
ヨシムラが2025年3月の東京モーターサイクルショーで発表した、カワサキZ1用の新作マフラー「フルエキゾースト手曲ストレートチタンサイクロン 4-2-1“F-tuning”」が、6月21日からいよいよ抽選申込を開始した。クラシカルな直管スタイルにヨシムラのマフラー技術をフル投入し、しかも年産20本限定という、超お宝マフラーに要注目だ!
●文:宮田健一(ヤングマシン編集部) /編集部 ●写真:ヨシムラジャパン/真弓悟史 ●外部リンク:ヨシムラジャパン
懐かしのスタイルに最新技術をフル投入!
2025年3月の東京モーターサイクルショーで詳細が発表されたヨシムラヘリテージパーツプロジェクト。対象機種は油冷GSX-R750とカワサキZ1となっており、GSX-Rは純正復刻パーツをメインにヨシムラ製のカスタムパーツを、Z1はおもにヨシムラ製カスタムパーツを展開していく予定だ(Z1用の純正復刻パーツは他社製が充実しているため)。
そのZ1用ヘリテージパーツの目玉となるのが「フルエキゾースト手曲ストレートチタンサイクロン4-2-1“F-tuning”」。ヨシムラのZ1用マフラーとしては、すでに機械曲げのストレートチタンサイクロンがリリースされているが、F-tuningはより美しいラインを描く手曲げエキゾーストパイプを採用。さらに最高の性能を得るために数々の新技術が投入されているのが特徴だ。税込で60万2800円という価格には驚かされるものの、生産数が年間20本と限られるため、入手困難なお宝アイテムと化すのは必至だ。
生産数の少なさゆえ抽選販売となるのもトピックで、購入希望者は6月21日〜7月10日の受付期間内にヨシムラの受付フォームから申し込みを行い、当選者が購入権を得られるシステムとなっている。詳細および受付フォームは下記リンク先を参照してほしい。
〈製品詳細〉フルエキゾースト 手曲ストレートチタンサイクロン 4-2-1″F-tuning”
【フルエキゾースト 手曲ストレートチタンサイクロン 4-2-1″F-tuning”(税込60万2800円)】”Z1用ストレートサイクロンの最高峰”を目指し、ヨシムラの職人が1本1本、パイプを丁寧に手曲げで仕上げるフルエキゾースト。通称”直管”スタイルのクラシカルなつや消しブラック仕上げ(写真は展示用カットモデルのため未塗装)ながら、素材には軽量かつ耐食/耐熱性などに優れるチタニウム合金素材を採用し、ヨシムラが長年レースで培ったノウハウもフル投入。出力やトルク特性/音量/音質/整備性/耐久性などを高次元でバランスさせている。60万円オーバーの価格も含め、今までに販売されたZ1用マフラーでは最高峰だろう。
製品名のとおり、エキゾーストパイプの集合方式はフラットなトルク特性の4-2-1集合を採用するが、”2”の部分は集合部直後のパイプ内に内蔵されており、外観上はZ1現役当時の主流だった4-1集合ルックを再現。写真はカットモデルで、購入者すら見られない部分に膨大な手間が注がれているのもF-tuningの特徴だ。
エキゾーストパイプにはコニカルヘッダー(排気ポート直後のエキゾーストパイプ内径を細く絞る)を採用するが、この部分を二重管構造とすることで、美しい手曲げパイプに段差を生じさせることなく高い排気効率を実現。Z1ユーザーが望むルックスを保ちつつ、手間を掛けて高性能を実現するのは集合部と同様だ。
ヨシムラのストレート管といえば赤地に白文字のエンブレムが定番だが、F-tuningは浮き文字で「ヨシムラ」のロゴを刻むことで他製品と差別化。製品版では黒く塗装されるエンドピースも美しい削り出しだ。このテールパイプ部分は分割構造となっており、内部のグラスウールが交換可能。ヨシムラが提供するリメイク作業や再塗装サービスを利用することで、新品時の性能や外観を長期にわたって維持できる。
ルックス的にはZ1の現役当時から愛される伝統的な”直管”スタイルだが、素材や製法などに最新の技術を投入することで、外観/性能/整備性といったマフラーに求められる要件を高次元でバランスさせた”F-tuning”。単に高価なだけではない「ヨシムラ技術の結晶」としても過言ではない製品だ。
機械曲げのストレートチタンサイクロンも
こちらは「フルエキゾースト ストレートチタンサイクロン 4-2-1」一見4-1風の4-2-1集合構造やエキゾーストパイプの着脱方法などはF-tuning同様だが、エキゾーストパイプは機械曲げとなり、コニカルヘッダーながら二重管構造も採用されない。価格は税込39万3800円。
ヨシムラの定番・カムシャフトも揃う
〈開発者に聞く〉Z1を楽しく乗り続けられるよう、全力で応援します
【ヨシムラジャパン 商品実験課 杉田洋課長】Z1の魅力をさらに引き出すため、日々パーツの開発に励んでいます。ノーマルでも十分に魅力的なZ1ですが、マフラーひとつでスタイルや乗り味が変わりますし、自分好みに仕上げていくことで愛着や楽しさが一層深まります。ショップや仲間と相談しながら、どこに手を入れるかを考える時間もZ1ライフの醍醐味です。操る楽しさを高めつつ、’70年代スタイルにこだわる私たちのパーツがその選択肢となれば嬉しいです。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(ヨシムラ)
