
約半世紀の眠りから覚めた新生BSAのファーストモデルとなるのがゴールドスター。現行のネオクラシック系では希少なビッグシングルエンジン搭載車を、岡崎静夏がゆったりと味わった!
●文:まとめ:ヤングマシン編集部(田宮徹) ●写真:楠堂亜希 ●取材協力:ウイングフット ●外部リンク:BSA
低中回転域とリヤブレーキがスムーズな走りにつながる
新生BSAのゴールドスターは、ビッグシングルエンジンを搭載した新型ネオクラシックモデル。レースではこれまで単気筒エンジンばかり操縦してきたので、そもそも性に合っている…ということもあると思いますが、それにしてもパッと乗ってすぐ好きになったことに、自分でも驚いちゃいました。
単気筒エンジンの利点は、低回転域での力強さ。一方で、高回転域の伸びは、とくに市販車の場合は不利な傾向にあります。でも、ゴールドスターのエンジンは652ccという排気量があり、そのおかげで高回転域まで加速感が続いていく印象です。
かつてBMWのF650シリーズなどに使われていた、実績十分なロータックス設計エンジンがベースということもあり、変なクセがないのもポイント。ただし、ツマラナイ優等生という意味ではなく、高回転まで引っ張ればそれなりに振動も増えるし、低中回転域のパルスにも個性や味わいが感じられます。基本的には、角のある振動ではなく、どこか心拍を思わせるような心地いい鼓動感。4000rpmあたりから振動が強くなりはじめますが、そんなときはシフトアップしてあげれば即解決。ひとつ高いギヤにしても、低中回転域トルクには余裕があるので問題ありません。
身長158cmでも、両足で足を着いたときに指の付け根あたりまでが接地。ハンドルはやや幅広かつ少し絞った形状で、燃料タンクはエグリがないのに意外とホールドしやすい。
ニッポンの道を優雅に楽しむ大人スポーツ
車体を含む全体的なパッケージとしては、一歩どころか二歩も三歩も大人になって、スポーティな走りを優雅に楽しむのに最適です。クルーザーほどではありませんが、コーナーへの進入ではフロントブレーキで車体姿勢を変化させて……というような操縦よりも、リヤブレーキ中心のほうがスムーズ。フロントをかけた状態だと“ 立ち” が強めですが、リヤを引きずりながらバンクさせると自然にハンドル舵角がついてくるような特性で、これに合わせた操縦をしていると、結果的にガツガツする気分になりません。
最初にこのバイクを見たときには、とにかく重厚な走りをイメージしましたが、意外としなやかな面も。サスペンションそのものは私の体重だとカタめだと思いますが、それがネガになっていないし、引き起こしはけっこうな手応えなのに、走らせていると213㎏という装備重量ほどの重さも感じません。私の体格だとシートは後ろにスゴく長く、ハンドルはUターン時などにアウト側がかなり遠くなるのですが、普通に走行しているときには車体の大きさも気にならず操れました。とはいえ小さくはないので、もっと大柄なライダーでもある程度の余裕があると思います。
ひとつ驚かされたのは、メーターの針が右上スタートで下方向に回転するところ。私は指針式メーターが大好きなんですが、このタイプは初めて。回転数や速度を把握するのがちょっと難しかったです。まあでも、これも他にはない個性のひとつですね!
ゴールドスターに感じたのは、力強く支えてくれる男性的な優しさ。そして、大人のバイクライフでした。
【テスター:岡崎静夏】全日本ロードレース選手権J-GP3 クラスにフル参戦中の驚速女子で、公道でもバイクを楽しむリアルライダー。でも、外国車に関してはほぼ初心者!?
BSA ゴールドスター 車両解説
主要諸元■軸距1425mm シート高780mm 車重213kg(装備)■水冷4スト単気筒DOHC4バルブ 652cc 45ps/6500rpm 5.61kg-m/4000rpm 変速機5段 燃料タンク容量12L ■タイヤサイズF=100/90-18 R=150/70R17 ●色:赤、黒、銀、緑、銀×白 ●価格:127万6000円~135万3000円
1938~1963年に製造されたゴールドスターを、現代的に再定義。デザインと設計は英国スタッフが手がけ、王道的なクラシックスタイルにまとめられている。ヘッドライトは敢えてのハロゲンバルブ仕様!
メーターは、右上スタートで下方向に動く指針式の速度計(左)と回転計(右)、中央部集約のインジケーターで構成。電源が充実し、ハンドル左側にUSB タイプAとタイプC、左側サイドカバー付近にDC12V がある。ロータックス製の水冷単気筒エンジンは、冷却フィンを深く刻みつつクラシカルな外観に。ドライブチェーンは右側配置で、マフラーはいわゆるキャブトンタイプに近い。小ぶりな燃料タンクやフラットなシートを採用。ブレーキキャリパーは前後ともブレンボ製の片押しタイプ。フェンダーステーはスチール製だ。
カラーバリエーション
日本向けの車体色は5 タイプで、このうちシルバーシーンはメッキフェンダーなどを備えたレガシーエディション。車体各部がブラックアウトされたシャドウブラックは日本未入荷。
Silver Sheen(Legacy Edition)
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