
アドベンチャーバイクのタフな走破性と、大型スクーターの高い実用性を超高次元で融合させたホンダの唯一無二のマシン「X-ADV」の2027年モデルが欧州で発表された。2025年に実施されたフロントマスクの大幅刷新や先進のエコ素材、低速時の扱いやすさを劇的に向上させたDCT制御などの充実装備はそのままに、往年のレーシーな鼓動を呼び覚ますスペシャルカラーを含む4つの新色が追加。より個性を研ぎ澄ました孤高のクロスオーバーの魅力に迫る。
●文:ヤングマシン編集部 ●写真/外部リンク:EUホンダ
アドベンチャースクーターというジャンルを確立したホンダ「X-ADV」
平日の通勤ラッシュを快適にすり抜け、週末はそのまま林道ダートへと滑り込む。そんな贅沢な夢をこれ以上ない形で具現化したのが、2017年にホンダが世に送り出したアドベンチャースクーター「X-ADV」だ。スクーターの比類なき快適性と、オフロードを征服する力強い足回りを融合させた唯一無二のコンセプトは欧州で大ヒットを記録し、これまでに約6万台が販売されるという圧倒的な成功を収めている。
その魅力の核となるのが、並列2気筒エンジンから生み出される粘り強いパワーだ。最高出力43.1kW、最大トルク69Nmを発揮する745ccのエンジンは、低速域から力強いトルクを絞り出し、ライダーの意図通りに車体を力強く蹴り出してくれる。さらに、ホンダ独自の2クラッチ変速システム(DCT)が自動で最適なギアを選び出すため、ライダーは余計なクラッチワークに気を取られることなく、目の前の路面と走りのラインに完全に集中できるのだ。
2027年モデルの新色登場!彩り豊かな4カラーが魅せる新たな個性
今回、欧州ホンダから発表された2027年モデルの最大のトピックは、このマシンの持つエッジの効いた造形美をさらに高めるカラーラインナップの刷新だ。
なかでも絶対の注目株は、特別なグラフィックが施されたスペシャルエディション「グランプリレッド」だ。ホンダ伝統の情熱的なレッドをベースに、コントラストの効いたシルバーの巨大な「X-ADV」ロゴとグラフィックを大胆に配置。これはストリートでもオフロードでも強烈な視覚的インパクトを放ち、所有欲を満たしてくれる特別な仕上がりとなっている。
さらに、都会的でモダンな引き締まった印象を放つ「マットウォームアッシュメタリック」、自然の風景やオフロードの景色にも優しく調和する上品な「パールディープムッドグレー」、そしてシャープなカウルラインの力強さを一層強調する精悍な「マットバリスティックブラックメタリック」の3つのスタンダードカラーが追加。どの新色も、アドベンチャーモデルとしての野生味と都会に溶け込む洗練された美しさを両立している。
2025年モデルで手に入れた充実装備はそのまま継承
2027年モデルはカラーチェンジが主な変更点だが、ベースとなる車体には、前モデルにあたる2025年型での劇的な進化が余すことなく注ぎ込まれている。ここで、それ以前(2024年モデル以前)と現行モデルの違いをおさらいしておこう。
まず、長距離ツーリングの快適性を左右するウインドスクリーンの調整機構が画期的に改良された。かつての2024年モデル以前では、スクリーンの高さを変えるために両手を使って5段階の手順を踏む必要があった。しかし、現行に引き継がれた新設計では、片手のみで、わずか3段階のアクションで139mmの高さ調整が可能に。
これにより、信号待ちのわずかな時間や走行状況の変化に合わせ、左手一本で簡単かつスマートに風防効果を最適化できるよう進化した。
コックピットに鎮座する5インチフルカラーTFTメーターの視認性も飛躍的に向上。以前の仕様は強い日差しを浴びると画面が白飛びして情報が読み取りづらい場面もあったが、現行型ではカバーガラスと液晶ディスプレイの隙間を特殊な樹脂で密閉する光学ボンディング技術を採用。不要な光の反射を徹底的に抑え込みやすくなっため、晴天の炎天下でも抜群の視認性を誇る。
さらに、フロントマスクの表情も一変した。世界初となる「ウインカー一体型デイタイムランニングライト(DRL)」を組み込んだデュアルLEDプロジェクターヘッドライトを採用。ライト周りを巧みにブラックアウトする「隠し目」技術により、昼夜を問わず他車からの圧倒的な視認性を確保しつつ、鋭く洗練された未来的な顔つきを手に入れていた。
サステナブルな取り組みとして、フロントカウルなどの外装に、塗料を使わずとも艶やかな光沢を放つバイオマスプラスチック「デュラビオ(Durabio)」を導入したこともトピックだった。製造時のCO2排出量を削減しながらも、高級感のある仕上げにこだわったという。足つき性を考慮して形状を見直したシートには、クッションとなるウレタンを従来比で10%増量。さらにシートダンパーの配置見直しにより開閉時の質感も格段に向上していた。
電子制御面では、長距離の旅で右手の疲労を劇的に和らげるクルーズコントロールを標準装備。10km/h以下の超低速時の滑らかなクラッチレスポンスを求めてDCTの制御プログラムに繊細な手直しが施された。タイトな路地でのUターンやオフロードの荒れた砂利道でも、ライダーの右手の動きに追従して車体をピタリと安定させ、恐怖感なく安全なライディングをサポートしてくれる。
日本での正式発表が待ち望まれるこの新型、新たなカラーをまとった相棒が日本の公道を走り出す日を楽しみに待ちたい。
HONDA X-ADV [2027 model / EU]COLORS
HONDA X-ADV [2027 model / EU]SPECS
| エンジン | 水冷4ストロークSOHC8バルブ並列2気筒 745cc |
| 最高出力 | 43.1kW/6750rpm |
| 最大トルク | 69Nm/4750rpm |
| 変速機形式 | 6速DCT |
| 全長×全幅×全高 | 2215×940×1370mm |
| 軸間距離 | 1590mm |
| シート高 | 820mm |
| 最低地上高 | 165mm |
| 装備重量 | 237kg(計測条件:装備重量) |
| 燃料タンク容量 | 13.2L |
| タイヤサイズ | 前=120/70R17 M/C(58H) / 後=160/60R15 M/C(67H) |
| ブレーキ形式 | 前:296mmダブルディスク(4ピストン対向ラジアルマウントキャリパー) / 後:240mmシングルディスク(1ピストンキャリパー) |
| 主要装備 | クルーズコントロール/5インチTFTディスプレイ(光学ボンディング)/Durabio™バイオマスプラスチック/ウインカー一体型DRL |
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