イタリアの名門ヘルメットメーカー、AGVからリーズナブルな価格の新作が日本上陸。世界最高峰のモトGPで培った技術をフィードバックした性能に加え、日本人の頭部に合わせた内装や、ロッシレプリカがリーズナブルに入手できるのも大きな魅力だ。※この記事はヤングマシン2023年9月号に掲載されています。
●まとめ:ヤングマシン編集部(沼尾宏明) ●写真:長谷川徹 ●外部リンク:ユーロギア
[◯] 自然なホールド感と軽快な被り心地が光る
’47年に設立された老舗のAGV。V・ロッシが愛用していたことで有名だが、多彩なモデルを展開する総合ヘルメットメーカーだ。
新作のK1Sは、スポーツフルフェイスの入門モデルという位置付け。欧州のヘルメットは高額なイメージがあるが、日本仕様は単色で約3万円、グラフィックモデルでも約4万円の買いやすい価格を実現している。
また、海外ブランドのヘルメットは、日本人の頭にフィットしないケースもままあるが、本作は独自の内装で日本向けに最適化。実際に被ると、後頭部を含めて面でホールドされ、全く違和感がなかった。
そして軽さに驚いた。首を動かすのがラクで長時間でも疲れにくい。帽体は高強度サーモプラスチック製。厳しい欧州安全規格”ECE2206″をパスしており、安心感は高い。
さらに空力性能も良好だった。100km/hではしっかり安定し、首振りでの左右確認も容易だ。周囲の音がよく聞こえるタイプながら、不快な風切り音もない。なお、付属チンカーテンを装着すると静粛性が増し、巻き込み風をほぼ完璧に防ぐ。
換気性能も優秀で、特に口元にはダイレクトに走行風が入って快適。口元中央のスイッチでシールドを微開状態に維持できるのも便利だ。
[△] マウスシャッターの開閉に慣れが必要か
口元ダクトのスイッチがチンガード裏側にあり、やや操作しにくいといえるか。
[こんな人におすすめ] 安価なのにカッコイイ! ロッシ好きにも
緊急時に頬パッドを瞬時に外せるシステムなど、単色で約3万円とは思えないほど装備が充実。最上級モデルをイメージした帽体も大いに魅力的だ。特にロッシモデルを安価に入手したい人には最良の選択肢となるだろう。
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