
F1は観るのも楽しいものですが、それが高じてコレクションに走る方も少なくありません。ミニチュアカーやチームウェア、あるいはヘルメットや実物のパーツなどコレクター魂を揺さぶるアイテムは星の数ほど出回っているのです。そんな中で、今回はレーシングスーツにフォーカスしてみました。いずれも超一流パイロットが実際に着用したものなど、意外なほどリーズナブルというのも嬉しいポイント。サイズが合うなら、サーキットでコスプレという楽しみもありそうです(笑)。
●文:石橋 寛(ヤングマシン編集部) ●写真:RM Sotheby’s
ナイジェル・マンセル(1992年 ウィリアムズ)
マンセルは息子が運営する「マンセル・コレクション」を通じてさまざまなアイテムが市場に放出されていますが、レーシングスーツはレアな存在。しかも、ウィリアムズ・ルノーFW14Bを駆って、ドライバーズチャンピオンを獲得したシーズンのものとなると、その価値は別格。
ともあれ、どうやらスペアだったらしく袖を通した形跡がなさそうです。息子が売り出す際は、たいてい直筆サインが入っていたり、仰々しい証明書が付属したりするのですが、こちらにはいずれもありません。
そのわりに2万ポンド(約430万円)という指値は、さすがにマンセル、しかもチャンピオンイヤーのプレミアムといえるでしょう。
92シーズン、ウィリアムズFW14Bに乗ったマンセルのレーシングスーツ。メインスポンサーのLABATT’Sはカナダのビールメーカーです。
80~90年代はスーツの背中も広告塔として活用されていました。タイヤのグッドイヤーのロゴも入れられています。
ウィリアムズは長い間、ドライバーにスパルコ製レーシングスーツを提供してきました。
ジャック・ビルニューブ(1997年 ウィリアムズ)
1997年、ビルニューブがウィリアムズFW19に乗ってドライバーズチャンピオンを獲得したシーズンのレーシングスーツ。
コレクター界隈では高い人気を誇る「ロスマンズ」がメインスポンサーとして大きくフィーチャーされたデザインが特徴でしょう。大人の事情でタバコメーカーの宣伝ができなくなっている今、懐かしくも貴重なアイテムに違いありません。
こちらも、スパルコのソフトケースが付属した新品とされており、ビルニューブの着用歴は不明。ですが、マンセルよりはお手頃価格の1万ポンド(約215万円)が最高落札価格と予想されています。
スパルコのソフトケースが付属しているので、着用しなかったスペアの可能性があります。
ミハエル・シューマッハ(2005年 フェラーリ)
シューマッハがフェラーリ(F2005)を駆った2005年は、タイヤ交換禁止ルールの導入やマシンの競争力不足に苦しみ、優勝はアメリカGPの1勝のみにとどまりました。
それとてもミシュラン勢がタイヤの安全性不足からレースをボイコットして、本戦は6台のみで争われるというF1史上もっとも不名誉で「恥ずべきレース」でした。
こちらのスーツは、オーストラリアグランプリで着用されて、本人のサイン入り。ちなみに、レースはエンジン交換による10グリッド降格のペナルティで予選18位。レースは42周目にハイドフェルトとの接触事故によりリタイヤ。
着用&サイン入りの逸品とはいえ、微妙なレースだったためか入札価格も1~2万ポンド(約215~430万円)と相場からしたらかなりの安値となっています。
シューマッハのスーツは成績が振るわなかった2005年のものですが、2004年のチャンピオンマークや、直筆サイン入りでの出品です。
フェルナンド・アロンソ(2010年 フェラーリ)
2010年ドイツグランプリでアロンソが着用した実物。アロンソは2番手で予選通過し、レースでは優勝を果たしました。が、スクーデリアがフェリペ・マッサにチームオーダーを出したことで罰金を科されたことご記憶の方もいらっしゃるかと。
無線で「フェルナンドは君より速い」と、マッサにポジションを譲らせたというスキャンダル。たしかにスッキリしないレースで使われたというのもありますが、タバコのロゴ禁止令が響いてのデザインというのもイマイチな気がします。
フェラーリへの移籍初年度にして、ドライバーズランキング2位をゲットしたわりには5000~1万ポンド(約107~215万円)と振るわないのはそのせいではないでしょうか。
優勝はしたものの、いろいろと物議をかもした2010年のドイツグランプリで着用したアロンソのスーツ。
【ギャラリー】1997-Jacques-Villeneuve
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