
これまでスクーターを生産してきたフランスの伝統的メーカー・プジョーモトシクルから、いよいよネイキッドバイク『PM-01 125/300』が登場する。さらに今もっとも注目のアドベンチャーカテゴリーに新開発GTスクーター『XP400 GT』を投入! それだけにとどまらず、大径ホイールスクーター『ツイート 125/200 GT』をフルモデルチェンジ。フランスの老舗メーカーの大躍進がはじまった!!
●文:ヤングマシン編集部(山下剛) ●外部リンク:プジョーモトシクル
プジョーモトシクルのオフロードGTスクーターとアーバンネイキッドが東京モーターサイクルショーで初公開
プジョーというとクルマのイメージが強いメーカーだが、1898年には第1回パリモーターショーでエンジン付き自転車を発表。1907年に開催された第1回マン島TTでは、ノートンのマシンにプジョー製エンジンを供給して優勝を果たすという、世界のバイク史に燦然たる記録を残しているメーカーなのだ。
近年こそスクーター専業となっていたものの、創業した19世紀末から20世紀が終わるまでの約100年間、小排気量車を中心としてモペッドや実用車だけでなく、ロードスポーツ、オフロード車などを生産してきた。2018年にはそれまでのブランド名『プジョースクーターズ』を『プジョーモトシクル』に変更したが、むしろそれは原点回帰だったのだ。
それから4年後のミラノショーで、プジョーモトシクルはニューモデルやモーターサイクルのコンセプトモデルを発表。その結実がこの春、ようやく日本に上陸する!
XP400 GT【日本初公開】
まず紹介するのは、アドベンチャースクーター『XP400 GT』だ。エンジンは36psを発揮する399cc水冷単気筒で、トラクションコントロールを搭載。インナーチューブ径41mmの倒立フォークにはチューブレスタイヤ対応の17インチスポークホイールとブロックタイヤが装着される。リアホイールは鋭い加速力に貢献する15インチ径で、プジョー独自のアーチサスペンションが支える。フロントブレーキは295mm径ダブルディスクにラジアルマウントキャリパーを装備し、もちろんABSも備わる。フルカラーTFT液晶メーター、ブルートゥースによるコネクト機能、スマートキー、大型スクリーン、ハンドガードなど、あらゆる道を走破するための機能を持つ。
【PEUGEOT MOTOCYCLES XP400 GT】主要諸元■全長2190 全幅870 全高1190 軸距1545 シート高815(各mm) 車重231kg■水冷4ストローク単気筒SOHC4バルブ 399cc 36ps/8150rpm 3.89kg-m/5400rpm 変速機CVT 燃料タンク容量13.5L■タイヤサイズF=110/70R17 R=160/60R15 ●価格:115万5000円 ●色:灰、白
PM-01 125/300【日本初公開】
そしてもう一台の注目モデルは『PM-01 125/300』だ。トレリスフレームに水冷単気筒エンジンを搭載するネイキッドスポーツで、排気量は124.8ccと292.4ccの2種類が導入される。足まわりは41mm径倒立フォークとプリロード調整機構付きモノショック、ブレーキは前後ともウェーブディスクで、フロントは280㎜径、リアは240mm径と十二分な制動力を発揮する。コネクト機能付きフルカラー液晶メーター、フルLED灯火器など装備も十分。特徴的なフロントマスクとショートテールの車体デザインは、フランスらしい洒脱さを感じさせるモダンネイキッドだ。
【PEUGEOT MOTOCYCLES PM-01 125/300】主要諸元■全長2040 全幅830 全高1095 軸距1370 シート高810(各mm) 車重152(162)kg■水冷4ストローク単気筒SOHC4バルブ 124.8(292.4)cc 13.9(29.2)ps/9500(9000)rpm 1.12m(2.5)kg-m/7500(7000)rpm 変速機6段リターン 燃料タンク容量12.5L■タイヤサイズF=110/70R17 R=150/60R17 ●価格:59万4000(73万7000)円 ●色:白、青 ※( )内は300
PEUGEOT TWEET 125/200 GT【日本初公開】
