない。低回転で最大トルクを発生するというエンジンキャラクターも似合っているはずだ。
そしてもうひとつは、教習車というセンだ。ハーレーダビッドソンジャパンの野田社長は、水冷ナイトスターを大型二輪免許の教習車に仕立てることも検討していると発言したことがあり、その考えをミドルクラスにまで拡大することもあり得るのではないか……というのが我々の(妄想を含む)見立てである。教習車用の専用装備で+8kgというのも、それほど不自然ではないように思えるが、どうだろう。
いずれにしても、2024年モデルとして何らかのバリエーションモデルが展開されることは十分にありそうだ。我々としてもまだ速報をお届けしたに過ぎないが、これからさらに情報を収集し、確度の高い続報をお届けしたいと思っている。震えて待て!
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
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