
カワサキモータースジャパンは、並列2気筒649cm³エンジンを搭載するミドルマルチパーパス「VERSYS 650」の2027年モデルを発表した。発売予定日は2026年10月1日。前年モデルで改定された車両価格をそのまま維持しつつ、伝統のライムグリーンを全身に配した新カラーに刷新。充実した電脳装備とツーリング実用性を継承し、旅の道具としての価値をさらに明確にしている。
●文:ヤングマシン編集部 ●写真/外部リンク:カワサキモータースジャパン
アッパーまでライムグリーンに染まったニューグラフィック
VERSYS 650は、オンロード性能に主軸を置きつつ、多様な路面状況の変化にも対応できる走破性を備えたカワサキのミドルクラス・マルチパーパスだ。日常のコミューティングから長距離を走破する本格的なツーリングまで、幅広いフィールドに対応する設計思想を特徴としている。
2027年モデルにおける最も大きな変更点は、外観のカラーリングおよびグラフィックの全面的な刷新だ。
前年モデルである2026年モデルでは、深みのある「メタリックディープブルー×メタリックスパークブラック」を採用していたが、今回の2027年モデルではカワサキのブランドアイデンティティを象徴するライムグリーンを前面に押し出した「キャンディライムグリーン×メタリックスパークブラック」へと移行した。
変更箇所は車体全体におよぶ。アッパーカウルとフロントフェンダーには、新色となるキャンディライムグリーンを配置。さらに、テールカバー、サイドカバー、そして燃料タンクのグラフィックデザインも一新され、シンプルながらアグレッシブなキャラクターを際立たせる外観へと変貌を遂げている。
前年価格116万6000円を完全維持。物価高の中で「価格据え置き」を選択
2025年に発表された2026年モデルへの移行時には、従来の115万5000円から116万6000円へと、1万1000円の価格改定(値上げ)が実施されていたが、今回の2027年モデルでは、メーカー希望小売価格を2026年モデルと同じ「116万6000円」に完全据え置きとした。
この車両価格には、購入後の維持管理をサポートする充実したサービスパッケージが含まれている。3年間の定期点検(5回)とオイル交換(3回、オイルフィルター交換含む)を無償で受けられる「カワサキケアモデル」の指定を継続。さらに、長距離ツーリングにおける利便性を高める「ETC2.0車載器」も引き続き標準で装備している。
燃費22.5km/Lと20L大容量タンクが裏付ける、450km超の圧倒的な足の長さ
VERSYS 650の走りを支える骨格とパワーユニットは、定評のある基本構成がそのまま継承されている。
エンジンは、ボアストローク83.0×60.0mm、圧縮比10.8:1の水冷4ストローク並列2気筒DOHC4バルブ649cm³エンジンを搭載。最高出力49kW(67PS)/8500rpm、最大トルク61N・m(6.2kgf・m)/7000rpmという、常用域での扱いやすさを重視した出力特性を発揮する。
このエンジンはスリムで軽量なフレームに搭載されており、オンロードから不整地まで軽快なコントロール性を提供。サスペンションには、インナーチューブ径41mmのテレスコピック倒立フロントフォーク(ホイールトラベル150mm)と、リヤのギヤードリンク式スイングアームサスペンション(ホイールトラベル145mm)を装備しており、最低地上高は170mmに設定されている。
さらに、旅の道具としての最大の強みとなるのが、20Lの大容量燃料タンクだ。WMTCモード値で22.5km/Lという優れた燃費性能と掛け合わせることで、1回の満タンによる計算上の航続距離は「450km以上」に達する。長距離移動中に給油場所を頻繁に探す煩わしさからライダーを解放し、高い安心感を持って長旅を楽しめるロングツアラーとしての素性を備えているのだ。
4段階スクリーンに2モードトラコン。スマホ連動ナビも備えた高度な電脳パッケージ
ライダーをサポートする走行電子制御とインフォテインメントシステムも、上位機種に比肩する充実度を誇る。
車体のフロントには、風防効果を高めるウインドシールドを標準装備。このスクリーンは、ノブなどの工具を用いることなく、手動で27mm間隔・4段階(最大調整幅80mm)の高さ調整が可能であり、天候や高速道路などの車速状況に応じてライダーが任意に防風効果をアジャストできる。
