![[バイクDIYメンテ] 絶版車の古くなったシート表皮を張り替え再生してみた〈ホンダCB750〉](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2023/12/NTB_Seat_01.jpg)
乗り込まれたシート特有の摩擦によるツヤツヤ感やホールド性の悪さが目立つようになった、ホンダCB750のダブルシート。さまざまな車種用のラインナップがあるリペアパーツブランド・NTB(丸中洋行)の補修表皮を使って張り替えし、心機一転。新たな“乗り心地”を追求しよう。
●文/写真:モトメカニック編集部 ●外部リンク:丸中洋行
かなり難しいシート表皮の張り込み。バイク仲間に手伝ってもらい“人海戦術”で作業
作業経験や場数を踏まないと、正直、かなり難しい作業と言えるのが、シート表皮の張り込みである。単純に表皮を引っ張って固定すれば、表皮各部がピンと張って仕上がるというものでもない。
ここでの撮影作業はあくまでも張り替えイメージであって、何度もこの記事を読み返しても、決して良い仕上がりにはならないことも知ってほしい。しっかりと読み込んだうえで、実作業経験を何度か積むことで、納得のいく張り込み作業をできるようになる。
編集部では、過去には何度かシートを張り込む職人技をリポートしたことがあるが、重要なのは、シート表皮をしっかり温めて作業進行(一気に温めるのではなく、ジワジワ温め表皮が柔らかくなってから作業開始)すること。
シワはなかなかピンと張らないものだが、我々サンデーメカニックの場合は、バイク仲間に手伝ってもらい“人海戦術”で作業進行するのが良さそうだ。
職人さんであれば、ひとりで専用の設備や機器を使って両手だけで作業するものだが、我々サンメカの場合は、仲間にシートを押さえてもらったり、ヘアードライヤーで温めてもらったり、表皮を巻き込み押し付けているときに、もうひとりにタッカーで表皮を固定してもらったりなどなど…。人海戦術で作業進行することで、初トライでもどうにかできるかもしれない。
【張り替え前のシート】マシンオーナー曰く「気持ち良く走っていても、シートが滑って乗り心地が今ひとつでしたが、新しいシート表皮は滑り止め効果が高く、ホールド性も抜群です!!」とのフィーリングに変わったそうだ。肉抜きタイプの形状は張り込みに苦労する。
RC42でも初期モデルにはシートベルトが付く。現在はグラブバーがあれば車検には抵触しないので、NTB製にはシートベルトが付かない。シート形状は同じなので、補修表皮を使うことができた。
ミシン縫製やマチ部分の仕上げは、純正シート表皮の仕上がりと変わらないクオリティ。表皮材料も耐水性に優れたバイク用表皮を使っている。縫製部分にコーキング材を擦り込むことで、防水対策をさらに高めることも可能。
シート表皮の張り替え作業
旧シート表皮はタッカーで樹脂ボトムに固定されているので、マイナスドライバーなどでタッカー中央を起こしてから、先細プライヤーですべてのタッカーを取り除く。
純正シート表皮には補修跡があったが(パッチ接着)、雨水を吸い込んで悲惨な状況のアンコには至っていなかった。水分がアンコのコンディションを著しく低下させる。
シート表皮を剥がしたら、慌てて作業進行するのではなく、まずはシート裏の汚れをしっかり除去しよう。家庭用洗剤のマイペットと小型ブラシを使って、汚れを落とした。
汚れを落とすことができて、コンディションも良くなった。さっそく、作業に取りかかりたいところだが、ここは慌てずに作業進行していこう。まずはアンコの乾燥作業から開始。
シートスポンジのアンコには、多かれ少なかれ水分というか湿気がある。そこで、日陰で風通しが良い場所を選んで、湿気飛ばしの陰干しを行う。半日は干したい。
シートスポンジ前後のセンター部分にマジックインキでマーキングを施してから作業に入ろう。まずは前後の仮固定から。NTB製表皮にはセンターマークがわずかに入る。
リヤ側面のパターン/縫製ラインに合わせて、スポンジの段差を合わせてリヤ側のセンター付近を仮止めする。リヤの縫製ラインを基準に、前側を貼り込んでいく段取り。
縫製ラインをリヤ側アンコの突起に合わせて仮固定したら、シートをグイッと引っ張って、フロント側へ寄せつつ前方も巻き込む。そしてまずは仮固定でイメージ作り。
常に前方へ引っ張りつつ張り込んでいく。一気に仕上げるのではなく、100ミリピッチぐらいにタッカーで仮固定しよう。ボトム形状合わせで左右固定箇所を判断。
上面と側面が縫製によって組み合わされるリヤまわりは容易に貼り込むことができたが、段差の大きいアンコ抜き形状のフロントまわりの張り込みは、人海戦術で作業しよう。
アンコ抜き部を全体的にヘアードライヤーで温め、手のひらで左右へ強引に引っ張り込み、ボトムのエッジに指先で巻き込むように表皮を伸ばしながら仮固定していく。
温めることで、シート表皮は想像以上に伸びる特性。この伸びている間にグイッと巻き込み固定する。表皮は冷えると縮みピンと張る。人海戦術は3名いるとベストだ。
タッカーで仮固定しながらも、正規のタッカー固定で仕上げていく。同じ箇所ばかりを固定するのではなく、左右均等に固定していくことで、バランス良く仕上げることができる。
張り替え完了。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
バイクいじりの専門誌『モトメカニック』のお買い求めはこちら↓
モトメカニックの最新記事
「キャブボディ摩耗」こそFCRが抱える問題 FCRにはセッティング以外にも、長年使用することで発生する特有の問題があります。それがキャブボディ内部の摩耗です。 FCRのスロットルバルブは、操作抵抗を軽[…]
キースターの燃調キットは純正キャブ用だけじゃない キースターの燃調キットといえば、旧車ユーザーやレストアラーにはおなじみの存在です。原付きからビッグバイクまで500車種以上の純正キャブレターに対応し、[…]
