「80年代デザインが今見ると新鮮…」42年前に登場したカワサキの名車。変態的すぎるメカニズムを採用し、今もカルト的な人気を持つ[KR250]を紹介

「80年代デザインが今見ると新鮮…」42年前に登場したカワサキの名車。変態的すぎるメカニズムを採用し、今もカルト的な人気を持つ[KR250]を紹介

2025年6月刊行の『ニッポン旧車烈伝 昭和のジャパン・ビンテージ・バイク 323選』より、2ストレプリカをまとめてみた。単なるモデル紹介ではなく、当時のライダーにとってそれぞれがどんな存在だったのか、文化や時代性を含めて写真付きで振り返ろう。


●まとめ:ヤングマシン編集部

栄光のチャンピオン・レプリカだったが……

Γの登場で活気づいたレプリカ戦線に勇んでカワサキも参入する。’84年に投入されたKR250は、異彩を放つタンデムツインを搭載。シリンダーを前後に配置し、並列2気筒を縦置きとしたようなエンジンレイアウトは、’78~’81年のWGP250、’78~’82年の同350で連続タイトルを勝ち取ったKRから継承。市販バイクでの採用例は後にも先にもKRのみである。

さらに、低回転域ではロータリーバルブが作動し、高回転域では吸気ポート両側に設けられたリードバルブからも吸入すRRIS(ロータリー・リードバルブインテークシステム)もGPレーサーのKR譲り。シャーシも最新技術が凝縮されており、軽量で高剛性なアルミフレーム、フロント16インチ、車体下部に水平配置されたリンク式のモノショックなどを採用。GPZ系の流れを汲む角型スタイルも独創的だった。

しかし、初期型は低中速域の扱いにくさがよく指摘された。これを受けて’85年には排気デバイスのKVSSを追加したKR250Sが登場。シェアを拡大するには至らず、’88年にはタンデムツインから一般的な並列2気筒に変更したKR-1を打ち出したが、またも不発に終わった。カワサキは’82年でGP活動を休止しており、イメージリーダーが不在だったことも不振の要因に挙げられる。技術としては革新的だったものの、短命に終わったKR。レプリカのジャンルにおけるカワサキの逆襲は、’89年のZXRまで待たねばならない。

発表会にはWGP250でカワ サキに4 年連続メーカータイトルをもたらしたアントン・マンクと (右)とレーサーのKR250が登場。

武骨なサイレンサーを上下に配置。真円テールランプとともにKR特有のリヤビューを形成する。

低速トルクは薄いが、7000rpmから豹変。実力は一線級で、ゼロヨンでは驚愕の12秒台を叩き出した。

いかにもレプリカらしい独立式メーターだが、この手のモデルとしては珍しく燃料計を装備。初期型のみ独特なハンドルマウントのミラーを備える。

レーサーのKRとは全く異なる、GPZ系の角張ったスタイルを採用。フルカウルながらエンジンを露出したデザインも独特だった。レプリカ然としたマシンを熱望していたライダーには支持されず、短命に終わることとなる。

前後のシリンダーごとにクランクシャフトを設置。これをギヤでつないで駆動力に変えている。シリンダーの振動を抑制するカムダンパーを市販車で初採用したほか、サブフレーム付きのアルミ製リヤアーム、水平に配置されたリヤショックなど先進メカをふんだんに投入。しかし、機構の複雑化や整備性に課題を残した。

リヤショックの減衰力調整ダイヤルをアンダーカウルに設置。工具不要で4段階に調整できる親切設計だ。プリロードもダイヤルで調整可。

KR250/Sの歴代モデル

【1985 KAWASAKI KR250S】
排気デバイスKVSSを搭載し、ミラーをカウルに移設した2代目。これがラストモデルに。

【1985 KAWASAKI KR250S】

【1988 KAWASAKI KR-1】
フルカウルに排気デバイスKIPS付きのパラツインを搭載。F3レース参戦を前提に開発。

【1988 KAWASAKI KR-1】

【1989 KAWASAKI KR-1S】
1 年でフルチェンジし、フレームほか大部分が新作に。同社最後の2ストレプリカとなる。

【1989 KAWASAKI KR-1S】

【1989 KAWASAKI KR-1R】
Sと同時発売されたSP仕様。φ35mm大径キャブやクロスミッションを備える

【1989 KAWASAKI KR-1R】

※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。