また、電子制御システムには、滑りやすい路面などで後輪のスリップを抑制する「KTRC(カワサキトラクションコントロール)」を搭載。ライダーの好みや路面状況に合わせて選択可能な「2つのモード」と、機能をオフにするシステムも統合されている。
コックピットの中央には、4.3インチのフルカラーTFT液晶メーターを配置。専用アプリ「RIDEOLOGY THE APP MOTORCYCLE」を介してスマートフォンと連携可能。2026年モデルでアップデートされた「音声コマンド機能」および「ターンバイターン形式のナビゲーション機能」(要無料ライセンス)にも対応しており、走行中の利便性と先進的なデジタルガジェットとしての満足度を高めている。
この2027年モデルは、タイの海外工場Kawasaki Motors Enterprise(Thailand)Co.,Ltd(KMT)で製造され、日本国内のカワサキプラザネットワークを通じて2026年10月1日より販売される予定だ。
前年モデルからの高い製品クオリティを全て引き継ぎ、鮮烈なライムグリーンとなって現れた2027VERSYS 650。物価高の中でも据え置かれたバリューと、伝統のグラフィックを手に入れ、新たな旅路へ走り出すための準備を始めてみてはいかがかな。
KAWASAKI VERSYS 650 [2027 model]COLOR
KAWASAKI VERSYS 650 [2027 model]SPECS
| 主要諸元 | VERSYS 650 [2027 model] |
|---|---|
| 全長×全幅×全高 | 2115 × 840 × 1360 mm(ハイポジション時 1420mm) |
| 軸間距離 | 1415mm |
| 最低地上高 | 170mm |
| シート高 | 845mm |
| 車両重量 | 219kg |
| エンジン形式 | 水冷 4ストローク 並列2気筒 DOHC 4バルブ |
| 総排気量 | 649cc |
| 内径×行程 | 83.0 × 60.0 mm |
| 圧縮比 | 10.8:1 |
| 最高出力 | 49kW(67PS) / 8500rpm |
| 最大トルク | 61N・m(6.2kgf・m) / 7000rpm |
| 燃料供給方式 | フューエルインジェクション |
| トランスミッション | 6速リターン |
| 燃料タンク容量 | 20L |
| サスペンション(前) | テレスコピックフォーク(倒立・インナーチューブ径41mm、ホイールトラベル150mm) |
| サスペンション(後) | スイングアーム(ギヤードリンク式、ホイールトラベル145mm) |
| ブレーキ(前) | デュアルディスク300mm(外径) + ABS |
| ブレーキ(後) | シングルディスク250mm(外径) + ABS |
| タイヤサイズ(前) | 120/70ZR17M/C(58W) |
| タイヤサイズ(後) | 160/60ZR17M/C(69W) |
| 燃料消費率(WMTCモード) | 22.5km/L |
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(新型アドベンチャー/クロスオーバー/オフロード)
日本のレースの原点、アサマレースウェイという「聖地」 イベントの舞台となったのは、群馬県長野原町に位置する「アサマレースウェイ」。ここは1950年代に「浅間火山レース」が開催された、日本のモーターサイ[…]
カワサキ「ヴェルシス1100 SE」2027年モデルは2026年10月17日発売!価格は212万3000円で据え置き カワサキが誇る大型クロスオーバーモデル「ヴェルシス1100 SE」の2027年モデ[…]
ダカールラリー直系の設計思想!ファクトリービルドで誕生した本格ラリーマシン 世界で最も過酷なラリーレイドであるダカールラリーにおいて、数々の金字塔を打ち立ててきたKTM。これまで多くのプライベーターや[…]
