
KTM Japanは、ダカールラリーで培ったファクトリーレーシングの技術を市販モデルへ直接投影した完成形ラリーマシン「KTM 690 RALLY」を、2027年1月より日本国内で発売すると発表した。692.7ccのLC4単気筒エンジンを搭載し、前後分散配置の約20Lデュアルタンクを備えながら燃料除く車重を161.5kgに抑えた本機のスペックと構造を解説する。
●文:ヤングマシン編集部 ●写真/外部リンク:KTM
ダカールラリー直系の設計思想!ファクトリービルドで誕生した本格ラリーマシン
世界で最も過酷なラリーレイドであるダカールラリーにおいて、数々の金字塔を打ち立ててきたKTM。これまで多くのプライベーターやオフロードファンは、市販モデルである「690 ENDURO R」などをベースに、サードパーティ製パーツを組み合わせてラリーマシンへと仕立て上げてきた。
今回登場する「KTM 690 RALLY」は、そうした市場の要望に応える形で、KTMがオーストリアの本社工場で自ら組み上げるファクトリービルドの完成形ラリーマシンだ。
フロントセクションには、長距離の高速巡航時における風圧を遮る専用設計のラリータワーとクリアウインドスクリーンを標準装備。コックピット内部は、ラリーコンピューターやロードブックホルダー、各種ナビゲーション機器の増設をあらかじめ想定したラリーレイアウトを採用している。
大型アドベンチャーモデルでは車重や足まわりの制限によって足を踏み入れにくい過酷なオフロードルートへ挑む冒険者に向け、妥協のない走行性能を提供するパッケージングだ。
総容量約20Lの前後独立タンクと161.5kgの軽量設計がもたらす圧巻の航続性能
果てしない砂漠や人里離れたエリアを走破するラリーマシンにおいて、航続距離と重量配分の両立は最重要課題となる。
そこでKTM 690 RALLYは、車体のフロント側とリア側に分散して燃料タンクを配置する、総容量約20Lのデュアル燃料タンクシステムを採用した。フロント側への燃料配置によって前輪への荷重バランスを整え、給油量が増えた状態でもハンドリングの癖を低減させている。
さらに本機には、フロントとリアの各タンクにおける燃料消費を個別にコントロール可能な「燃料マネジメントシステム」を搭載。ライダーは状況に応じて燃料配分を調整でき、走行ルートや路面状況に応じた重量バランスの適正化が可能だ。
総容量約20Lという大容量の燃料システムと補機類を備えながら、燃料を除く車体重量は161.5kgという軽量な数値に抑えられている。
79PSを叩き出す692.7cc LC4単気筒と最新電子制御システム
パワーユニットには、EURO5+排ガス規制に適合した692.7ccの水冷4ストロークSOHC単気筒「LC4」エンジンを搭載する。最高出力は58.1kW(79PS)/8000rpm、最大トルクは73Nm/6750rpmを発揮し、低回転域からの力強いトルクと高回転域の伸びやかな出力を両立する。
電子制御システムには、路面状況に合わせて出力特性を変更できるライディングモードに加え、バンク角を検知して制御するコーナリングABS、そして後輪の空転を抑制するトラクションコントロールを標準装備。
足まわりには、過酷なオフロード走行に耐えうるクロームモリブデンスチールフレームを採用。ブレーキシステムには信頼性の高いBrembo製(フロント:2ピストンアキシャルキャリパー+300φローター、リア:1ピストンフローティングキャリパー+240φローター)を組み合わせる。
ホイールサイズはフロント21インチ、リア18インチの本格オフロードサイズで、シート高は935mmに設定されている。
未知の地平線を目指すライダーへ!2027年1月発売予定のラリーアドベンチャー
ダカールラリーのDNAを惜しみなく注入し、市販車としての完成度を高めたKTM 690 RALLY。日本国内での発売予定時期は2027年1月と発表されている。メーカー希望小売価格については後日発表とされる予定だ。なお、本モデルには購入後の信頼性を担保する最長4年間のプレミアムメーカー保証が付帯する。
プライベーターが手作業でパーツを集めて組み上げる手間を省き、メーカーが保証するファクトリークオリティの走りを箱から出してすぐに享受できる完成形ラリーマシン。価格や予約受付の開始時期については、全国のKTM正規ディーラーおよび公式サイトにて後日案内されるので続報を待とう。
KTM 690 RALLY (2027model) COLORS
【KTM 690 RALLY】●ファクトリーカラー
KTM 690 RALLY (2027model) SCENES
KTM 690 RALLY (2027model) SPECS
| 項目 | 諸元 |
|---|---|
| 車名 | 690 RALLY |
| エンジン型式 | 水冷4ストロークSOHC単気筒(EURO5+適合、LC4エンジン) |
| 総排気量 | 692.7cc |
| 最高出力 | 58.1kW(79PS)/8000rpm |
| 最大トルク | 73Nm/6750rpm |
| 変速機形式 | 6速リターン |
| フレーム形式 | クロームモリブデンスチールフレーム |
| 車両重量 | 161.5kg(※燃料を除く総重量) |
| 燃料タンク容量 | 総容量約20L(フロントおよびリア配置、個別管理可能燃料マネジメントシステム搭載) |
| シート高 | 935mm |
| タイヤサイズ | 前=1.85-21 / 後=2.50-18 |
| ブレーキ形式 | 前=Brembo製2ピストンアキシャルキャリパー+300φローター / 後=Brembo製1ピストンフローティングキャリパー+240φローター |
