【70年代ロータリーエンジン全史】スズキRE-5/ハーキュレスW2000/バンビーンOCR1000とヤマハ/ホンダ/カワサキの幻の試作車たち

【70年代ロータリーエンジン全史】スズキRE-5/ハーキュレスW2000/バンビーンOCR1000とヤマハ/ホンダ/カワサキの幻の試作車たち

ニッポンがもっとも熱かった“昭和”という時代。奇跡の復興を遂げつつある国で陣頭指揮を取っていたのは「命がけ」という言葉の意味をリアルに知る男たちだった。彼らの新たな戦いはやがて、日本を世界一の産業国へと導いていく。その熱き魂が生み出した名機たちに、いま一度触れてみよう。この記事ではスズキRE-5の変遷と1970年代に登場した国内外のロータリーエンジンモデルについて解説する。


●文:ヤングマシン編集部(中村友彦) ●写真:YM ARCHIVES

時代に翻弄されて2年少々の短命に

マスキー法やオイルショックという問題があったにも関わらず、海外では2スト3気筒のGT750を’79年まで販売したスズキだが、RE-5は2年少々で販売中止。その背景には、利益が得づらい価格設定があったのかもしれない。当時の日本車の価格は排気量に準じる傾向があって、’75年の北米におけるRE-5は、ホンダGL1000の2895ドルよりは安かったけれど、GT750の2147ドルより高く、カワサキZ900と同じ2475ドル。ロータリーエンジンの開発費用を考えると、これでは元が取れなかったのではないだろうか。

1974:初期型 (RE-5M)

ジウジアーロデザインの茶筒メーターや専用の灯火類を備えた初期型モデル。 ナナハン規制を意識して排気量設定したが、残念ながら日本での型式認定は取得できなかったRE-5。ただし日本で販売されても、63ps/230㎏というスペックでは、69ps/230㎏のカワサキZ2、67ps/220㎏のホンダCB750フォアを販売面で上回るのは難しかっただろう。

1976:後期型 (RE5-A)

’76年に登場した2代目RE-5は、灯火類とメーターを同時代のGT750用に変更することで、オーソドックスにして無難なルックスを獲得。ジウジアーロの主張をかなり薄めたわけだが、だからと言って販売成績が上昇することはなかった。

灯火類とメーターを刷新

’70年代に登場した国内外のREモデル

1973 ハーキュレス W2000(空冷1ローター・294㏄・27ps):世界初のロータリーエンジン2輪車となったドイツのハーキュレスW2000は、フィヒテル&ザックスの汎用ユニットを搭載。

1972 [試作車] ヤマハ RZ201(水冷2ローター・660㏄・68ps):市販には至らなかったものの、ヤマハがヤンマーと共同開発し、’72年の東京モーターショーに出展したRZ201は、一応、日本製2輪車初のロータリーエンジン車。

1975 [試作車] ホンダ CB125ロータリー(空冷1ローター・排気量・出力不明):CB125Tベースのホンダの試作車は、市販前提ではなく、ロータリーエンジンの素性を見極めるために製作。なお’70年代前半のカワサキは、水冷2ローター896㏄ユニットを搭載するX99を試作していた。

1977 バンビーン OCR1000(水冷2ローター・996㏄・100ps):オランダのバンビーンOCR1000は、数多くのロータリーエンジンをテストした後に、ルクセンブルクのコモモーターが生産する、シトロエン用ユニットを選択。

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