トライアンフモーターサイクルズジャパンは、新開発エンジンを搭載するアドベンチャーシリーズのニューモデル『Tiger Sport 800(タイガースポーツ800)』を発表した。全国のトライアンフ正規販売店にて、2025年2月から販売開始予定だ。
●文:ヤングマシン編集部(山下剛) ●写真/外部リンク:トライアンフモーターサイクル
タイガーシリーズの快走ツアラーが新エンジンとともに
トライアンフのアドベンチャーシリーズには実にさまざまなバリエーションが揃っているが、このたび新登場する『タイガースポーツ800』は、既存モデルであるタイガースポーツ660と同じサブカテゴリーに属する、オンロード特性を重視したアドベンチャーモデルだ。タイガースポーツ800の主なトピックは下記の通り。
- 新開発の798cc並列3気筒エンジン
- 6軸IMU搭載
- 前後17インチホイール
まず注目したいのは、新開発の並列3気筒エンジンで、排気量は現行モデルにはない798ccだ。最高出力115ps、最大トルク84Nmを発生し、中回転域で最大トルクの90%を発揮する。これは排気量888ccのタイガー850スポーツよりも出力値で、やや高回転型となっている。
駆動系ではアシスト&スリッパークラッチ(スリップアシストクラッチ)に、クイックシフターを組み合わせており、市街地からワインディング、あるいは未舗装路においてスムーズなシフトチェンジをもたらし、リアタイヤのスリップを抑制する。
フレームはタイガースポーツ660と同様の軽量なチューブラースチールペリメターフレームで、サスペンションはフロントにショーワ製41mm倒立式セパレートファンクションカートリッジフォーク(圧側/伸側減衰力調整可能)、リアにショーワ製油圧プリロード調整機構付きモノショック(圧側減衰力調整可能)を装備。ストローク量はいずれも150mmを確保している。
ブレーキは前後ともにトライアンフブランドのキャリパーで、フロントはラジアルマウント式4ポッドを採用する。前後ホイールはアルミ鋳造5本スポークホイールで、サイズはどちらも17インチ。スイングアームはスチール製を採用する。装着するタイヤはミシュラン製ロード5スポーツツーリングだ。
電子制御デバイス群は、6軸IMUによるコーナリングABS、コーナリングトラクションコントロール(切替式)をはじめ、3種のライディングモード(スポーツ、ロード、レイン)、クルーズコントロールを搭載。安全性と快適性を高め、長時間走行におけるライダーの肉体疲労を軽減する。
メーターはTFTとLCDを組み合わせたコンパクトな液晶ディスプレイで、白黒反転表示と適材適所のカラー表示で視認性に優れる。また、左ハンドルに設置されたスイッチキューブにより直感的に操作可能だ。さらに、マイトライアンフ コネクティビティを装備しており、Bluetoothでスマートフォンと連携可能。ターンバイターンナビゲーション、音声通話、音楽プレーヤーの操作など、街乗りにもツーリングにも便利な機能も備える。
エクステリアはタイガースポーツ660と同じデザインを継承しつつブラッシュアップ。空力特性に優れるフェアリングにはウィンドディフレクターも備えるほか、高さ調整可能なスクリーンによって、さらに快適な高速巡航を実現している。
左右のLEDヘッドライトの中央には、デイタイムランニングライト(DRL)を装備。タイガースポーツのアイコンを作り出している。
オプションには、アクラポビッチ製スリップオンマフラー、グリップヒーター、LEDウィンカー、タイヤ空気圧モニター、補助電源ソケットなどが用意され、ローシートやケース類も豊富に揃っている。
トライアンフのタイガーシリーズの歴史は古く、初登場は1936年まで遡る。498cc単気筒エンジンを搭載したタイガー90はダウンマフラーを装備していたが、250ccのタイガー70、350ccのタイガー80は美しく湾曲したエキゾーストパイプが特徴的なアップマフラーを装備していた。
その後もタイガーはトライアンフの伝統を継承し続けてきたが、トライアンフ復活後の1993年に登場した『タイガー900』によって、オンロードでもオフロードでも優れた走行性能を発揮するデュアルパーパスモデルの名称となった。
そんなタイガーの最新モデルとなるタイガースポーツ800のオンロード重視の走行特性は、トライアンフの黎明期から黄金時代のタイガーに近い。原点回帰しつつ、電子制御デバイスを十分に盛り込んだ最新鋭タイガーだ。
カラーバリエーション
車体色は全4色で、グラファイト×サファイアブラック(灰×黒)のほか、コスミックイエロー×サファイアブラック(黄×黒)、カスピアンブルー×サファイアブラック(青×黒)、サファイアブラック(黒)がラインナップされる。
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