![「今見ても美しい…」誕生から24年を経ても色褪せない、レトロモダンなシルエットが印象的なモデル[アルピナ・ロードスターV8]を紹介](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2026/09/2003-BMW-Alpina-Roadster-V8_A.jpg)
ドイツのアルピナが、独立メーカーからBMW傘下となったことを嘆いている方は少なくないのかと。なにしろ、クルマの真髄そのものを磨き上げる手法は世界を見渡しても唯一無二。数あるカスタムファクトリーが束になっても敵うものではありません。そんなアルピナが無双を誇っていた頃の名車といえば、2002年にリリースされたアルピナ・ロードスターV8一択。ストックのBMW Z8とは似て非なるものとして、中古市場で5000万円ほどのプレミアカーとなるのも当たり前なのです。
●文:石橋 寛(ヤングマシン編集部) ●写真:RM Sotherbys
独自にチューンしたF5型V8ユニットを搭載
ご存じの通り、ストックのZ8がサーキットの匂いを感じさせるスパルタンな仕立てだったのに対し、アルピナが目指したのは「どこまでも快適に、エレガントに長距離を走るクルーザー」でした。そのためにアルピナは、BMW M社が手がけた超高回転型のS62型エンジン(M5に搭載されたV8)をあえて降ろしています。代わりに搭載されたのは、常用域のトルクを重視して独自に375馬力までチューンした4.8リッターのF5型V8ユニット。
当初はV12を積む計画もありましたが、エンジンベイが狭く、あえてクルーザー的なキャラをもつV8へと変更されています。
さらに硬派な6速MTを廃止し、ステアリングのボタンで変速が可能な5速AT「スイッチトロニック」を装備しています。こうしたキャラにあわせて、足まわりもランフラットタイヤを捨ててしなやかなセッティングが選ばれるなど、パワートレインとシャシーの味付けこそが、ロードスターV8を語る上での最大のトピックといえるでしょう。
「大人の機能美」が随所に散りばめられ、らしさを演出
一見するとZ8の美しいレトロモダンなシルエットをそのまま残しているように見えますが、ディテールにはアルピナらしい「大人の機能美」が散りばめられています。ストックのZ8は肉厚な18インチホイールを履いていましたが、アルピナはこれを繊細なマルチスポークが特徴の「20インチ・アルピナ・クラシック」へと大径化しています。
ストックの18インチから20インチホイールへの変更と、いくらか下がった車高によってオリジナルとは佇まいが違ってきました。
フロントには控えめなアンダースポイラーが追加され、高速巡航時の安定性を巧みに向上させました。また、ストックには設定のない、アルピナの象徴である深みのある「アルピナブルー」や「アルピナグリーン」を纏った個体を選択できたことも、エクステリアにおける識別点であり、アルピナのユーザーをニンマリさせるポイントでしょう。
控えめなリップスポイラーに見えるものの、高速域での安定感には大きく貢献しているとのこと。
センターメーターを配置したZ8独自のクラシカルなダッシュボードデザインを踏襲したインテリアも、乗員が触れるすべての部位にアルピナによる贅沢なデコレーションを施すことでグレードアップ。シートやトリムには、手触りが格段に柔らかく上質なアルピナ専用のラヴァリナレザーが惜しみなく奢られたほか、3本スポークのステアリングは、裏側に変速用のボタンが埋め込まれ、アルピナ独自のブルーとグリーンのステッチで美しく仕上げられています。
さらに、センターメーターの文字盤は、アルピナの伝統である鮮やかなブルーアイズへと変更。シート後方の隔壁部分には、世界限定555台であることを示すシリアルナンバー付きのプロダクションプレートが誇らしげにセットされています。
北米でも高い人気を誇ったロードスターV8
ところで、ロードスターV8には、もうひとつ重要な歴史的背景があります。それまでヨーロッパ中心の独立メーカーだったアルピナが、初めて「BMW北米の公式ディーラー網」を通じて直接販売を行ったモデルがこれだったのです。555台のうち実に450台が北米へと渡り、その高い完成度をもって、後のアルピナB7などがアメリカで確固たる信頼を勝ち得るための先駆けとなったのです。
2022年にアルピナが世界限定555台でリリースしたロードスターV8。このうち、450台が北米で販売され、いうなればアメリカ初上陸モデルということに。
過激に速くするのではなく、独自の審美眼で「豊かさ」を上乗せする。そんなアルピナの哲学が、ドラマチックに表現されたロードスターV8は、四半世紀近くが経過した現在も、コレクターズ市場で破格の扱いを受ける至高の1台となっています。実際、北米での新車価格は1600万円程度だったものが、前述の通りオークションでは5000万円までプレミアがついているわけで、わかっている方はわかっているのだと痛感。ストックも名車ではあるものの、ここはやはりアルピナが輝いていた頃の1台が大きく上回るのではないでしょうか。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(自動車/クルマ)
