
モータリスト合同会社は、台湾のSYMが開発した250ccクロスオーバースクーター「ADX 250」の国内発売を開始している。125ccクラスのスモールアドベンチャーとは一線を画す250ccフルサイズの車体に、新設計の水冷単気筒エンジンを搭載。定評ある軽二輪クロスオーバーセグメントのライバル達を凌駕する圧巻の燃料キャパシティと、クラスの基準を塗り替える先進ガジェットを身に纏った新世代アドベンチャーの魅力を紹介しよう。
●文:ヤングマシン編集部 ●写真/外部リンク:SYM
欧州の砂漠8000kmを走破した本物。ADX 250が体現する「リアルクロスオーバー」の骨格
SYM ADX 250は、車検のない日本の軽二輪クラス(126〜250cc)の税制・登録メリットに適合させつつ、グローバルクラスの本格的なアドベンチャー性能をそのまま移植した戦略モデルだ。
そのタフネスの血統は、すでに海外で実証されている。300cc仕様の兄弟車が、ハンガリーのブダペストからアフリカのダカールまで、砂漠地帯を含む8000km以上におよぶ過酷なツーリングルートを、市販状態のノーマル車体およびタイヤのままノートラブルで完走した実績を持つ。
この過酷な道程を走破できるタフな骨格こそが、ADX 250の土台となっている。ロードからトレイルにいたるまで車体姿勢の安定性と快適性を確保するために開発された、新設計の「強化フレーム」と、路面の凹凸を効果的に吸収する足まわりのパッケージングを採用。
フロント15インチ(120/70-15)、リヤ14インチ(140/70-14)の前後大型ホイールには、全方位でのグリップ力を確保する専用のブロックイメージパターンタイヤが組み合わされている。
スクーターの常識を打ち破る16L大容量タンクと、24.6馬力を発生する249cc水冷単気筒
クロスオーバースクーターとしての実用性と長距離巡航性能を語る上で、ADX 250の最大の特徴となるのが、車体中央に配された「16Lの大容量燃料タンク」だ。この燃料キャパシティがいかに桁外れであるかは、ライバルモデルと数値を比較すれば一目瞭然だ。
このセグメントを牽引するホンダ「ADV160」(タンク容量8.1L)に対しては、約1.98倍におよぶ7.9Lもの圧倒的なアドバンテージを確保。さらに、アプリリアの「SR GT 200 Sport」(タンク容量9L)と比較しても、約1.78倍にあたる7Lも多い。長旅を苦にさせない本物の旅の相棒として資格十分といえよう。
パワーユニットには、249ccの水冷4ストロークOHC4バルブ単気筒エンジンを搭載。ボアストロークはΦ71×63mm、電子制御燃料噴射システム(E.F.I)が組み合わされ、最高出力18.1kW(約24.6PS)/8000rpm、最大トルク24.0Nm/6000rpmを発生する。
150〜170ccクラスのライバル(ADV160:16PS、SR GT 200:17.6PS)に対し、250ccフルサイズならではの余裕を誇り、無段変速のC.V.Tとのマッチングにより、運転操作に集中しながら高速道路やワインディングでの力強い巡航性能を披露する。
TCSにドラレコ、7インチTFT。クラスの基準を塗り替える先進のデジタルガジェット
ADX 250のもう一つの強みが、インポーターが「充実装備」と胸を張る先進のデジタルテクノロジー群だ。インストルメントパネルには、大型の「7インチフルカラーTFTダッシュボード」を標準装備する。ライバルのADV160(5インチTFT液晶)に比べて画面サイズで2インチ大きく、SR GT 200 Sport(モノクロLCD液晶)に対しては表示情報の多彩さと先進的なデザインで群を抜く。
さらに、シート下に配置されたラゲッジボックスは、ADV160の29L、SR GT 200の25Lを大きく上回る「35L」の大容量を確保。ヘルメットや多くの荷物を余裕で飲み込む積載性を実現した。
安全装備の要となるブレーキシステムには、フロント260mm、リヤ240mmの前後ディスクブレーキを配置。ライバル2車がともにフロントのみに作用する1チャンネルABSを採用するのに対し、ADX 250は前後独立して緻密に作動する「デュアルチャネルABS」を標準装備する。
