
MVアグスタのミドルクラススーパースポーツ「F3 R」がイタリアで価格改定。従来の約1万9500ユーロから1万6000ユーロと約65万円も引き下げながら、147馬力の3気筒エンジンと最先端の電子制御を”最初から”フル装備している点はそのまま。乗り出したその瞬間から峠もサーキットも存分に楽しめる、妥協なきイタリアンエキゾチックな一台だ。
●文:ヤングマシン編集部 ●写真/外部リンク:MVアグスタ
見せかけの安さを追求しない、最初から「全部乗せ」の潔さ
昨今のミドルクラススポーツを見渡すと、カタログの車両価格こそ安く見えるものの、いざ買おうとすると違和感に気づく。「クイックシフターは別売り」「高度な電子制御モードは後から有償アップデートで解放」といった具合だ。けっきょく、自分が本当に欲しい状態に仕上げる頃には、予算を大きくオーバーしてしまう。
そんな悩みとは無縁なのが、MVアグスタ F3 Rだ。なんと、1万6000ユーロという価格のなかに、6軸IMUによる緻密な姿勢制御から、8段階のトラクションコントロール、ウィリーコントロール、さらにはクルーズコントロールまで、すべての電子制御が標準で備わっている。
オプションパッケージの追加も、わずらわしいアクティベーション費用も一切不要。納車されたその日から、MVアグスタが想定した”100%のポテンシャル”をフルに引き出せるのだ。
147馬力の咆哮と「逆回転クランク」がもたらす魔法のコーナリング
心臓部には、MVアグスタのアイデンティティとも言える珠玉の3気筒エンジンが鎮座する。厳しいユーロ5+規制をクリアしながら、クラス最高峰の最高出力147馬力(hp)を叩き出す。低回転から即座に湧き上がるトルクと、高回転域へ向けて突き抜けるようなパワー感。そして何より、官能的なエキゾーストノートが乗り手の鼓動を早めてくれる。
さらに特筆すべきは「逆回転クランクシャフト」の採用。フロントホイールが放つジャイロ効果を見事に打ち消し、加速時やコーナリング中の安定性を飛躍的に高めてくれる。ヒラヒラと舞うような圧倒的な軽快感と、狙ったラインを正確にトレースできるハンドリングと、まるで自分の腕が上がったかのように錯覚してしまう、まさに魔法のようなライディングフィールを約束してくれるのだ。
クラッチ操作は半減! 伝統の「片持ちスイングアーム」に酔いしれる
走りの良さだけではない。ガレージに停め、ふと右側から眺めたときの美しさも一級品だ。リアホイールを際立たせるいまや絶滅危惧の「片持ちスイングアーム」は、工学的な機能美と彫刻的なデザインが見事に融合した、MVアグスタならではの特権。所有する喜びをこれでもかと満たしてくれる。
もちろん、ライダーへの思いやりも忘れていない。新たに導入された9枚ディスク仕様のトルクアシスト付きスリッパークラッチとクイックシフターの組み合わせにより、シフトチェンジは極めてスムーズ。
クラッチレバーの操作力は従来モデルからなんと50%も軽減された。長距離ツーリングや渋滞時でも、左手の疲労を劇的に和らげてくれる頼もしい相棒だ。
妥協なき至高の1台で、週末のガレージを極上の空間に
徹底的に鍛え上げられたパフォーマンスに、全部乗せのフル装備。オプション地獄に疲れたライダーへの、MVアグスタからのひとつの答えとなる一台だ。国内へ価格がどのように反映されるかは現時点では不明だが、本国でのプライスダウンは吉報といえる。続報をまとう。
MV AGUSTA F3 R SPECS
| 項目 | スペック詳細 |
|---|---|
| エンジン形式 | 3気筒、4ストローク、12バルブ |
| 排気量 | 798 cc |
| 圧縮比 | 13.3:1 |
| 最高出力 | 108 kW (147 hp) @ 13,000 rpm |
| 最大トルク | 88 Nm (8.98 kgm) @ 10,100 rpm |
| 最高速度 | 240.0 km/h |
| 加速性能 | 0-100 km/h: 3.05秒、0-200 km/h: 9.00秒 |
| 冷却システム | 独立型水冷・油冷ラジエーター |
| 電子制御クイックシフト | MV EAS 3.0(電子アシスト・シフトアップ&ダウン) |
| クラッチ | 湿式多板スリッパークラッチ(9枚ディスク、トルクアシスト付き) |
| トランスミッション | カセットスタイル 6速コンスタントメッシュ |
| フレーム | ALSスチールチューブラートレリス |
| フロントサスペンション | Marzocchi製 43mm 倒立テレスコピック油圧フォーク |
| リアサスペンション | Sachs製 プログレッシブ シングルショックアブソーバー |
| フロントブレーキ | Ø 320mm ダブルフローティングディスク、Brembo製 Stylema 4ピストンラジアルモノブロックキャリパー |
| リアブレーキ | Ø 220mm シングルスチールディスク、Brembo製 2ピストンキャリパー |
| ABSシステム | Continental MK100(RLMおよびコーナリング機能付き) |
| フロントタイヤ | 120/70 – ZR 17 M/C (58 W) |
| リアタイヤ | 180/55 – ZR 17 M/C (73 W) |
| 全長 / 全幅 | 2,030 mm / 730 mm |
| ホイールベース | 1,380 mm |
| シート高 | 830 mm |
| 最低地上高 | 120 mm |
