
今も絶大な人気を誇る名車たち。今回はレーサーレプリカ全盛の時代を終わらせ、ネイキッドブームの口火を切ったゼファーシリーズの長兄「カワサキ ゼファー1100」をあらためて紹介する。この名車の特徴と歴史について振り返ろう。
●文:ヤングマシン編集部(中村友彦) ●写真:富樫秀明 YM ARCHIVES ●取材協力:バグース! モーターサイクル
昔ながらの構成で爆発的な人気を獲得
ゼファーはレーサーレプリカ時代に終止符を打ち、以後のネイキッドの基盤を構築したモデルで、近年のネオクラシックブームの原点と言えなくもない存在。改めて振り返ると、’89年に400、’91年に750、’92年に1100が登場したゼファーシリーズは、日本の2輪史を語るうえで欠かせない名車である。
もっとも、少なくとも400の登場時は、ゼファーに違和感を抱く業界関係者が少なくなかった。なんと言っても、アルミツインスパーフレーム/水冷4バルブ/セパレートハンドル/リンク式モノショックが王道だった時代に、ゼファーはスチールダブルクレードルフレーム/空冷2バルブ/バーハンドル/ツインショックという、昔ながらの機構を採用していたのだから。
ただし現実の市場では、常用域の楽しさやカスタムベースとしての資質が高く評価され、ゼファーシリーズは爆発的な人気を獲得。3兄弟すべてが四半世紀にわたって生産が続くロングセラーになり、’00年代後半に販売が終了してからも根強い人気を維持している。
【KAWASAKI ZEPHYR1100】■全長2165 全幅780 全高1115軸距1495 シート高795mm 乾燥重量243kg キャスター/トレール27度/110mm ■空冷並列4気筒DOHC2バルブ1062cc 内径×行程73.5×62.6mm 圧縮比9.1:1 最高出力93ps/8000rpm 最大トルク9.1kg-m/7000rpm 変速機5段リターン 燃料タンク容量19L ■タイヤF=120/70V18 R=160/70V17 ●発売当時価格:84万9000円 ※’92年型国内仕様
【弟分とは異なり、ほとんどの部品を新規開発】弟分のゼファー400/750が既存のGPz-Fからエンジンを流用したのに対して、ゼファー1100の空冷並列4気筒はボイジャーXIIのクランクケースをベースとしつつも、ほとんどの部品を新規開発。点火はZ1000S1を彷彿とさせるツインプラグで、ジェネレーターはシリンダー背面に設置。
【砲弾型ケースと2連メーターはZ1/2が原点】砲弾型ケース+アナログ式2連メーターは、’70年代に販売された空冷Zシリーズが原点で、現行Z900RSも同様のデザインを採用している。なおゼファーシリーズの速度計は、ギヤとワイヤを用いる昔ながらの機械式だ。
400はχに進化したが、750と1100の基本は不変だった
既存の空冷ZやGPZ系がリッタークラスを起点としていたのに対して、ゼファーシリーズは400が第1号車。400が大ヒットモデルになったからこそ、輸出仕様の550(’90~’99年)に続く形で、750と1100が登場したのだ。なお兄貴分のエンジンが最後まで伝統の2バルブを維持したのに対して、400は’96年から4バルブを導入したχ(カイ)に進化している。
750と1100で興味深いのは、四半世紀に及んだ生産期間中に、フルモデルチェンジを1度も受けなかったこと。もっとも弱点の対策や排気ガス規制への対応といった仕様変更は行われたし、’96~’03年にはスポークホイールのRSが併売されたのだが、動力性能向上を目的とした刷新はナシ。その事実をどう捉えるかは人それぞれだが、現代の視点で維持の容易さや中古/アフターマーケットパーツの豊富さを考えると、基本設計を変更しなかったカワサキに感謝したくなるゼファー750/1100ユーザーは多いはずだ。
【’89 ZEPHYR(400)】
【’91 ZEPHYR750】
【’92 ZEPHYR1100】
【’96 ZEPHYR1100RS】
【取材協力:バグース! モーターサイクル】「Bagus!」とはインドネシア語で“最高!”という意味。その言葉が示す通り、同店ではお客さんに最高のバイクライフを提供することをモットーとしている。同店の主力機種はゼファー400/750/1100シリーズで、全国から数多くのユーザーが来店。●住所:神奈川県横浜市都筑区早淵1-25-28 B棟 ●TEL:045-534-9246
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