
CBアンバサダーとしてホームカミング熊本2025に登壇した我らが丸山浩。ということでヤングマシンは、フレディ・スペンサーとの特別対談を実現させたぞ! まずはともに闘った1992年鈴鹿8耐のエピソードからお届けしよう。Hondaホームカミング熊本2025を振り返って、お届けだ。
●文:宮田健一 ●写真:minami/編集部/YM archives
速さの秘訣を本人に迫ってみた!
丸山:この機会に長年抱いてきた思いをお伝えしたい。貴方が1985年にWGP 500と250でダブルタイトルを取った年に、私は天才フレディ・スペンサーに憧れてレースを始めたんです。そんな少年が1992年の鈴鹿8耐で貴方と同じステージで走ることができた。実はあの時、一度貴方を抜いたんですよ。ワンラップだけですけどね。
フレディ:ワンラップ・イズ・ワンラップだよ(笑)。あの時はスタートでちょっと出遅れてしまったんだ。
丸山:そう、1周目は私のほうが前でした。しかし貴方は130Rで華麗に私を抜いていった。その後姿を見て、心の奥底に湧き出るものがあったんです。「1回、抜いておきたい…!」と。だからシケインで無理に突っ込んだんです。貴方は私がインに突っ込んだものだから「危ない!」とバンクを起こし、道を譲ってくれたんですよ。
フレディ:それは君が良いムーブをしたということだろうね。(私に憧れてレースを始めてくれたなんて)最高の誉め言葉だよ。自分がバイクに乗っている大きな理由は、情熱があって、バイクが好きだから。その自分が好きなこと、情熱を持っていることを通して、誰かに良い影響を与えたり、私の走りを見てバイクを好きになってもらったり、こうやってレースに参加することを決めたと言われたりすることは本当に嬉しい。そして、自分の夢でもあったレースというものを、本田宗一郎さんに支えられながら1983年にチャンピオンを獲れ、その自分の情熱、夢が仕事になって皆さんに良い影響を与えられているということは、本当に光栄なことです。
丸山:1980年代の頃の貴方は倒しこみの鋭さや速さが光っていました。コツは何だったのでしょう?
フレディ:タイミングだね。マシンをある一点から別の点へ移動させるには、グリップレベルの限界を超えてリーンさせ始めるんだ。そうすることでリヤタイヤをスライドさせて向きを変えたり、フロントタイヤで操舵を助けたりと、バイクを自在に操ることができるんだ。それにはタイミングが重要だった。何度もクラッシュしかけたけど、立て直すことができたよ。
丸山:それにはCB750Fデイトナレーサーのようにフロント16インチの効果もあったんですか?
フレディ:そうだね。俊敏性を高めてバイクの動きを機敏にすることが小径タイヤの目的だった。それはそれで機能していたけど、時としてステアリングがクイックになりすぎることもあったので、注意が必要だった。
丸山:16インチ化は貴方の選択でした?
フレディ:いいえ、それはHRC、当時のエンジニアたちの考えだった。最初の年はフロントもリヤも16インチだったよ。
新型CB1000Fをスペンサーはこう評価
フレディ:CB1000Fの印象かい? まず最初にホンダ開発陣の皆さんは素晴らしい仕事をしたと思うね。初めて見たとき本当に美しいと思った。オリジナルのレトロ感をキープしながらも新しいマシンとしての繊細な美しさが加えられていて、見ているだけでも素晴らしいと感じる。そして走らせてみたら昔ながらのバイクのスピリット、本来あるべき魂がきれいに受け継がれているマシンだと感じたよ。安定性がありアジリティも良い。
そして何よりバイク乗りなら皆わかると思うが、バイクから得る感覚ってすごく重要だよね。それが乗ってすぐに「あ、これは素晴らしい」と分かった。何が素晴らしいかと言えば、街乗りもそうだがサーキットで走るのにも素晴らしい能力を持っていること。僕はね、1周走っただけでそのマシンの良さがわかるんだ。このマシンはもうわかった。バランスがいいし、エンジン、シャーシ、サスペンション、スロットルのレスポンス、どれを取っても本当に素晴らしい。僕も日曜に走りを楽しむバイクとして、ぜひ1台欲しいね。
我慢できずに単独で全開走行! 1982年にAMAデイトナ100マイルレースを空冷CB750F改で制し、翌1983年には参戦2年目となるWGP500でヤマハのケニー・ロバーツと死闘を演じて当時史上最年少[…]
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