
電池性能の向上で車中泊好きやトランポユーザーに重宝されている車室内電源=ポータブルバッテリー。ポタ電を充電するためのケーブルは太く、バッテリー端子に確実に結線しなくてはならない。そんなときに重宝するのが、最大3ヶ所に端子をつなげるマルチ型バッテリーターミナルである。
●文/写真:モトメカニック編集部 ●外部リンク:ヒーロー電機(株)
太いケーブルの通り道確保とバッテリーへの確実な結線が重要
レジャーやキャンプや災害時に重宝する可搬式電源と言えば、かつてはエンジンを動力とした発電機が一般的だったが、それに代わって一気に普及したのがポータブル電源、通称「ポタ電」である。
騒音や排気ガス問題とは無縁に車内や屋内でも電気を使用でき、キャンピングカーや車中泊ユーザーの支持も厚い。エンジン式に比べて静粛性は圧倒的だが、ポタ電は内蔵バッテリーの充電が必要で、その方法には屋内に持ち込みAC100Vにつないだり、自動車のシガーソケットに接続したり、製品によっては太陽光パネルで充電できるものもある。
ただし大出力化を図ればポタ電本体の重量は増大し、充電に必要な電力も大きくなる。ここで紹介する2000Whクラスになると重量20kgというのも当たり前で、持ち歩くのも容易ではない。またシガーソケットからの充電も車両側のヒューズ容量(一般的に10A)で上限が決まるため、車内での消費電力が多いと満充電までに時間がかかることもある。
そんな時に重宝するのが、ポタ電専用のDC充電器である。発電時(エンジン稼働時)しか充電電流を流さず、シガーソケットからの充電と異なり、充電器内部で電圧を上げる昇圧機能があるため、効率よくポタ電を充電できる。
ここで装着する充電器はスマホの専用アプリで15~56Vの範囲で充電電圧を設定でき、10Aの電流を流すことができる。つまり最大560Wで充電でき、シガーソケットの上限である120W(12V×10A)の4倍以上の仕事をするのだから、ヘビーユーザーにとって必需品である。
ただし500Wを超える充電を安全に行うには、車のバッテリーとDC充電器をつなぐケーブルが重要。今回装着する充電器もケーブルは14sq(6AWG)とかなり太く、既存のバッテリーターミナルに新たな端子を追加するとかなり窮屈で接触不良の心配もある。
そんな時に活用したいのが、バッテリー端子(ポール)にクランプする本体とマルチ変換プレートによって、最大3カ所に丸形端子をボルト留めできるヒーロー電機のマルチ型バッテリーターミナル。数多くの配線用製品を開発しているメーカーの製品だけあって、3カ所のボルトには適切な間隔があり太い配線に合わせた大きな丸形端子も余裕を持って固定できる。
(左)電装部品専門メーカーとして歴史と実績のあるヒーロー電機製の無酸素銅マルチ型バッテリーターミナルDMPL-1(+端子用)、DMPL-2(-端子用)。専用カバーDVC-DMR(赤)、DVC-DMB(黒)もある。(右)14sqのケーブルを配線するための丸形端子も品質が確かなものを選択しよう。
大電流が流れるからこそ確実な配線構築が必須
一方バッテリーから室内に引き込んだケーブルは同社のコルゲートチューブで保護することで安全性を確保。
電池性能の向上と比例してポタ電の普及は今後もますます進むだろうが、便利なアイテムを装着する際にこそ、安全に配慮した配線作りを行うことが重要だ。
ヒーロー電機のコルゲートチューブはサイズが豊富(内径φ3.2~28.4mm・標準タイプ)で14sqケーブルの保護も余裕。
常時充電するためのDC-DC充電器を追加
車両のバッテリーとポータブル電源の間にDC-DC充電器を設置することで、充電器内のモニター機能によりバッテリー直結状態でもエンジン稼働時(オルタネーターからの充電電圧発生時)以外は充電せず、ポタ電の残量に応じて適切な充電を行うことができる。
大電流が流れる端子の接触不良は抵抗増加や発熱などトラブルの原因になるため、確実に接続できるマルチ型バッテリーターミナルを使用した。またDC-DC充電器のブレーカーに加えて、車両バッテリーの近くにもノーヒューズブレーカーを追加した。
配線とポタ電の取り付けの流れ
DC-DC充電前に車側のバッテリー搭載位置を確認する。V6、3400ccのガソリンエンジン車なので性能ランク125の大容量型を搭載している。
4m程度のDC-DC充電器用ケーブルを車室内にどう引き込むかを検討する。バッテリー裏側の隔壁(バルクヘッド)に室内につながる穴があれば良いが……。
結局エンジン周りの配線やアクセルワイヤーが通る車体右側の穴が最善と判断して、室内からエンジンルームにケーブルを引き出す。14sq×2本なので大変。
運転席側下部のステップからセカンドシートにケーブルを通し、床面に固定したDC-DC充電器本体に結線する。この本体側に標準装備のブレーカーがある。
万が一の事故などでエンジンルーム内でケーブルが短絡した際にバッテリー直結の電気が遮断するよう、+側ターミナル付近に60Aのブレーカーを追加する。
このブレーカーはポタ電用DC-DC充電器を搭載するキャンパーユーザー界隈では必須装備らしい。バルクヘッド裏に手が入らないのでブラインドナットを取り付ける。
ブレーカーをバルクヘッドに仮留めして、付属ケーブルのプラス側を接続。残りの分ではバッテリーに届かないので、ブレーカー~バッテリー間のケーブルを新設する。
バッテリーターミナル接続部分は丸形端子を使用し、圧着工具で確実にかしめる。専用工具がないからといってペンチなどで代用すると接触不良の原因となる。
バッテリーに取り付けた無酸素銅マルチ型バッテリーターミナルは、接続するケーブルの向きに合わせて固定する。3カ所で固定できるため各端子がしっかり密着する。
マイナス側も無酸素銅マルチ型バッテリーターミナルを利用し、純正アースとDC-DC充電器用ケーブルを取り付ける。無酸素銅は高純度で導電性が極めて高い。
既存のハーネスやバッテリー着脱時に干渉しないよう配置したDC-DC充電器用ケーブルが完成。撮影後、赤と黒のケーブルにコルゲートチューブをかぶせておいた。
ポタ電本体が20kgあるので、通常の運転で滑ったり転倒することはない。USB出力はもちろん側面のAC100Vコンセントで電化製品(最大2000W)も使用できる。
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