6角/12角の形状、そしてサーフェイス。作業内容で使い分けたいソケットシリーズ〈コーケン〉

6角/12角の形状、そしてサーフェイス。作業内容で使い分けたいソケットシリーズ〈コーケン〉

バイクをいじる際に効率よく確実にボルト締めたり緩めたりするのに活躍する、ソケットとラチェットハンドル。形状もさまざまで、用途に応じて使い分けることで効率性も飛躍的にアップする。ここではコーケン製のソケットシリーズを紹介しよう。


●文/写真:モトメカニック編集部 ●外部リンク:山下工業研究所

バイクいじり全般で使い勝手の良いスタンダードサイズ

自社内の多段鍛造設備で同じブランク材から鍛造するため、スタンダートサイズの全長は6角/12角/サーフェイスとも開口部5.5〜13mmは全長26mm、14mmは全長27mm、15〜17mmは全長28mmと共通。

このため、ソケットを交換してもラチェットハンドルとの距離感が大きく変わらないため、違和感なく作業できる。さらに開口部側だけでなく、四角凹部も面接触形状とすることでソケット自体の耐久性を向上している。

【サーフェイスソケットレールセット RS3410M/12】(上段)。【RS3400M/8】(中段)と【RS3405M/8】(下段)のセット内容は8/10/11/12/13/14/17/19mmの8サイズ。RS3410M/12は8/9/10/11/12/13/14/15/16/17/18/19mmの12サイズ。6角と12角セットは12サイズ版もあり、3タイプとも各サイズ単品でも購入できる。●希望小売価格:1万2600円(税抜) 【12角ソケットレールセット RS3405M/8】●希望小売価格:6640円(税抜)【6角ソケットレールセット RS3400M/8】●希望小売価格:6640円(税抜)

上段の写真は6角、下段の左の写真は12角、右はサーフェイスドライブの開口部。6角も12角も面接触のフラットドライブを採用しているが、サーフェイスドライブの逃げ具合はそれらに比べて極端であることが分かる。接触面を多くすることで、応力を分散しながら強いトルクを掛けられるのが特長だ。

ロングスタッド対応の懐の深さが特徴。個性が光るエクストラディープ

ラチェットハンドルが干渉してソケットが届かない場合、エクステンションバーで延長することも可能だが、ソケット接合部のガタが気になる場面ではソケット自体の長さで対応できることもある。

4個のソケットは差込角3/8インチで開口幅12mmだが、スタンダードの全長26mmに対して、セミディープは40mm、ディープは55mm、エクストラディープは120mmと違いは明確。ディープ系はソケット内部が中空で、スタッドボルトに取り付けられたナットを回す際に重宝する。

スタンダードソケットとラチェットハンドルの組み合わせは、高さを抑えられるが、セミディープは早回しする際にソケット自体を摘まみやすい。ディープやエクストラディープは、奥深い位置にあるボルトやナットに対して有利なのは間違いなく、それぞれに活躍の場がある。製品の名称と価格は左から【3400M 6角ソケット 12mm】●希望小売価格:800円(税抜) 【6角セミディープソケット 12mm】●希望小売価格:1260円(税抜) 【3300M 6角ディープソケット 12mm】●希望小売価格:1610円(税抜) 【3300M(L120)6角エクストラディープソケット 12mm】●希望小売価格:3350円(税抜)

直線固定と首振りの2段活用。融通が利くオフセットタイプ

ディープソケットでも届かないボルトやナットを回す際に重宝するエクステンションバー。コーケンには標準タイプとオフセットタイプがあり、汎用性の高さにおいては後者が優位となる。

オフセットタイプはソケット差込部の四角凸部の根元が若干絞り込まれており、ソケットが上下左右15度まで傾き、ソケットを深く差し込むと直線状態で固定されて2通りの使い方ができるのが特長だ。

【PK2763/3 オフセットエクステンションバーセット】●希望小売価格:1万4700円(税抜)

差込角1/4インチのセットは全長28/50/100/150/200/250mmの6個組で、3/8インチ(PK3763/6 税抜希望小売価格1万4800円)は、32/50/75/125/150/250mmの6個組。指で回す際に滑りにくいよう、四角凹部にセレーションが刻まれている。

ユニバーサルジョイントほど大きく傾かないが、エクステンションバー自体がどこかに干渉する場合に便利なオフセット機能。ソケットを深く押し込めばグラつくことなく回せるので使い勝手は良好。

ラチェットハンドルは72歯のZ-EALが魅力的

ボルトやナットが緩んだ状態でもラチェットが使える空転トルクの軽さがコーケン製ラチェットハンドルの大きな美点で、標準タイプの24歯ギヤ仕様でも快適な作業が可能。

だがハンドルの最小振り角に注目すれば歯数が多い方が有利なのは間違いない。多歯ギヤにありがちな空転時の引きずりが皆無で、一方でギヤが噛み合った際の剛性と信頼性が抜群のZ-EALの72歯ギヤハンドルは、誰にでもおすすめできる逸品である。

(上から)【3725Z Z-EALラチェットハンドル】 ●希望小売価格:8340円(税抜) 【3725ZSB Z-EALショート/プッシュボタンラチェットハンドル】 ●希望小売価格:9020円(税抜)

Z-EALは狭い場所での作業性を重視しただけあって、プッシュボタンタイプも標準タイプもヘッドの幅は28mmと狭い。その上で独自開発のパウル(爪)を採用することで、多歯ギヤの弱点を克服している。

コンパクトさにこだわるZ-EALのソケットは、標準品より全長が短く、接合部分の精度向上により着脱がきつい場合もある。そんな場面で新開発のプッシュボタン式ロックシステムが効果を発揮する。

全長100mmの3725ZSBは、178mmの3725Zに対して圧倒的にコンパクト。Z-EALラチェットハンドルのラインナップは豊富で、差込角3/8だけでも20種類のバリエーションがある。

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