A.J.S.は、1909年に創業したメーカーで、ジョー・スティーブンスとアルバート・ジョン・スティーブンスの兄弟によって運営された。社名は弟の名のイニシャルに由来し、正式名称は『A.J.スティーブンス(A. J. Stevens & Co. Ltd)』という。1920年代には自動車やバスの製造も手がけていたが、1931年に財政悪化により倒産。バイク事業はマチレス社が買収し、A.J.S.はブランドとして存続する。さらにマチレスは1938年にAMCに買収されるが、1960年代にイギリスのバイク産業全体が斜陽化すると、1966年にAMCが倒産。ノートン・ヴィリアーズが権利を所有することになったが、1974年に同社も倒産。A.J.S.の権利はフラフ・ブラウン氏が獲得してブランドが存続した。現在はイギリスでデザインし、中国で生産する体制をとりながら小排気量バイクやスクーターを製造している。写真は1930~1950年代の黄金期のモデル群だ。