持っていても買い足したいショートヘッド&マグネット仕様 短辺が長すぎず、サイズを一発で判別できるよう軸部に配色したL型レンチは他にもあるが、ボルト保持のために長辺側の先端にマグネットを装備して[…]
クロームメッキメンテの決定版 クロームメッキ部品のサビは、メッキ皮膜に存在する目に見えないほどの小さなクラックや穴から浸入した水分が原因で成長する。そして地中深くから吹き出すマグマのように、ニッケルメ[…]
頼れる規格部品「NTB」ブランド 旧車や絶版車で認めざるを得ないのは「人気車種は恵まれている」ということ。例えばカワサキZ1。流通価格は天井知らずだが、部品は純正、社外品を問わず手に入りやすい。ところ[…]
最新の関連記事(メンテナンス&レストア)
有言実行のチャンス到来 さあ有言実行! 予告していた実験をするチャンスがやって参りました。以前、バイク部品のサビを電気の力で分解するという実験をやってみましたが、同じ方法でガソリンタンクのサビを落とし[…]
「キャブボディ摩耗」こそFCRが抱える問題 FCRにはセッティング以外にも、長年使用することで発生する特有の問題があります。それがキャブボディ内部の摩耗です。 FCRのスロットルバルブは、操作抵抗を軽[…]
今回はシートの張り替えのお話 古~いバイクのシート。表皮がすっかり劣化して、柔軟性が失われるのを通り越してバリバリのカチカチ。つまんでみると「パキッ」という音とともに割れる始末。 このシート表皮を張り[…]
キースターの燃調キットは純正キャブ用だけじゃない キースターの燃調キットといえば、旧車ユーザーやレストアラーにはおなじみの存在です。原付きからビッグバイクまで500車種以上の純正キャブレターに対応し、[…]
気が付けば18万キロ 車に使っているスパークプラグ「イリジウムプラグ」って、すっごい長寿命じゃないですか。期間が空いてしまうので、ついついチェックするのを忘れていて、車検のたびに思い出してはいたのです[…]
人気記事ランキング(全体)
SV650/Xが絶版後も評価され続ける理由 スズキのミドルクラスを長年支え、2025年1月発売モデルをもって新規受注を終了した「SV650/X」だが、生産終了後もその価値は色褪せていない。1999年の[…]
現地で予約開始! 501cc空油冷単気筒「CB500」のメカニズム ホンダは2026年7月24日にインドで世界初公開した新型モデル「CB500」について、同年9月21日に現地価格を公表し、予約受付を開[…]
ズバ抜けた速さとピーキーさにシビレタ ’70年代、国内における250㏄クラスの人気は低迷していた。車検がないためコスト的に有利だが、当時は車体設計が400㏄と共通化されるのが普通で、多くのモデルに35[…]
大排気量V8の開発。極めて困難な挑戦に出たロータス 1990年代初頭、ロータスは激動の渦中にありました。長年エスプリを支えてきた直列4気筒エンジンは熟成の極みに達していたものの、フェラーリF355など[…]
60年の伝統を400ccへ! 398cc単気筒「TRシリーズ」と専用シャシーのパッケージング トライアンフがグローバルで6万台以上を販売した新世代400ccプラットフォーム。その展開において、60年以[…]
最新の投稿記事(全体)
「標識がない=60km/h」というドライバーの錯覚 これまで日本の道路交通法では、道路標識等で最高速度が指定されていない一般道路の法定速度は一律で60km/hと定められていた。しかし、主に地域住民が日[…]
Fireblade由来の110.1kW直4と電子制御サス「Showa-EERA」の構造的整合性 CB1000GTのパワーユニットには、2017年モデルのCBR1000RR Firebladeにルーツを[…]
ハーレーが仕掛ける異色の世界選手権 ハーレーダビッドソンは2024年から3年連続で、MotoGP日本グランプリに出展している。世界最高峰のロードレースに、なぜハーレーが? そもそもMotoGPのレース[…]
SV650/Xが絶版後も評価され続ける理由 スズキのミドルクラスを長年支え、2025年1月発売モデルをもって新規受注を終了した「SV650/X」だが、生産終了後もその価値は色褪せていない。1999年の[…]
大排気量V8の開発。極めて困難な挑戦に出たロータス 1990年代初頭、ロータスは激動の渦中にありました。長年エスプリを支えてきた直列4気筒エンジンは熟成の極みに達していたものの、フェラーリF355など[…]
- 1
- 2


![HONDA CB750 RC42|張り替え前シート|[バイクDIYメンテ] 絶版車の古くなったシート表皮を張り替え再生してみた〈ホンダCB750〉](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2023/12/NTB_Seat_02-768x512.jpg)
![NTB|CVH-78リペア用シートカバー|[バイクDIYメンテ] 絶版車の古くなったシート表皮を張り替え再生してみた〈ホンダCB750〉](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2023/12/NTB_Seat_04a-768x512.jpg)
![NTB|CVH-78リペア用シートカバー|縫製|[バイクDIYメンテ] 絶版車の古くなったシート表皮を張り替え再生してみた〈ホンダCB750〉](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2023/12/NTB_Seat_05-768x512.jpg)