新登場の2モデルに続いて、フルモデルチェンジで登場するのが大径ホイールスクーター『ツイート125/200 GT』だ。前後16インチの大径ホイールスクーターは、石畳や段差が多いヨーロッパの市街地で支持を得ており、直進安定性に優れるのが特徴だ。ツイート125/200 GTはさらにコンパクトな車体を実現し、旧市街にもビル街にも似合うモダンデザインでまとめあげている。
【PEUGEOT MOTOCYCLES TWEET 125 GT/200 GT】主要諸元■全長2020 全幅725 全高1165 軸距1330 シート高790(各mm) 車重106kg■水冷4ストローク単気筒SOHC2バルブ 125(170)cc 11.4(12.2)ps/8500(7500)rpm 1.05(1.27)kg-m/6500(6000)rpm 変速機CVT 燃料タンク容量5.5L■タイヤサイズF=110/70-16 R=110/70-16 ●価格:39万500(42万3500)円 ●色:灰 ※( )内は200 GT
このたび発表したニューモデル3種には、ブランドのアイデンティティである『ライオンズクロー(ライオンの鉤爪)』をモチーフとしたLEDデイタイムランニングライトやテールランプなどが採用され、プジョーブランドのイメージ統一を図っている。
ジャンゴ 125 ABS ファイナルエディションも日本初公開。
AAウィズ/ AAウィズPRO 「2輪モデル」【今春発売予定】
また、プジョーモトシクルの輸入元であるアイディアは、電動ワーキングスクーターのニューモデル『AAウィズ/AAウィズプロ』を今春に発売予定だ。大容量バッテリーの搭載により一充電あたり最大123kmの走行を可能とし、原付一種と原付二種それぞれにバッテリー容量の異なるタイプを用意する。さらにワールドプレミアとなるのが、既存モデルである『AAカーゴ』の次世代モデルとなる電動3輪『AAカート』で、プジョーのニューモデルも含めて第50回東京モーターサイクルショーで展示される。
【aidea AA-WIZ α/PRO α/β/PRO β】主要諸元■全長1840 全幅645 全高1050 軸距― シート高690(各mm) 車重125(130)kg■電動モーター 0.6(1.0)kW バッテリー容量約4kWh●価格:52万8000(53万9000)円 ●色:赤、白●2023年春発売予定
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
あなたにおすすめの関連記事
330ccのeSP+搭載、セレクタブルトルクコントロールは標準装備 シティスクーターらしい洗練されたスタイリングと、アドベンチャーモデルのエッセンスを高次元で融合させ人気となっているADVシリーズ。 […]
あなたの心のヒーローはどっち? タイホンダお得意の限定コラボモデルが登場だ! 今回発表されたのは、ディズニー100周年を祝うマーベルとのコラボモデルで、アドベンチャースクーター「ADV160」をベース[…]
かつてのXR1200がフレンドリーなデザインとサイズ感に! ハーレーダビッドソンのブランニューモデルが海外に登場だ! このところ2輪市場が活気づいている中国において、ハーレーダビッドソンが1970年代[…]
"外車"と聞いて、どんなイメージが浮かぶだろうか。まんべんなく性能を備えた国産車に比べて、よくも悪くも個性の塊…といったところだろうか。その個性がどこから来るのかといえば、やはりエンジンだ。国産車には[…]
2021年にフルモデルチェンジし、5速ギヤボックスの新エンジンを採用 ホンダは、原付二種スポーツバイク「グロム(GROM)」のエンジンを令和2年排出ガス規制に適合させたうえ、カラーバリエーションを一新[…]
最新の関連記事(プジョー)
プジョー ツイート125GT 概要 [◯] 空冷ながら力強い走り。段差でふられにくいぞ フロントホイール径が16インチでフラットなフロアボードを採用する車種が、一般的にハイホイールスクーターと呼ばれる[…]
動画はコチラ→欧州ならではの実用スクーター! プジョー ツイート125GT 試乗インプレッション[…]
ボルドーレッドのシートが目印 フランスワインの名産地であるボルドーの赤ワインをイメージした専用カラーのシートを装備し、ショートスクリーンを追加した特別仕様の「ジャンゴ125/150 ABS ボルドーエ[…]