| 車両重量(燃料なし) | 192.5 kg |
| 燃料タンク容量 | 16.5 リットル |
| 環境基準 | Euro 5+ |
| 燃費 / CO2排出量 | 5.7 L/100 km / 132 g/km |
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(ニュース&トピックス)
バイクに惹かれた「あの日の衝動」をもう一度 「なぜ、バイクに乗るのか」。効率や快適さだけを考えればクルマという選択肢がある中で、あえて風を切り、剥き出しの鉄の馬に跨る理由。それは理屈ではなく、かつて何[…]
北海道・九州ツーリングの「大定番」が進化する 自走で何百キロも走り続け、疲労困憊で目的地に辿り着く。そんな過酷なツーリングもまたロマンだが、北海道や九州を目指す多くのライダーにとっては、商船三井さんふ[…]
「二輪のホンダ」が支える、揺るぎない安心感 今回のホンダの発表において、全体の軸となっているのは「四輪事業の再構築」だ。足元の環境変化に対応し、ハイブリッド車へのリソース集中などを行い収益の改善を図る[…]
世界を熱狂させた「キング」の象徴 インターカラー(スピードブロック)の歴史を語るうえで、絶対に外せないのが「キング」ことケニー・ロバーツの存在である。1978年から1980年にかけて、ロードレース世界[…]
チャリティとバイクの祭典「DGR Tokyo Central 2026」 「DGR(The Distinguished Gentleman’s Ride)」は、男性のメンタルヘルスと前立腺がん研究の支[…]
最新の関連記事(MVアグスタ)
伝統の美に「信頼」というブーストを 「走る宝石」と称えられるMVアグスタ。その官能的なデザインと官能的なトリプル(3気筒)&4気筒サウンドは、いつの時代もライダーの憧れだ。しかし、プレミアムブランドゆ[…]
3気筒と変わらない幅を実現した5気筒エンジンは単体重量60kg未満! MVアグスタはEICMAでいくつかの2026年モデルを発表したが、何の予告もなく新型5気筒エンジンを電撃発表した。その名も「クアド[…]
F1の英雄アイルトン・セナとドゥカティから続く熱い絆 セナとバイクのつながりが最初に報道されたのは、おそらく1990年のことでしょう。当時、ドゥカティのオーナーだったクラウディオ・カスティリオーニが8[…]
2025年6月16日に83歳になったアゴスティーニのスペシャル仕様 MVアグスタは欧州で、同ブランドが2025年で創立80周年を迎えるとともに、Agoことジャコモ・アゴスティーニ氏が83歳の誕生日を迎[…]
MVアグスタ(イタリア、ヴァレーゼ)は2025年1月31日、サルダロフ家が経営するアート オブ モビリティがMVアグスタの完全な経営権を取り戻し、正式にKTMから分離することを発表した。 KTMを経営[…]
人気記事ランキング(全体)
普通の移動手段では満たされないあなたへ 通勤や週末のちょっとした移動。便利さばかりを追い求めた結果、街には同じようなプラスチックボディのスクーターが溢れ返っている。「もっと自分らしく、乗ること自体に興[…]
窮屈さとは無縁。余裕のフルサイズボディがもたらす優越感 125ccのバイクというと、小柄でコンパクトな車体を想像するかもしれない。しかし、SX 125は違う。全長2050mm、ホイールベース1430m[…]
チェーンメンテナンスから解放される悦び。ヒョースン「GV250X Roadster」 ヒョースンから2026年6月に上陸予定の「GV250X Roadster」は、チェーンメンテナンスから解放してくれ[…]
毎日の移動、もっと身軽に楽しみたいあなたへ 朝の慌ただしい時間帯。重いバイクを狭い駐輪場から引っ張り出すだけで、どっと疲れてしまうことはないだろうか。渋滞路のストップ&ゴーや、ちょっとした段差での車体[…]
原付二種スポーツの絶対的エース、さらなる進化へ 個性を解き放つ3つの新色が2026年モデルを彩る 前モデル(2024年)では、パールホライゾンホワイトとマットガンパウダーブラックメタリックという、モノ[…]
最新の投稿記事(全体)
高いストレッチ性能を持った防水透湿素材“サイバーテックス” ワイズギアの新作レインウエア「RY7001コミューティング ストレッチレイン」の最大の特徴は、防水透湿素材“サイバーテックス”に高いストレッ[…]
スクランブラー900&ボバーの“競演” 2026年5月17日(日)に行われるDGR 2026 TOKYO CENTRAL。この世界的なクラシックバイクチャリティイベントにMOTONE CUSTOMS日[…]
バイクとクルマの「良いとこ取り」。維持費の呪縛からの解放 「風を感じて走る楽しさ」と「雨風をしのげる安心感」。その相反する要素を絶妙なバランスで融合させたのが、トライク(3輪車)という乗り物である。 […]
空力技術「WINGFLOW」が叶える、疲れない高速走行 大型トップケースを装着して高速道路を走る際、背後から受ける風圧や乱気流による車体のフラつきにヒヤッとした経験はないだろうか。長時間の風切り音も、[…]
チェーンメンテナンスから解放される悦び。ヒョースン「GV250X Roadster」 ヒョースンから2026年6月に上陸予定の「GV250X Roadster」は、チェーンメンテナンスから解放してくれ[…]
- 1
- 2



