![NTB|CVH-78リペア用シートカバー|縫製|[バイクDIYメンテ] 絶版車の古くなったシート表皮を張り替え再生してみた〈ホンダCB750〉](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2023/12/NTB_Seat_03a-768x512.jpg)
![HONDA CB750 RC42|シート表皮張り替え|タッカー除去|[バイクDIYメンテ] 絶版車の古くなったシート表皮を張り替え再生してみた〈ホンダCB750〉](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2023/12/NTB_Seat_06-768x512.jpg)
![HONDA CB750 RC42|シート表皮張り替え|アンコ|[バイクDIYメンテ] 絶版車の古くなったシート表皮を張り替え再生してみた〈ホンダCB750〉](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2023/12/NTB_Seat_07-768x1152.jpg)
![HONDA CB750 RC42|シート表皮張り替え|シート裏清掃|[バイクDIYメンテ] 絶版車の古くなったシート表皮を張り替え再生してみた〈ホンダCB750〉](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2023/12/NTB_Seat_08-768x512.jpg)
![HONDA CB750 RC42|シート表皮張り替え|乾燥|[バイクDIYメンテ] 絶版車の古くなったシート表皮を張り替え再生してみた〈ホンダCB750〉](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2023/12/NTB_Seat_09-768x512.jpg)
![HONDA CB750 RC42|シート表皮張り替え|陰干し|[バイクDIYメンテ] 絶版車の古くなったシート表皮を張り替え再生してみた〈ホンダCB750〉](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2023/12/NTB_Seat_10-768x512.jpg)
![HONDA CB750 RC42|シート表皮張り替え|マーキング|[バイクDIYメンテ] 絶版車の古くなったシート表皮を張り替え再生してみた〈ホンダCB750〉](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2023/12/NTB_Seat_11-768x512.jpg)
![HONDA CB750 RC42|シート表皮張り替え|仮止め|[バイクDIYメンテ] 絶版車の古くなったシート表皮を張り替え再生してみた〈ホンダCB750〉](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2023/12/NTB_Seat_12-768x512.jpg)
![HONDA CB750 RC42|シート表皮張り替え|仮固定|[バイクDIYメンテ] 絶版車の古くなったシート表皮を張り替え再生してみた〈ホンダCB750〉](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2023/12/NTB_Seat_13-768x512.jpg)
![HONDA CB750 RC42|シート表皮張り替え|タッカー固定|[バイクDIYメンテ] 絶版車の古くなったシート表皮を張り替え再生してみた〈ホンダCB750〉](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2023/12/NTB_Seat_14-768x512.jpg)
![HONDA CB750 RC42|シート表皮張り替え|フロント周りの張り込み|[バイクDIYメンテ] 絶版車の古くなったシート表皮を張り替え再生してみた〈ホンダCB750〉](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2023/12/NTB_Seat_15-768x512.jpg)
![HONDA CB750 RC42|シート表皮張り替え|ドライヤー|[バイクDIYメンテ] 絶版車の古くなったシート表皮を張り替え再生してみた〈ホンダCB750〉](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2023/12/NTB_Seat_16-768x512.jpg)
![HONDA CB750 RC42|シート表皮張り替え|巻き込み固定|[バイクDIYメンテ] 絶版車の古くなったシート表皮を張り替え再生してみた〈ホンダCB750〉](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2023/12/NTB_Seat_17-768x1152.jpg)
![HONDA CB750 RC42|シート表皮張り替え|正規タッカー固定|[バイクDIYメンテ] 絶版車の古くなったシート表皮を張り替え再生してみた〈ホンダCB750〉](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2023/12/NTB_Seat_18-768x512.jpg)
![HONDA CB750 RC42|シート表皮張り替え|NTB|[バイクDIYメンテ] 絶版車の古くなったシート表皮を張り替え再生してみた〈ホンダCB750〉](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2023/12/NTB_Seat_01-768x432.jpg)
