普通免許で楽しめる!前2輪リバーストライクが生む圧倒的な安定性と走りの歓び Can-Amの3輪モビリティ(Spyder / Ryker)はバイクともクルマとも違う、自由と走りの歓びを届けるオープンエア[…]
神奈川・三浦半島の観光コンテンツに採用! ブレイズの四輪電動ミニカー「ネクストクルーザーEV」 ブレイズの四輪電動モビリティ「ネクストクルーザーEV」が、神奈川県三浦市で展開されるガイド付き観光ツアー[…]
アドテックとKGモーターズが業務提携! 超小型EV「ミボット」量産とSDV進化を加速 次世代モビリティスタートアップのKGモーターズは2026年10月8日、株式会社アドテックとの間でミニカー規格の1人[…]
免許返納後の足から物流まで!四輪特定原付「ブレイズ イーカーゴ」が初回ロット完売を果たした理由 高齢化の進行や地方部における地域公共交通の縮小により、運転免許を返納した後の日常的な移動手段確保は重大な[…]
大排気量V8の開発。極めて困難な挑戦に出たロータス 1990年代初頭、ロータスは激動の渦中にありました。長年エスプリを支えてきた直列4気筒エンジンは熟成の極みに達していたものの、フェラーリF355など[…]
人気記事ランキング(全体)
オートバイにもドリンクホルダーが欲しい! クルマなら、コンビニで買ったペットボトルや缶コーヒーをドリンクホルダーにポンと置けばいい。しかし、オートバイはそうはいかない。バッグにしまうのもひとつの方法だ[…]
丸型TFTでフルマップナビ表示! ホンダ新型「CM250 / 500」が重慶ショーで登場 ホンダは中国・重慶市で開催された重慶モーターサイクルショーにおいて、クルーザーカテゴリーの最新モデル「CM25[…]
Z&CBの4気筒勢とはやや距離を置くレトロスポーツ スズキが2026年1月30日に発売を開始したGSX-8Tは、’60年代後半のT500をモチーフに取り入れた、レトロな雰囲気のスポーツネイキッド。GS[…]
各1000台限定の「精致国風」!クマドリ風グラフィックを纏う特別仕様スクーター ホンダは中国・重慶市で開催された「2026中国摩博会(CIMAMotor)」において、350ccスクーターカテゴリーの限[…]
免許不要で20km/h! 特定小型原付「モペロ ミニカーゴ2」が予約特価で登場 スワロー合同会社は、ペダルを一切漕がずに移動できる特定小型原動機付自転車「モペロ ミニカーゴ2」を発表した。公式オンライ[…]
最新の投稿記事(全体)
スーパースポーツだけじゃない!様々なタイプのバイクで楽しめる サーキットというとスーパースポーツのようなモデルばかりと思われがちだが、サーキットエクスペリエンスには多種多様なバイクが参加している。スー[…]
教習所の記憶蘇るCB400SF。同じシリーズとは思えない楽!スムーズ!無駄なし! CBと聞くと、私はもう教習車のイメージが一番! コロナ禍で、一生懸命に通っていた教習所で乗っていたバイクです。紆余曲折[…]
C.サロンのソノート・ヤマハカラーがモチーフ! ヨーロッパヤマハは、ハーフカウルのスポーツヘリテージモデル「XSR900 GP」の2027年モデルを公表した。新たに設定されたカラーリング「レジェンドブ[…]
ガレージ作業の悩みを解消!プロクオリティを誇るワークマン「Wonderシリーズ」 愛車のメンテナンスやカスタムを楽しむDIYライダーにとって、作業着の性能は作業効率を大きく左右する。油汚れやツールの引[…]
Where West Coast Style Meets Harley Soul. カスタム車両の販売とFXR/ダイナなどのクラブスタイル&フリスコスタイルを最も得意とする同店らしく、その空間[…]
- 1
- 2

![2002年にリリースされた、アルピナ・ロードスターV8のエンジンルームの写真|「今見ても美しい…」誕生から24年を経ても色褪せない、レトロモダンなシルエットが印象的なモデル[アルピナ・ロードスターV8]を紹介](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2026/09/2003-BMW-Alpina-Roadster-V8_3-768x512.jpg?v=1790541720)
![2002年にリリースされた、アルピナ・ロードスターV8のリアから左サイドの写真|「今見ても美しい…」誕生から24年を経ても色褪せない、レトロモダンなシルエットが印象的なモデル[アルピナ・ロードスターV8]を紹介](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2026/09/2003-BMW-Alpina-Roadster-V8_2-768x512.jpg?v=1790541985)
