
大阪モーターサイクルショーでワールドプレミアを飾ったカワサキの「エリミネーター/SE」。現地で得た詳報の第2弾は、充実のユーティリティやオプションのほか、今後の派生モデル展開、250cc版の存在(!)などをお届けしよう!
●文/写真:ヤングマシン編集部(沼尾宏明) ●写真:藤村のぞみ、編集部 ●外部リンク:カワサキモータースジャパン
ユーティリティ:日本車初のドラレコ標準は配線がスマート、ETCとスマホ連動は標準
装備面で何と言っても特筆すべきはSEに標準装備されるドライブレコーダーだ。
前後映像を記録し、万一のアクシデントに対する備えになるのはもちろん、ツーリングの思い出をプレイバックすることも可能。近頃は後付けするユーザーが多いことから、国内仕様のバイクで初めて採用に踏み切った。
後付けした場合、配線加工が難しかったり、美観を損ねたりするケースもある。だが、エリミネーターSEの場合、工場出荷時に専用ハーネスで組むため、あらかじめキレイに車体へ収まるのがメリットだ。
また、SEには右ハンドル手元にUSBソケット(タイプC)が標準装備される。これもツーリングで重宝する装備だ。
STD、SEの共通装備にも便利なアイテムが揃う。全車標準でETC2.0車載器を備えるほか、メーターにはスマホ連動機能を搭載。無料アプリを通して電話やメール着信の通知がメーターに表示できる。また、走行ルートをはじめ、車速、エンジン回転数、ギヤポジ、瞬間燃費などの情報をスマホでグラフィカルに確認できるログ機能が楽しい。
SEは、ミツバサンコーワ製のGPS対応ドライブレコーダーを日本車で初搭載。カメラはヘッドライト左下側とテールランプ左下側に装着される。マイクロSDカードに常時走行を記録し、強い衝撃を受けた場合、データを別ファイルとして保存する。なお現在STDにはオプション設定されていない。 [写真タップで拡大]
小ぶりな円形の白黒デジタルメーターを新開発。高コントラストで視認性が高く、アナログ風タコやギヤポジ表示を備える。スマホとブルートゥース接続でき、詳細な走行ログを記録可能。走行ルートや合計走行距離、走行時間、平均速度なども無料アプリで取得できる。 [写真タップで拡大]
防振対策:シャーシの各部にラバーを採用し、快適性アップ
快適性という点において、不快な低振を抑制するのは重要。各部パーツも積極的に振動対策を施している。
まずハンドルをラバーマウントし、グリップやミラーに伝わる振動を低減。ライダー&タンデムステップともに硬質ラバーで巻き、中空構造と下部ウエイトで振動を抑制する。さらにシート下にゴムダンパーを設置。ライダーがバイクと触れ合うポイントの振動を軽減し、全方位的にツーリングの快適性を狙っている。
オプション:各パーツメーカーと初期から開発し、ゾクゾク登場予定!
ライフスタイルや好みに合わせ、自分自身の1台を造り上げられるのがエリミネーターの魅力の一つ。開発段階からアフターパーツメーカーと共同開発し、リリース時点から多くのオプションパーツが用意される。下記はその一部で、まだまだ登場する予定だ。
カワサキ純正
リヤキャリアやグリップヒーターなどの定番商品をラインナップ。STD比マイナス20mmのローシートと、プラス30mmのハイシートも用意される。足着きが不安な人にも、より長距離が快適なクッション性やスポーティさを求める人にも応えてくれるのだ。
パッセンジャー用のグラブバーは人間工学に基づいた設計の上に、初代エリミをオマージュしたデザイン。SEにこれを装着すればより“らしさ”がアップする。
SEに標準装備されるUEB電源ソケットは7502円。ヘルメットロックも1万3200円で販売する。
ソメスサドル
大阪会場のSEに装着されていたサドルバッグがコチラだ。ソメスサドルは1964年の創業以来、革製品づくりを続けてきた革製品メーカー。日本で唯一、馬具を製造しており、バイク用サドルバッグは同社初の試みとなる。高級感のあるレザーが一段とカッコよさをアップしてくれる(市販予定品)。
アクティブ
ガタが少なく操作性の高い左右レバーをはじめ、滑りにくいステップ、荷掛けフックなどをラインナップ。高精度の機能パーツでツーリングを快適にしてくれる。パフォーマンスダンパーも開発中だ。
・STFレバー ●価格:1万1000円
・荷掛けフック ●価格:3630円
・ステップバー ●価格:9900円
・etc.
