
昭和のバイクシーンを熱狂させたカワサキ400cc空冷4気筒。直線基調の王道スタイルで一世を風靡した「Z400FX」と、そのDNAを継承しつつ「最速」を掲げて登場した「Z400GP」。今や手に入れることすら困難なこの2台を乗り比べると、MkIIからローソンレプリカへと至るカワサキの劇的な進化の系譜が鮮明に浮かび上がる。スペック上の数値だけでは語れない、五感に訴えかける「軽快さ」と「力強さ」の正体を2022年刊行の青春単車大図鑑からプレイバック!
●文:ヤングマシン編集部 ●写真:YM archives ●取材協力:モビリティリゾートもてぎ、ホンダコレクションホール、ZEPPAN UEMATSU
【テスター:丸山浩】1964年1月10日生まれ。 16歳で免許を取得して以来、常にバイクとともに暮らす根っからのバイク好き。 歴史的な名車の試乗経験も豊富だ。 168cm、61kg。
Z400FX試乗:雰囲気満点のコンパクトMK II
まさに僕が中免取り立ての頃に一世を風靡したバイク。 当時は何てでっかいんだと思っていたのに、今見るとかなりコンパクト。でも、あの当時は限られた免許で乗れる一番でかくて豪華なのってことで人気があった。
ライディングポジションは普通で、ハンドルはやや高め。当時はハンドルが高いと安全、低いと危険って風潮があったよなあ。400ccの4気筒で装備重量200kg超だから数値的には重いけど、今となってはそれほど苦にはならない。
エンジンをかけてみると、まさしくMkIIのミニ版で、4気筒らしさはちゃんとある。 走り出すと下から上まで400ccなりのパワーがフラットな感じに出てくるが、今となっては力不足だね。
車体は十分な剛性感があり、足まわりも車体に見合ったレベルの性能を十分に持っている。 あまりスポーティとは言えないものの、ソツなくまとまっていると思うな。
【KAWASAKI Z400FX】主要諸元■全長2100 全幅785 全高1125 軸距1380 シート高805(各mm) 車重189kg(乾)■空冷4スト並列4気筒DOHC2バルブ 399cc 43ps/9500rpm 3.5kg-m/7500rpm ■ブレーキF=ディスク R=ディスク■タイヤF=3.25-19 R=3.75-18
1981年生産、最終型の貴重な限定仕様車E4A。 珍しいだけでなく程度も良好、ほぼSTD状態を保っているのは奇跡的。 ビキニカウルも装着されている。
中央にインジケーター、左右に速度計と回転計を配置したオーソドックスなメーターパネル。
Z400GP試乗:強く、軽やかなFXの正常進化
Z400FX同様、当時はどっしりして大柄に見えたもの。 乾燥重量はFXより10kg軽くなったけど、重さはそれなりにある。ただ、FXと違って走り出すととても軽快。
この点はローソン(KZ1000R)とよく似てる。 ライディングポジションはFXのバーハンドルに比べて低いセパレートのハンドルが装着されたけど、まあ大差ない。
エンジンをかけると、FXと同系とは思えないさらに軽やかなレスポンスで、これもMkIIからローソンにかけての進化と符号する。 エンジン内部のパーツが軽いのだろう。
試乗車はRPMの集合管が装着されていたから純正の排気音については論じられないけれど、個人的にはこういう甲高い直管サウンドは嫌いじゃない。 フットワークの良さはモノショックの恩恵か、寝かし込みも軽やか。 FXの鈍重さを克服してパワフルに仕上げた正常進化形だ。
【KAWASAKI Z400GP】主要諸元■全長2170 全幅750 全高1095 軸距1445 シート高780(各mm) 車重179kg(乾)■空冷4スト並列4気筒DOHC2バルブ 399cc 48ps/10500rpm 3.5kg-m/8500rpm ■ブレーキF=Wディスク R=ディスク■タイヤF=90/90-19 R=110/90-18
1982年生産のM1。 GPは1年限りしかラインナップされなかった短命機種。 試乗車はRPM製集合管を装着、本来は2本出し。
中央の液晶パネルは各部の自動点検およびガソリン残量を表示。 セパレートハンドルも標準装備。
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