●文:ヤングマシン編集部 ●写真:長谷川徹(一部)
“外車”と聞いて、どんなイメージが浮かぶだろうか。まんべんなく性能を備えた国産車に比べて、よくも悪くも個性の塊…といったところだろうか。その個性がどこから来るのかといえば、やはりエンジンだ。国産車にはあまりないチョイスをすることが多く、400cc以下に限っても、ここで取り上げている空冷Lツインやロングストローク単気筒、やたらハイパワーな水冷シングルなど、エンジンの設計や味付けにこだわりまくっているのが外車と言っていい。
大型バイクの場合、Lツインのドゥカティや水平対向2気筒のBMWといった具合にメーカー自身の歴史そのものの型式も多いが、そこで培った「我々が考える”優れたエンジン特性”はこうだ!」という意志やDNAが、ミドルクラスの兄弟車(それが異なるエンジン型式であっても)にも注入されている。そして、大型バイクに比べればそれがほどよい濃さにまとまっているのが”普通二輪免許”クラスなのだ。
KTM RC390
先代390デュークをベースに独特な2眼+フルカウルを与えたSS。ハイパワーと250並みに軽い車体が武器だ。ホワイトパワー倒立フォーク+ラジアルマウントキャリパーはデュークを踏襲しつつ、キャスター角やサスペンション設定は専用。フルモデルチェンジした’22モデルでは、新ライドバイワイヤーシステムを採用し、エアボックスの変更や新しいマッピングの採用でトルクを増強。スタイリングも刷新されている。
軽さと安定感を両立し、コントロールが楽しい! 正常進化形とも思える新型RC390だが、はっきり言って従来型とはキャラが異なる。スーパースポーツスタイルのデュークと言えなくもない従来型に対し、新型は純粋[…]
KTM 390デューク
上掲したRC390のベース車。強力な単気筒エンジンをトレリスフレームに搭載し、前後WP製サスペンションで武装する。ラジアルマウントキャリパーやTFTカラーディスプレイも嬉しい装備。弟分の250/125も人気だ。
ロイヤルエンフィールド メテオ350シリーズ
元来、英国のメーカーだが、現在はインド資本下で現地を中心に高い人気を誇るロイヤルエンフィールド。「メテオ350」はインドで発表された新作で、349cc空油冷シングルを積むネオクラシック。日本向けは3グレード構成で、価格は59万6200円~62万2600円。鼓動感など単気筒の心地良さを感じさせつつも、全回転域を通したフレキシビリティには目を見張るものがある。ファイアーボールがSTD、ステラが上級版。スーパーノヴァは、ウインドシールドまで備える。
【テスター:田宮 徹】原稿の執筆スピードは業界随一を誇るフリーライター。サーキットやモトクロスが大好きで、猪の解体などの趣味が高じて時々何屋かわからない状態に。 味わい絶妙なエンジンは一度体験すべき存[…]
ロイヤルエンフィールド クラシック350
ロイヤルエンフィールドはメテオ350とベースを共有するクラシック350を本国インドにて発表。伝統のスタイルを新型エンジンでも継承し、日本への導入は’22年の見込みだ。GB350のガチンコライバルになりそう。
ハスクバーナモーターサイクルズ スヴァルトピレン401
ハスクバーナモーターサイクルズ創業国・スウェーデンの言葉で”黒い矢”という意味を持つ「スヴァルトピレン」は、近未来とレトロを融合したスクランブラースタイルが特徴。優れたファンライド性能は、走りの楽しさを重視するベテランライダーさえも満足させる。
回す楽しさ、操る快感。バイクの本質ここにあり '21年型は401/250/125で展開されているスヴァルトピレン。近年のカテゴライズならネイキッド系に分類されるだろうが、そこにはスクランブラーやクラシ[…]
ハスクバーナモーターサイクルズ ヴィットピレン401
スヴァルトピレン401の兄弟車。セパハン+スポークホイールで、ネオクラスタイルのカフェレーサーに仕立てられている。上掲した390デュークの先代モデルがベースだ。こちらは401のみだが、スヴァルトピレンには250/125が存在する。
ドゥカティ スクランブラーシックスティ2
空冷Lツインを搭載するスクランブラーシリーズ。1100/800ときて末弟にあたるのが399ccのシックスティ2だ。800に近い車体構成ながら正立フォークに細めのリヤタイヤ、ほどよいトルクのエンジンによる好バランスで、「スクランブラーで一番楽しいのはシックスティ2」との意見もあるほど。
BMW G310R/G310GS
後方排気×後傾シリンダーの単気筒エンジンをスチールパイプフレームに搭載する基本構成はR/GSとも共通。倒立フォーク/ラジアルマウントキャリパー/ライドバイワイヤー/アシストスリッパークラッチなど、装備も一級品ながら、価格はG310R=63万7000円~、G310GS=70万9000円~に抑えられている。
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ドゥカティ社の現行モデルで唯一、日本の普通二輪免許で乗車OKなスクランブラーの末弟。フレームと心臓部は800譲りで、共通の鋼管トレリスフレームにボア&ストロークを縮小した空冷Lツインを抱く。正[…]
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