
マン島TT(IOMTT)が今年も開催される。レース日程は5月25日から6月6日までのおよそ2週間で、5月29日までは予選、それ以降は決勝レースが行われる。
●文:山下剛(ヤングマシン編集部) ●写真:山下剛 ●外部リンク:Isle of Man Tourist Trophy
いよいよTTウィークスタート! しかし赤旗中断でセッション中止
マン島TTは、イギリス王室領であるマン島で毎年開催されている公道レースで、1907年からはじまって現在まで続いている。これは現存するバイクレースでは世界最古にして最長となる伝統的なバイクレースだ。
コースは島をほぼ1周するおよそ60kmの公道(スネーフェルマウンテンコース)で、コーナー数は200を優に超える。世界一危険で過酷なレースといわれることもあり、ヨーロッパで人気の公道レースの頂点に立つのがマン島TTだ。
マン島TTでは「スーパーバイクTT」、「スーパーストックTT」、「スーパースポーツTT」、「スポーツバイクTT」、「サイドカーTT」という5種のレースが開催される。そのためトップライダーたちは、いくつかのレースにかけもち参戦している。
たとえばTT最多勝利数記録を更新中のマイケル・ダンロップ選手は、スーパーバイクTTにはCBR1000RR-R(ホンダ)、スーパーストックTTにはM1000RR(BMW)、スーパースポーツTTにはパニガーレV2(ドゥカティ)、スポーツバイクTTにはS1-R(パトン)というように、サイドカーを除くすべてのレースに参戦している。
初日となった5月25日は、それぞれのクラスで午前に練習走行、午後から予選走行が行われる予定だった。しかしスーパーバイクとスーパーストックの練習走行の2周目、コース中盤で観客を巻き込む重大事故が発生し、走行は赤旗中断。事態を重く見た主催者は原因究明と安全対策に集中するため、以降の走行を中止と判断した。なお、ライダー1名と観客8名はすぐに救急搬送され、現在治療を受けているとのことだ。
山中選手はマシンスイッチで今年も参戦
日本からは山中正之選手が今年もTTに参戦している。近年はスーパーツインTT(今年からスポーツバイクTTに改称)に継続参戦していて、マシンはER-6f(カワサキ)を走らせてきた。しかし今年はマシンをより戦闘力の高いS1-R(パトン)にスイッチし、新たな気持ちでTTに挑んでいる。
パトンはエンジンこそER-6fがベース(ボア×ストロークは同数値)だが、シリンダーやピストン、コンロッド、クランクシャフト、トランスミッションなどに専用パーツを用いているほか、フレームやスイングアーム、サスペンションもまったく別物のレーサーだ。
「パワーはかなりあるしスピードも速いのですが、意外と乗りやすいバイクだと感じました」と、初日の走行を終えた山中選手はパトンの印象をそう語る。
「予選走行がキャンセルになってしまったので残念ですが、少しでも早くパトンに慣れて、自信を持って乗れるようにすることが目の前の課題です」
今年も山中選手の動向をはじめ、市販車最強にして最速を競うスーパーバイクTTと、3気筒と4気筒のSSだけでなくドゥカティの2気筒も参戦する百花繚乱のスーパースポーツTTを中心に、マン島TTのレースレポートをお届けするので、こうご注目!
初日の練習走行でCBR1000RR-R(ホンダ)を走らせるマイケル・ダンロップ選手
後輪を浮かせながらコーナーを駆け抜けるリー・クロフォード選手/スコット・ハーディ選手(LCRカワサキ)
コース中もっともきついコーナーへ進入していく山中正之選手(パトン)。なお、走行写真の撮影場所はすべてラムジーヘアピン
チームI.L.R.のイアン・ロッカー監督(右)と山中選手
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