![2002年にリリースされた、アルピナ・ロードスターV8の左前輪とリップスポイラー|「今見ても美しい…」誕生から24年を経ても色褪せない、レトロモダンなシルエットが印象的なモデル[アルピナ・ロードスターV8]を紹介](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2026/09/2003-BMW-Alpina-Roadster-V8_6-768x512.jpg?v=1790542059)
![2002年にリリースされた、アルピナ・ロードスターV8の車内、コックピット周辺の写真|「今見ても美しい…」誕生から24年を経ても色褪せない、レトロモダンなシルエットが印象的なモデル[アルピナ・ロードスターV8]を紹介](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2026/09/2003-BMW-Alpina-Roadster-V8_4-768x512.jpg?v=1790541874)
![2002年にリリースされた、アルピナ・ロードスターV8のインパネ|「今見ても美しい…」誕生から24年を経ても色褪せない、レトロモダンなシルエットが印象的なモデル[アルピナ・ロードスターV8]を紹介](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2026/09/2003-BMW-Alpina-Roadster-V8_5-768x512.jpg?v=1790542166)
![2002年にリリースされた、アルピナ・ロードスターV8のフロントマスク|「今見ても美しい…」誕生から24年を経ても色褪せない、レトロモダンなシルエットが印象的なモデル[アルピナ・ロードスターV8]を紹介](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2026/09/2003-BMW-Alpina-Roadster-V8_1-768x512.jpg?v=1790541774)
![2002年にリリースされた、アルピナ・ロードスターV8のホイール|「今見ても美しい…」誕生から24年を経ても色褪せない、レトロモダンなシルエットが印象的なモデル[アルピナ・ロードスターV8]を紹介](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2026/09/2003-BMW-Alpina-Roadster-V8_7-768x512.jpg?v=1790542245)
![2002年にリリースされた、アルピナ・ロードスターV8のロールバー|「今見ても美しい…」誕生から24年を経ても色褪せない、レトロモダンなシルエットが印象的なモデル[アルピナ・ロードスターV8]を紹介](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2026/09/2003-BMW-Alpina-Roadster-V8_8-768x512-1.jpg?v=1790542247)
![2002年にリリースされた、アルピナ・ロードスターV8のフロントグリル|「今見ても美しい…」誕生から24年を経ても色褪せない、レトロモダンなシルエットが印象的なモデル[アルピナ・ロードスターV8]を紹介](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2026/09/2003-BMW-Alpina-Roadster-V8_644930-768x512.jpg?v=1790542293)
![2002年にリリースされた、アルピナ・ロードスターV8の左側面|「今見ても美しい…」誕生から24年を経ても色褪せない、レトロモダンなシルエットが印象的なモデル[アルピナ・ロードスターV8]を紹介](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2026/09/2003-BMW-Alpina-Roadster-V8_330737-768x512.jpg?v=1790542305)
![2002年にリリースされた、アルピナ・ロードスターV8のリアビュー|「今見ても美しい…」誕生から24年を経ても色褪せない、レトロモダンなシルエットが印象的なモデル[アルピナ・ロードスターV8]を紹介](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2026/09/2003-BMW-Alpina-Roadster-V8_403166-768x512.jpg?v=1790542309)


