電子制御にはトラクションコントロールシステム(TCS)やイモビライザー内蔵スマートキー、フルLED灯火類を網羅。さらに、他社にはないスマートフォン連携対応の「ドライブレコーダー(ドラレコ)」を前後に標準で内蔵。給電用のUSBソケットはType-AとType-Cの2口を並列させたダブル仕様とするなど、現代のライダーが必要とする装備を最初から全てパッケージングしている。
初回分は即完売。税込69万3000円で始まる新しい冒険へのアクセス
SYM ADX 250のメーカー希望小売価格は、消費税10%込で69万3000円だ。ライバルモデル(ADV160:53万9000円、SR GT 200 Sport:60万5000円)と比較すれば高めだが、排気量に裏打ちされた24.6馬力エンジンのゆとり、前後独立ABSによる高い制動管理、そして他社では追加オプションとなる「前後ドラレコ」や「7インチTFT」、「16Lタンク」などの装備密度を考えれば、その差額を十分に埋めるだけの高いプレミアム性と説得力を備えている。
2026年8月のデリバリー開始に伴う、初回入荷分はすでにソールドアウト済み。モータリスト合同会社によれば、現在も順次バックオーダーに対する入荷と予約受付が続いているが、依然として高い人気を維持している。カラーバリエーションは、シックな「マットブラック」や、ミリタリーテイスト漂う「ストームグレー」など全5色を展開中だ。
通勤・通学といった日常の移動ツールを、そのまま本格的な「未知の未舗装路やロングツーリング」へと昇華させる新型ADX 250。このクラスを超えた本物のアドベンチャースクーターの実力をその手で確かめてみてほしい。
SYM ADX 250 [2027 model]COLORS
【SYM ADX 250】●マットブラック
SYM ADX 250 [2027 model]SPECS
| 主要諸元 | SYM ADX 250 |
|---|---|
| 全長×全幅×全高 | 2185 × 810 × 1325 mm |
| ホイールベース(軸距) | 1510mm |
| シート高 | 790mm |
| エンジン形式 | 水冷 4サイクル OHC 4バルブ 単気筒 |
| 総排気量 | 249cc |
| 内径×行程(ボア×ストローク) | Φ71 × 63mm |
| 最高出力 | 18.1kW(約24.6PS) / 8000rpm |
| 最大トルク | 24.0Nm / 6000rpm |
| 燃料供給システム | E.F.I(電子制御燃料噴射) |
| トランスミッション | C.V.T |
| サスペンション(前) | テレスコピックフォーク |
| サスペンション(後) | デュアルショック |
| ブレーキ(前) | ディスクΦ260mm + ABS |
| ブレーキ(後) | ディスクΦ240mm + ABS(前後独立デュアルチャネルABS仕様) |
| タイヤサイズ(前) | 120/70-15 |
| タイヤサイズ(後) | 140/70-14 |
| 燃料タンク容量 | 16L |
| ラゲッジボックス容量 | 35L |
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(新型スクーター)
ベスパ生誕80周年記念の第3弾!限定30台の「プリマベーラ 80th」が登場 1946年4月23日の特許出願から80年を迎えたベスパの歴史を祝うスペシャルエディションの第3弾、「ベスパ プリマベーラ […]
30馬力オーバーの強心臓が切り拓く高速クルージング ハオジュエ(豪爵)の最新鋭ビッグスクーター「TVL350」最大のウリとなるのが、完全新設計の339cc水冷4ストローク4バルブ単気筒エンジンだ。最高[…]
日立のトラコンとボッシュのABSを標準装備!原二クラスの枠を破壊した「ADX125 Plus」 中国で発表された新型スクーター「ADX125 Plus」(現地名:ADX Plus)のスペックシートを眺[…]
約半年遅れて発売の全国版はバッテリー&充電器付き! 本田技研工業(以下ホンダ)とヤマハ発動機(以下ヤマハ)は2024年8月、原付一種に相当するホンダの電動二輪車をベースとした日本市場向けモデルを、ヤマ[…]
