
昨年7月に行われた参議院選挙で、バイクの免許(普通二輪免許)を持つ女性議員が誕生した。参議院議員になる以前から、日本二輪車文化協会のランドマーク認定部会が行っている「オートバイ神社」の設立に顧問として積極的に携わり、現在は日本維新の会オートバイ議員連盟の事務局長を務めるなど、バイクの世界でもさまざまな活動を行っているのが石井めぐみ議員だ。バイクに非常に理解があり、バイクをより楽しめるように使用環境の改善などにも意欲的に取り組む姿勢を見せている石井議員、今後、我々ライダーの声を国会に届けてくれるはずだ。
●文:Nom(埜邑博道)
「免許を持ってない人にあれこれ言われたくない」の声で決意
以前から個人的な知人や友人にバイク乗りが多く、ご主人も20代のころからのカワサキ乗りで、石井議員は常にバイクがそばにある環境で長年生活していました。
そしてここ数年は、各都道府県にあるオートバイ事業協同組合(AJ)の総会や会合に市会議員として出席することで、バイクに関する興味と知識を深めてきました。そうするうちに、バイクの世界をのぞいてみたい、自分もバイクに乗ってみたいという気持ちが芽生え始めたと言います。
日本維新の会オートバイ議員連盟では事務局長を務め、議事進行などを行う。写真右は馬場伸幸会長。
AJの会合出席のために全国行脚していて、知り合いが多くなってくると、「バイクの免許は持っているの?」と聞かれることが多くなり、なかには「バイクの免許を持っていない人にバイクのことをあれこれ言われたくない」と口にする人もいたのだそうです。
そこで石井議員は、一念発起。茨城県取手市の市議会議員、また地方議員で構成される全国若手議員の会の代表として多忙な毎日を送っていましたが、もっとバイクの世界に深くかかわろうと免許取得を決意しました。2024年1月のことでした。
2024年4月に教習所に通い始めた石井議員ですが、地方議員としての多忙な生活、また当時は原付にもほとんど乗った経験がないところからのスタートだったため、第一段階をクリアするのに17時間もかかってしまったそうです。
「私が教習所に行くと、教官たちがコソコソ話をして、『石井さん、ちょっと別のところで教習しましょう』と、みなさんが教習している場所とは違うところに連れていかれて、スラロームや一本橋の特訓をさせられました」
この特訓の甲斐もあり、大雨の中での卒検は一発合格。教習所に通い始めてから3か月後の6月に、見事、普通二輪免許を取得しました。
ただ、全国若手議員の会の会長としての職務や、昨年からは参議院議員としての活動もあり、なかなかバイクに乗れない日々が続いているそうです。
「でも、家の近所でボアアップしたスーパーカブに乗ったりしています」
そんな石井議員が手に入れたいと思っているバイクは、ホンダ・レブルのEクラッチ仕様。家族はスクーターにしたらと言うけれど、本人はレブルで全国のオートバイ神社を巡るのが目下の夢だそうです。
「今年の国会が終わったら、絶対に乗ろうと思っています。秋にはツーリングに行けるよう頑張ります」
日本二輪車文化協会のランドマーク認定部会が全国で展開しているオートバイ神社。ツーリングの目的地として、多くのライダーが訪れている。現在、全国で100か所に迫る勢いで設立中。石井議員も顧問として開所式には積極的に参加している。
多忙な日々を送っているためバイクに乗れない日々が続いているが、レブルで全国のオートバイ神社を巡ることを夢見ている。
ライダーの声をしっかり国会に届けていく
石井議員は、バイクの使用環境改善の活動を積極的に行っているAJの会合に出ているうちに、高速道路料金などバイク特有の問題があることを知ると同時に、参議院議員に当選してからはバイクのことをもっと国会で取り上げてほしい、バイクの現場の声を訴えてほしいと要請されることが多くなったと言います。
石井議員は現在、参議院国土交通委員会に所属し、昨年の12月2日には同委員会において、金子国土交通大臣へ二輪車の高速道路料金区分問題、販売店の人材不足問題について質問と改善提案を行いました。
「高速道路料金の問題や、二輪駐車場問題、ETC助成金などについて、日本維新の会オートバイ議員連盟を通じて活動していきますけど、バイク販売店の人材不足も大きな問題だと思っています。運送業界では、海外で外国人運転手を育成するプロジェクトなどが進んでいますけど、バイクはそういう人材育成の枠組みがなくて、このまま担い手不足が続いてしまいそうなんです。外国人労働者もちゃんと受け入れる形を導入するなど、バイク業界の人手不足の解消も訴えていきたいと思っています」
バイク以外については、自身が子育てをしながら議員活動を行った経験から、国会でもオンラインを取り入れてほしいと思っているそうです。子育て中の女性も政治活動に積極的に関与できるようにすることも目指しているとのこと。
バイクレースの迫力を多くの人に知ってほしい
石井議員は、前述のAJの会合やオートバイ神社の開所式などに加えて、各地で開催されているバイクイベントにも積極的に参加しています。また、バイクのレースの観戦にも出かけ、実体験としてバイクのことを知らない多くの人にもあの迫力を味わってほしいと言います。
「私がSNSなどでバイクの免許を取ったことを伝えていたら、私も免許を取りに教習所に通いだしましたって人がいました。より多くの人にバイクのよさ、楽しさを知っていただくために、これからもどんどんバイクのことをSNSで発信していきます」
ぜひ石井議員のSNSをフォローして、議員の活躍を応援してください。
レースの観戦にも出かけ、迫力のサウンドに驚くとともに、もっと多くの人にサーキットに足を運んでもらいたいと願っている。
AJの総会にも積極的に参加して、バイクの現場の声をしっかり聞く活動も行っている。