デイトナ
スタイルを崩すことなく、ツーリングの快適性を高めるパーツを提案。バックレストは、パッド位置を上下2段階に調整でき、背面にツールバッグを装着可能だ。グラブバーキャリア、サドルバッグサポートとの同時取り付けもOK。
左右サドルバッグ、エンジンプロテクターなども開発中だ。
バックレストキット【開発中】
ツールバッグ ●価格:6820円
サドルバックサポート【開発中】
プロト
可倒式のキャリアシステムをはじめ、レバー、ミラー、スマホホルダーなど様々なパーツを用意。
ツーリングマルチキャリア【参考出品】
キャンプツーリングシートバッグ ●価格:1万4080円
スクランブラーミラー ●価格:1万5730円
上記4社のアクセサリー詳細はコチラ↓
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今後のバリエーションは? そして250はスバリ出る?
発表されたばかりでまだ発売日も決まっていない段階だが(笑)、気になるポイントを関係者に直撃してみた。
筆者が気になったのはバリエーションモデルの存在。’86年登場の旧エリミネーター400にはキャストホイール仕様のほかに、ワイヤースポークホイールとメッキを各部にあしらった「LX」がラインナップされていた。もしかして新型エリミにもスポーク仕様が……?
関係者筋によると「開発段階でそういう話は出てるかもしれませんが、世界戦略車として考えた場合、耐久性やメンテナンス性を選択した結果、キャストホイールとなりました」という。
どうやらスポーク仕様は難しそうだが、将来的に登場する可能性はゼロではないかもしれない……?
そして250版はどうなるのか? 詳報①でお伝えしたとおり、走りを重視した結果、新型はエリミは「400」の排気量を選択した。しかし126~250ccクラスでは、同じくクルーザーのホンダ・レブル250が5年連続でベストセラーを記録している。
本誌では以前よりエリミネーター250の登場も予想しており、従来型エリミにも並列2気筒の250が存在していた。そして新型エリミのエンジンはニンジャ400がベース。ニンジャ400と250は車体が共通のため、エリミに250ccのエンジンは容易に搭載できるだろう。
レブルには現在もライバルが存在せず、ここに対抗馬として「エリミ250」を送り込まない手はないハズだ。
これに対し、関係者筋は「皆様からご要望がもしあれば、検討していきます」との回答。
400の発売も待ち遠しいが、より幅広い層に届く「エリミネーター250」の登場も心待ちにしたい!
爆売れ中のレブル250。車両価格はエリミより約15万円安い61万500円。車検がないため、維持費も有利だが、エリミは車格が立派で+22psのパワーを持つ。その上、ETC、スマホ連動などの装備が充実している。なおエリミの価格は、レブル250と500のちょうど中間。この装備なら相当コスパは高い! [写真タップで拡大]
KAWASAKI ELIMINATOR / SE[2023 model]
車名 | ELIMINATOR | ELIMINATOR SE |
型式 | 8BL-EL400A | ← |
全長×全幅×全高 | 2250×785×1100mm | 2250×785×1140mm |
軸距 | 1520mm | ← |
最低地上高 | 150mm | ← |
シート高 | 735mm | ← |
キャスター/トレール | 30°/121mm | ← |
装備重量 | 176kg | 178kg |
エンジン型式 | 水冷4ストローク並列2気筒DOHC4バルブ | ← |
総排気量 | 398cc | ← |
内径×行程 | 70.0×51.8mm | ← |
圧縮比 | 11.5:1 | ← |
最高出力 | 48ps/10000rpm | ← |
最大トルク | 3.8kg-m/8000rpm | ← |
変速機 | 常時噛合式6段リターン | ← |
燃料タンク容量 | 12L | ← |
WMTCモード燃費 | 25.7km/L(クラス3-2、1名乗車時) | ← |
タイヤサイズ前 | 130/70-18 | ← |
タイヤサイズ後 | 150/80-16 | ← |
ブレーキ前 | φ310mmディスク+2ポットキャリパー | ← |
ブレーキ後 | φ240mmディスク+2ポットキャリパー | ← |
乗車定員 | 2名 | ← |
価格 | 75万9000円 | 85万8000円 |
発売日 | 未発表 | ← |
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