ヤマハのレトロハイブリッドスクーター「ファツィオ」 ヤマハが国内でも正式にラインナップして展開している「ファツィオ(Fazzio)」は、レトロモダンとストリートカルチャーを高度に融合させた原付二種クラ[…]
最新の関連記事(新型アドベンチャー/クロスオーバー/オフロード)
7月の欧州発表から待望の日本解禁!「SV-7GX」が10月13日発売 スズキは、2026年7月8日に欧州で公開されていた新型クロスオーバーモビリティ「SV-7GX」を、2026年10月1日に日本国内向[…]
日本のレースの原点、アサマレースウェイという「聖地」 イベントの舞台となったのは、群馬県長野原町に位置する「アサマレースウェイ」。ここは1950年代に「浅間火山レース」が開催された、日本のモーターサイ[…]
カワサキ「ヴェルシス1100 SE」2027年モデルは2026年10月17日発売!価格は212万3000円で据え置き カワサキが誇る大型クロスオーバーモデル「ヴェルシス1100 SE」の2027年モデ[…]
ダカールラリー直系の設計思想!ファクトリービルドで誕生した本格ラリーマシン 世界で最も過酷なラリーレイドであるダカールラリーにおいて、数々の金字塔を打ち立ててきたKTM。これまで多くのプライベーターや[…]
創立105周年の節目と未来へ繋ぐマンデッロ新拠点の完成を祝福 イタリア・レッコ県マンデッロ・デル・ラーリオにおいて、現地時間の2026年9月3日、モト・グッツィの新しい歴史の扉を開く特別なアニバーサリ[…]
人気記事ランキング(全体)
レーサーの設計思想を公道へ! Hondaが本気で作った2スト250 1983年、Hondaは同社初となる2ストローク250ccスポーツモデル「MVX250F」を発売した。90度V型3気筒という独創的な[…]
400cc4気筒が若者たちの憧れになった時代 日本で400ccクラスのスポーツバイクが大きな存在感を持つようになった背景には、1975年に変更された二輪免許制度がある。新たな制度では400ccを境に免[…]
独自にチューンしたF5型V8ユニットを搭載 ご存じの通り、ストックのZ8がサーキットの匂いを感じさせるスパルタンな仕立てだったのに対し、アルピナが目指したのは「どこまでも快適に、エレガントに長距離を走[…]
重慶ショーで「CB250SSコンセプト」が世界初公開!2027年春に市販 中国・重慶市で開催された「2026中国摩博会(重慶モーターサイクルショー)」。そこでホンダはニューレトロスタイルのコンセプトモ[…]
道具としての高い完成度により、警察車両として採用された 世界恐慌下の1932年に誕生したこのモデルは、本来、バイク乗り向けではなく自動車ディーラーや整備工場の「出張メンテナンス(サービス)用車両」とし[…]
最新の投稿記事(全体)
「Z1超え」を果たした世界最速の伝説。GPZ900R Ninjaが持つ永遠のロマン カワサキモータース全面協力!3Dスキャンで純正車を1/4スケール再現 本シリーズで完成するのは、現存する実車が極めて[…]
一度は希少になった「400cc×4気筒」が、いま再びアツい! いま、400ccクラスの4気筒エンジンに再び注目が集まっている。 そもそも400ccと4気筒の組み合わせは、日本のバイク史において決して新[…]
7月の欧州発表から待望の日本解禁!「SV-7GX」が10月13日発売 スズキは、2026年7月8日に欧州で公開されていた新型クロスオーバーモビリティ「SV-7GX」を、2026年10月1日に日本国内向[…]
最終戦仕様は“バガーレーサー風へ” 前戦・富士ラウンドで大幅な軽量化を行ったフロントカウルに続き、今回投入されたのがクロックワークス製のカーボンウインドシールドだ。本来は上側に反りのあるフレアタイプだ[…]
先着200名にBMW Motorrad純正Tシャツをプレゼント 今回のテーマはズバリ「走って感じる。着て楽しむ。」 期間中にディーラーで対象車両(一部を除く現行モデル全車種!)に試乗し、試乗後のアンケ[…]
- 1
- 2












