ジャンゴのモチーフは1950年代の「プジョーS55」 現存する世界最古のモーターサイクルブランド・プジョーモトシクル。その歴史と伝統を受け継ぎながらも、現代的な性能と装備を持つネオレトロスクーターが「[…]
ジャンゴの都会的なイメージを一新するクロスカントリーデザイン 1953年にプジョーが発売した『S55』をルーツとするスクーターがジャンゴで、エンジンは125ccと150ccの2種から選べる。曲面を多用[…]
最新の関連記事(アイディア)
都庁前にゼロ・エミッション・ヴィークルが勢ぞろい! カワサキも水素エンジンバギーとZ EVを出品 国が2050年のカーボンニュートラル(以下CN)を目指すなか、それより一足早い2030年に四輪、そして[…]
軽量化で航続距離を大幅改善! 大手企業が続々と導入している電動3輪ビジネスバイク・AAカーゴ。メーカーのアイディア社は今年1月に国土交通省の型式認定を取得、日本第5のバイクメーカーとして認定されるなど[…]
NTT東日本が設備保全用車両にアイディアのAAカーゴを導入 アイディアではこれまでにDHL、日本マクドナルド、日本郵便、CoCo壱番屋などにデリバリー業務用としてAAカーゴを納入してきた。AAカーゴは[…]
型式認定取得によって国と都の補助金対象に AAカーゴは、リチウムイオン48Vバッテリーをエネルギー源として、ブラシレスDCモーターを駆動させる電動3輪車だ。構造は前1輪/後ろ2輪で、軽快なハンドリング[…]
カレーライスという汁物運搬に適した低振動の電動3輪バイク このたびアイディア製電動3輪バイク『AAカーゴα4』が納入されたのは、埼玉県川口市にある『カレーハウスCoCo壱番屋 川口領家中央通り店』。ア[…]
人気記事ランキング(全体)
Z1、GPz900R、Ninja ZX-9Rから連なる“マジックナイン”の最新進化系 カワサキは、948cc並列4気筒エンジンを搭載したスーパーネイキッド「Z900」および上級モデル「Z900 SE」[…]
涼しさの心臓部。それは「素材」と「構造」の魔法的組み合わせ うだるような暑さと、じっとりと肌にまとわりつく湿気。毎年繰り返されるこの季節に、多くの人が少しでも快適に過ごせる服を探し求めている。そんな中[…]
『Wheels and Wavesフェスティバル』にカスタムマシン×11車を展示 6年目を迎えたHondacustoms(ホンダカスタムズ)、過去にはCB1000Rやレブル、CL250/CL500、モ[…]
左右2本出しマフラーやベルトドライブ、6速ミッションも採用 ヒョースンモータージャパンは、水冷124.7cc・V型2気筒エンジンを搭載したクルーザーモデル「GV125Xロードスター」を発売する。 挟み[…]
アメリカは”英国車マニア”多し! この1956年製MGAはご覧の通り左ハンドルで、最初から北米仕様だったもの。そもそも、アメリカは英国車マニアが数多く存在しており、1950年代どころか1930/194[…]
最新の投稿記事(全体)
「パンヘッドのチョッパーに乗りたい」理想像を具現化 目の肥えたファンが集まるカスタムショーに大きなブースを構え、絶え間なくハイレベルな作品を発表し続ける遠藤自動車サービス。その確かな技術力/信頼性の高[…]
2023年モデル:400クラス唯一のクルーザーとして復活 発売は2023年4月25日。先代となるエリミネーター400から実に15年ぶりの登場で、エリミネーター/SEの2グレード展開だった。 ニンジャ4[…]
日本を代表するツーリングロードのティア表だっ! 「次のツーリングは、どこへ行こう?」 そんな嬉しい悩みを抱える全てのライダーに捧げる、究極のツーリングスポット・ティア表が完成した。 ……いや、そもそも[…]
フレンドリーさも持ち合わせていた名機’89 NSR250R 1986年に初登場した2ストロークレーサーレプリカの名車、NSR250R。登場から30年以上が経過した現在でも、型式を問わず根強い人気を誇っ[…]
幻のヤマハロータリー〈RZ201〉 1972年東京モーターショウの最大の話題は彗星のように登場したこのローターリー車だ。水冷・横置きツインローターを搭載、また前輪とともに後輪にもディスクブレーキを採用[…]
- 1
- 2