HAYABUSA X-1[2000]:世界最速マシンをレーサーレプリカ化 全日本ロードレース選手権で1999年に設立されたS-NK(Xフォーミュラ)に、ヨシムラは発売されたばかりのスズキGSX1300[…]
完成車メーカー「ヨシムラ」への布石 油冷エンジンを搭載するGSX-R750の開発に深く関わり、デビューイヤーの1985年から3年連続で全日本TT-F1クラスでチャンピオンを獲得したヨシムラ。すでにレー[…]
当時を思わせながらも高次元のチューニング ◆TESTER/丸山 浩:ご存知ヤングマシンのメインテスター。ヨシムラの技術力がフルに注がれた空冷4発の完成度にホレボレ。「この味、若い子にも経験してほしい![…]
【ヨシムラジャパン代表取締役・加藤陽平氏】1975年、POPの右腕だった加藤昇平氏と、POPの次女・加藤由美子氏の間に生まれる。4輪業界でエンジンチューンやECUセッティングなどを学び、2002年にヨ[…]
真夏の激闘を前に意気込みを聞く! ヨシムラの『ツーリングブレイクタイム』はその名のとおり、ツーリング中の立ち寄りスポットとしてヨシムラジャパンが主催しているイベント。2009年の初開催以来、すでに60[…]
最新の関連記事(マフラー)
国内初のX-ADV(’21-23)用車検対応2本出しフルエキゾースト 日本はもちろん、欧州で人気のX-ADVは数々の輸入マフラーメーカーがさまざまな製品をラインナップしています。しかし、日本で車検対応[…]
MotoGP黎明期のレプリカマフラーだ このマフラーは4スト990ccが導入されて、世界GPがMotoGPに代わった翌年の2003年に、ホンダRC211VエンジンのモリワキMotoGPレーサー・MD2[…]
森脇護氏が考案した画期的なアルミフィン構造 画期的なアイデアマンとしても有名なモリワキエンジニアリングの創始者・森脇護氏。そんな氏が数多く考案した製品群の中でも代表作のひとつに挙げられるのが、1980[…]
ホンダの大排気量並列4気筒エンジンをジェントルかつスポーティーに TSRは鈴鹿のマフラーメーカー「アールズ・ギア」とともに世界耐久選手権(EWC)を戦い、リプレイス用のマフラーも同社と共同開発していま[…]
標準車用も後日リリース予定! ストリートファイター系のスパルタンなルックスで登場したホンダCB1000ホーネット。人気はブレンボやオーリンズなどの特別装備を持つ上位グレードの「SP」だが、このSPの純[…]
人気記事ランキング(全体)
“次”が存在するのは確実! それが何かが問題だ 2018年に発売されたモンキー125以来、スーパーカブC125、CT125ハンターカブ、そしてダックス125と、立て続けにスマッシュヒットを飛ばしている[…]
特別な店舗のオープンに向けた特別な1台 関西/中部エリアで6店舗を運営するモトラッドミツオカグループ。新装オープンした堺店は、国内のBMW Motorradの正規ディーラーの中でも最新の内装と設備が自[…]
脇を冷やすことで全身を効率的にクールダウン 夏場にリュックを背負ってバイクで走っていると、背中や脇の蒸れが不快なものだ。そんな悩みを抱えるライダーにこそ、「ワキひえ~る」は、目立たず、効率的に全身をク[…]
欧州ヤマハとUSヤマハの連携で生まれたカスタムビルドのXSR900 GP ウェイン・レイニーがバイクでサーキットを走った! 往年のレースファンなら、それがどれほど特別なことか理解できるだろう。 199[…]
HAYABUSA X-1[2000]:世界最速マシンをレーサーレプリカ化 全日本ロードレース選手権で1999年に設立されたS-NK(Xフォーミュラ)に、ヨシムラは発売されたばかりのスズキGSX1300[…]
最新の投稿記事(全体)
40年の歴史を誇るナナハン・スーパースポーツと、兄弟車のR600 1985年当時、ナナハンと呼ばれていた750ccクラスに油冷エンジン搭載のGSX-R750でレーサーレプリカの概念を持ち込んだのがスズ[…]
ニーズに応じて使いやすい4種のUSB電源 もはやスマホやナビ、ドラレコなど、電子機器が手放せない時代。バイクに乗る上で電源の確保は、ツーリングの快適性を大きく左右する要素となっている。2020年代の新[…]
Screenshot 応募は”無料”なので、応募しないともったいないぞ! 現在、発刊中の『ヤングマシン電子版8月号』では、読者プレゼント(P68)を実施中! そのプレゼント品だが、コールマンのウェスト[…]
国内初のX-ADV(’21-23)用車検対応2本出しフルエキゾースト 日本はもちろん、欧州で人気のX-ADVは数々の輸入マフラーメーカーがさまざまな製品をラインナップしています。しかし、日本で車検対応[…]
あの頃の中型 青春名車録「2ストの台頭」(昭和55年) 1970年代(昭和45年~)、国内における250ccクラスの人気は低迷していた。車検がないためコスト的に有利だが、当時は車体設計が400ccと共[…]
- 1
- 2