| 主要電子制御 | ライディングモード / コーナリングABS / トラクションコントロール |
| 装備 | 専用設計ラリータワー / クリアウインドスクリーン / ラリーレイアウトコックピット |
| 発売予定時期 | 2027年1月予定(価格は後日発表) |
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(新型アドベンチャー/クロスオーバー/オフロード)
各1000台限定の「精致国風」! 歌舞伎クマドリ風グラフィックを纏う特別仕様スクーター ホンダは中国・重慶市で開催された「2026中国摩博会(CIMAMotor)」において、350ccスクーターカテゴ[…]
スズキ「DR-Z4S / SM」2027年モデルがお値段据え置きでオランダにて登場 スズキはオランダの公式ディーラーネットワークを通じて、400ccクラスのオフロードモデル「DR-Z4S」ならびにモタ[…]
Fireblade由来の110.1kW直4と電子制御サス「Showa-EERA」の構造的整合性 CB1000GTのパワーユニットには、2017年モデルのCBR1000RR Firebladeにルーツを[…]
7月の欧州発表から待望の日本解禁!「SV-7GX」が10月13日発売 スズキは、2026年7月8日に欧州で公開されていた新型クロスオーバーモビリティ「SV-7GX」を、2026年10月1日に日本国内向[…]
日本のレースの原点、アサマレースウェイという「聖地」 イベントの舞台となったのは、群馬県長野原町に位置する「アサマレースウェイ」。ここは1950年代に「浅間火山レース」が開催された、日本のモーターサイ[…]
最新の関連記事(KTM)
完全自社開発のWP製ブレーキシステムを新採用 「エンジンやフレームの進化に見合う、もっとコントローラブルなブレーキが欲しい」。そんなエンスージアストの要望に、KTMは応えてみせた。2026年モデルにお[…]
憧れのラリースタイルを、純正マウントにポン付けで実現 「自分のマシンをラリー仕様にカスタムしてみたいが、フレームの溶接加工や複雑な配線がネックで手が出せない」。そんなハードルの高さを感じて、諦めていた[…]
82万9000円でこの装備ならバーゲンプライス! “デューク”はKTMのネイキッドモデルのブランド名。現在はシリーズ最大排気量1350ccを誇る1390スーパーデュークRエボを筆頭に、990デュークR[…]
タンク形状とサブフレームの刷新。2kg減が生み出す極上の一体感 「マシンのポテンシャルは高いが、タンクのホールド感にもう少し自然さが欲しい」。そんな従来モデルに対するライダーの微細な感覚に、KTMの技[…]
アドベンチャーに乗りたいけれど、シートが高くて不安だという大人へ アドベンチャーバイクの堂々たるスタイルに憧れつつも、「シートが高すぎて足つきが不安」「林道より舗装路を走る割合のほうが圧倒的に多い」と[…]
人気記事ランキング(全体)
丸型TFTでフルマップナビ表示! ホンダ新型「CM250 / 500」が重慶ショーで登場 ホンダは中国・重慶市で開催された重慶モーターサイクルショーにおいて、クルーザーカテゴリーの最新モデル「CM25[…]
普通免許で楽しめる!前2輪リバーストライクが生む圧倒的な安定性と走りの歓び Can-Amの3輪モビリティ(Spyder / Ryker)はバイクともクルマとも違う、自由と走りの歓びを届けるオープンエア[…]
免許不要で20km/h! 特定小型原付「モペロ ミニカーゴ2」が予約特価で登場 スワロー合同会社は、ペダルを一切漕がずに移動できる特定小型原動機付自転車「モペロ ミニカーゴ2」を発表した。公式オンライ[…]
ここが効く! 「45Bインナーウエイトハンドル」のポイント 絶妙なポジション移動 純正比で約45mm手前にグリップが寄るため、小柄なライダーやロングツーリングで腕や肩が疲れやすい人にベストマ[…]
CB1300SF SPをオマージュ! 102万円で登場した「CB500SF クラシックカラーエディション」 ホンダは中国の重慶市で開催された「2026中国摩博会(CIMAMotor)」において、CB5[…]
最新の投稿記事(全体)
125ccを大切にしてきたファンティックだからこそ生まれたステルス500 ファンティックの新型ロードスポーツ「ステルス500」を理解するうえで欠かせないのが、同社が長年培ってきた小排気量モデル作りの歴[…]
KLOCK WERKS|機能とデザインを両立したFlareシリーズ ツーリングモデルやクラブスタイルで人気を集めるKlock Werks(クロックワークス)の“Flare”シリーズに、ハンドガードが全[…]
各1000台限定の「精致国風」! 歌舞伎クマドリ風グラフィックを纏う特別仕様スクーター ホンダは中国・重慶市で開催された「2026中国摩博会(CIMAMotor)」において、350ccスクーターカテゴ[…]
ルックスから想像するのとはかなり違う公道での乗り味 同じエンジンを積むGSX-8SやGSX-8Rを未経験だったこともあり、GSX-8Tに乗ってみて最初に驚かされたのは、エンジンの上質なトルク感。低回転[…]
スズキ「DR-Z4S / SM」2027年モデルがお値段据え置きでオランダにて登場 スズキはオランダの公式ディーラーネットワークを通じて、400ccクラスのオフロードモデル「DR-Z4S」ならびにモタ[…]
- 1
- 2












