創立105周年の節目と未来へ繋ぐマンデッロ新拠点の完成を祝福 イタリア・レッコ県マンデッロ・デル・ラーリオにおいて、現地時間の2026年9月3日、モト・グッツィの新しい歴史の扉を開く特別なアニバーサリ[…]
欧州の砂漠8000kmを走破した本物。ADX 250が体現する「リアルクロスオーバー」の骨格 SYM ADX 250は、車検のない日本の軽二輪クラス(126〜250cc)の税制・登録メリットに適合させ[…]
最新の関連記事(ヴェルシス650)
9/10発売:スズキ アドレス125 まずはスズキから、原付二種スクーターの定番「アドレス125」がフルモデルチェンジして登場だ。フレームを新設計して剛性を高めつつ軽量化を実現し、エンジンもカムシャフ[…]
電子制御も充実のロングセラー・ミドルクラスクロスオーバー ヴェルシス650は、以前のモデルは輸出専用モデルとして海外で販売されてきたが、2022年モデルで待望のフルモデルチェンジを果たし、2023年末[…]
電子制御も充実のロングセラー・ミドルクラスアドベンチャー ヴェルシス650は、以前のモデルは輸出専用モデルとして海外で販売されてきたが、2022年モデルで待望のフルモデルチェンジを果たし、2023年末[…]
電子制御も充実のロングセラー・ミドルクラスアドベンチャー ヴェルシス650は、以前のモデルは輸出専用モデルとして海外で販売されてきたが、2022年モデルで待望のフルモデルチェンジを果たし、2023年末[…]
ロングセラーが電子制御の充実で正常進化して、国内初登場 ヴェルシス650は、以前のモデルは輸出専用モデルとして海外で販売されてきたが、2022年モデルで待望のフルモデルチェンジを果たし、日本への導入も[…]
人気記事ランキング(全体)
レーサーの設計思想を公道へ! Hondaが本気で作った2スト250 1983年、Hondaは同社初となる2ストローク250ccスポーツモデル「MVX250F」を発売した。90度V型3気筒という独創的な[…]
重慶ショーで「CB250SSコンセプト」が世界初公開!2027年春に市販 中国・重慶市で開催された「2026中国摩博会(重慶モーターサイクルショー)」。そこでホンダはニューレトロスタイルのコンセプトモ[…]
標高差と朝晩の寒暖差に悩むライダーへ!「温度調整」のストレスからの解放 早朝の高速道路では身を切るような冷風に晒され、日中の街乗りやワインディングでは暖かさでじんわりと汗をかいてしまう。さらに峠道の頂[…]
フレディのヒザ擦りに沸くも80sライダーは個性派揃い!! ケニー・ロバーツによって確立された“ハングオフ”は、瞬く間にGPシーンに浸透。イン側のヒザを路面に擦るシーンも目にするようになったが、ロバーツ[…]
ベスパ生誕80周年記念の第3弾!限定30台の「プリマベーラ 80th」が登場 1946年4月23日の特許出願から80年を迎えたベスパの歴史を祝うスペシャルエディションの第3弾、「ベスパ プリマベーラ […]
最新の投稿記事(全体)
日本のレースの原点、アサマレースウェイという「聖地」 イベントの舞台となったのは、群馬県長野原町に位置する「アサマレースウェイ」。ここは1950年代に「浅間火山レース」が開催された、日本のモーターサイ[…]
2030年までの継続開催が決定!「新章」へ突入したMotoGP日本グランプリ 2026年10月2日から4日にかけて、栃木県茂木町のモビリティリゾートもてぎで開催される「2026 FIM MotoGP世[…]
400cc4気筒が若者たちの憧れになった時代 日本で400ccクラスのスポーツバイクが大きな存在感を持つようになった背景には、1975年に変更された二輪免許制度がある。新たな制度では400ccを境に免[…]
時代に翻弄されて2年少々の短命に マスキー法やオイルショックという問題があったにも関わらず、海外では2スト3気筒のGT750を’79年まで販売したスズキだが、RE-5は2年少々で販売中止。その背景には[…]
リーンウィズからハングオフへコーナリングフォームの大変革期 ロードレース世界選手権、いわゆるWGPが初開催されたのは1949年。現在も有名な欧州メーカーに加え、今は無きメーカーも多数参戦してしのぎを削[…]
- 1
- 2












