石井めぐみプロフィール
1979年生まれ、茨城県取手市出身。2011年、取手市議会議員に選出され、その後5回連続で当選。AJの総会に出席しているうちにバイクの世界の魅力に気づき、2024年6月に普通二輪免許を取得。2025年7月、日本維新の会の参議院比例区から立候補し、初当選を果たす。お気に入りのホンダ・レブルを手に入れて、全国のオートバイ神社を巡るツーリングに行くのが目下の夢だ。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
最新の関連記事([連載] 多事走論 from Nom)
「バイク業界は減速傾向」まだそんなこと言ってるの? いつからか、国内二輪市場の概況を説明する際に枕詞に使われるのが「減速している」です。 たしかに、1982年の販売台数327万台に比べると、直近の20[…]
バイクは首都高に乗れなくなる⁉ ETC専用入り口化が爆速激増中! 2026年3月、うがちゃんこと宇賀なつみさんをキャラクターにした首都高速道路株式会社のTVCMが大量に放映されていました。 内容は、首[…]
不当な税金の上乗せが廃止されたと思ったら…… バイク/クルマユーザーの悲願だった暫定税率(25.1円の税金上乗せ)が昨年末に廃止され、155円/L程度で推移していたガソリン代ですが、2月末にアメリカと[…]
来年10月から首都高料金が1割値上げか? 12月24日、首都高速道路公団は来年10月から料金を改定(値上げ)する案を発表しました。 これは、今年の10月に設置された「首都高の持続可能な道路サービスに関[…]
片山財務大臣が走行距離課税は検討していないと明言! この発言の持つ意味はとても大きい 11月12日の参議院・予算委員会で、国民民主党の榛葉幹事長の「走行距離課税はやりませんよね」という質問に対し、片山[…]
最新の関連記事(交通/社会問題)
命と未来を守る20日間の誓い:第51回二輪車安全運転推進運動 生身の体で風を切り、その流れと一体になるバイク。その楽しさを支えるのは、揺るぎない安全と安心だ。一般社団法人 日本二輪車普及安全協会(以下[…]
1.千代田区にはどんなバイク駐車場があるのか 前編でお知らせした通り以下の7つの実例について紹介する。 ①歩道を切り下げての区営自動二輪駐車場 ②首都高1号上野線高架下の区営自転車等駐車場 ③JR高架[…]
ツーリング日和に325名が集結した「JAPAN RIDERS CAFÉ 北海道」 日本二輪車普及安全協会が主催する「JAPAN RIDERS CAFÉ」は、2024年度からスタートした取り組みだ。バイ[…]
1. “本丸”東京都の中でも最も重要な自治体「千代田区」 東京都はバイク駐車問題の“本丸”なんて言い方をよくされる。「東京都で改善できれば…」「東京都でモデルケースを作れれば…」全国の都市部にも良い影[…]
一定のレベルを超えると風の危険度は一気に増す バイクの面白さのひとつは、夏の暑さや冬の寒さを直に肌で感じながら走ること。必ずしも快適なばかりではありませんが、それゆえに非日常感や自然の中に生きている実[…]
人気記事ランキング(全体)
激動の物価高を乗り切る「価格据え置き」の価値 世界的なインフレによってあらゆるパーツや原材料が高騰するなか、スズキは2026年8月発売の新型でも、2025年7月18日発売の前年モデルの価格である98万[…]
7.0リッターV8ツインターボ×軽量カーボンボディ まずは、750馬力を絞り出すエンジンこそサリーンの真骨頂かと。フォード製の巨大な7.0リッターV8エンジンに、ギャレット製のターボをツイン装備。しか[…]
350cc単気筒から648cc並列2気筒へ!伝統のファミリーに宿る力強い鼓動 2023年に発表された「BULLET 350」は、350ccのJシリーズ単気筒エンジンを搭載したシンプルな空冷モデルだった[…]
Screenshot 真夏のツーリングを終えて帰宅すると、暑さと疲れから「早くバイクをガレージにしまいたい」と思うものです。しかし、走行直後のバイクには虫汚れが付着していたり、発汗によるヘルメットやジ[…]
軽快さや速さを強調しない従順なグランドツアラー ’71年からスズキが発売を開始した、2スト並列3気筒のGTシリーズを語るうえで、好対照の機種としてよく話題に上るのが、同じ時代に販売され、同様のエンジン[…]
最新の投稿記事(全体)
スマートさでエレクトロタップを圧倒するのがギボシ端子による接続 スマートフォンより大きな画面で情報が読み取りやすく、ドライブレコーダー一体式の製品もあり、価格的にもスマホよりリーズナブルなものも多いこ[…]
ファンによる空冷+気化熱で体温を冷やせ!! 最近、熱中症対策として巷で見かけることが多くなった空調系の作業服。ファンを回して外気をウエア内に導入し、内部の空気を強制排出することで体温を下げるというアイ[…]
カフェレーサーから市販レーサーへの変化 今後の主役はイレブン。ヤマハが’78年に発売したXS1100が、欧米で大ヒットした時点で、おそらく他の国産3社はそう感じたに違いない。 事実、当時のスズキとカワ[…]
時代を先駆けた動力性能と信頼性の歴史を辿る:『カワサキ650-W1の系譜』 最初の紹介記事は、約9年間に及ぶ販売期間の中で生産されたW1シリーズの変遷を体系的にまとめた「W1の系譜」だ。W1の人気が最[…]
「バブ」と親しまれた、ホンダ・ホークCB250Tの系譜と魅力 1977年、ホンダが250ccクラスに投入した初代「ホークCB250T」は、空冷4ストローク並列2気筒OHC3バルブエンジンを搭載し、最高[…]
- 1
- 2










































