
販売台数8年連続1位(401cc以上小型二輪部門)と、絶対王者として君臨するカワサキZ900RS。“カッコいいバイク”の象徴と言えるZ1をオマージュしたフォルム、そして直4の咆哮は、ライダーの心を惹きつけてやまない。そんな人気モデルが2026年にフルチェンジ。エンジンや電子制御、ライディングポジションなど各部がアップデートされた。2027年モデルが8月から発売されたが、基本的な部分はこの2026年モデルと同じ。今回はフルチェンジの是非を、その是非を、我らが青木宣篤が徹底チェック。今回は2026 SEの試乗インプレッションをお届け。
●文:伊藤康司 ●写真:真弓悟史 ●外部リンク:カワサキ
高級パーツの“ポンづけ”じゃない。メーカが本気を出したSEの完成度
ーー試乗では、複数のモデルに試乗しましたが、それぞれ個性があった?
青木「じつは今回のサーキット試乗、最初にZ900RSブラックボールエディション(以下BB)、次にCAFEの順で乗った。その2台の感想としては、’26型はルックスは変わらないけど、中身は別モノだな~って、いたく感心したんだけれど、最後にZ900RS SE(以下SE)に乗ったら全然違うじゃん! “SE速いぞ、ちょっと気持ち悪いくらい”って(笑)」
ーーその違いを実感した要因は?
青木「SEはご存知のようにリヤサスペンションにオーリンズ製のショックユニットを装備しているんだけれど、もう硬いとか柔らかいとかそういう話じゃなくて“全部が上手く機能している”って感じで、圧倒的に曲がる! 最初にBBに乗って、前モデルからの進化が素晴らしいな~と感じたんだけれど、コーナーは“もっと曲がれ!”って頑張っていたんだ。するとバイクが「それは無理です…」って感じで、ある意味ノーマルのスペックを使い切れなくて“まあ、こんな感じだよな”って思う部分もあったんですよ」
ーーその後にSEに乗ったと。
青木「SEに乗ったら圧倒的に曲がるし、スッと曲がれるからタイヤのツラ(摩耗の具合)も全然違う。そして“もっと行ける、もっと行ける!”って「あ、ちょっと滑るから、タイヤをワンランク上げたいな」みたいな気分になってくるんですよ」
ーーリアのオーリンズ製のショックの存在は大きい?
青木「このオーリンズのリヤショック、いわゆるアフターパーツとは違ってZ900RS SE専用品というコトだけれど、だからと言ってポンッと付けてもこの優れた乗り味にはならないでしょう。フロントフォークもBBやCAFEと同じパーツだけれど、リヤに合わせてSE独自のセッティングがされているそう。カスタム車とかで良いパーツをポンづけしても、こうはなりません(笑)。メーカーが本気で作り込んでるって、ヒシヒシ感じたよ」
ーーBBとSEは、パフォーマンスの面でも違いが出ている?
青木「正直なところBBだと「僕、こんなに乗れていなかったっけ?」って思ったりもしたんだけれど、SEに乗ったら「これが僕だよ!」みたいな感じ(笑)。だからスポーツ走行で速く気持ち良く走りたいライダーにはSEをオススメしますね! とは言えBBと価格差が30万円くらいあるので、それなりに高額なのも事実。その中にはドライブレコーダーやUSB電源なども含まれているから、価格差すべてが足周り(オーリンズ製リヤショックやブレンボ製ブレーキなど)ではないけれど、その分の違いはしっかりメリットに感じられるんじゃないかな」
【ライダー:青木宣篤】1971年生まれ。ポケバイ、ミニバイクを経て1989年に史上最年少で国際A級昇格。1993年からWGP250、1997年にWGP500でルーキーオブイヤーを獲得。モトGPにプロトンKRで参戦、スズキのMotoGP開発ライダーとしても活躍し、長年にわたって知見を蓄えてきた。
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