かつてバイク乗りたちのロマンをかき立てた「最速」の2文字。メーカーは威信をかけ、ライダーはプライドをかけてこの戦いに挑んだ。未知の速度域を手中に収めるには、持てる技術のすべてでは不足。持たざる技術が次々に開発された時代だ。本記事では、CB900Fをベースに超急ピッチで開発されたホンダのCB1100Rを取り上げる。※本記事はヤングマシン特別号 青春単車大図鑑からの転載です。
●文:ヤングマシン編集部
- 1 ホンダが本気で勝ちにいったマシン【ホンダ CB1100R】
- 2 ホンダ CB1100Rの系譜
- 3 ホンダ CB1100R 派生モデル
- 4 [連載]青春名車オールスターズに関連する記事
- 5 [’88-]ホンダ XLV750R/XL600Rファラオ:灼熱を疾走する強烈な赤エンジン【青春名車オールスターズ】
- 6 [’88-]ホンダ アフリカツイン:浪漫の塊だった”パリダカ・レプリカ”【青春名車オールスターズ】
- 7 [’89-]カワサキ ZXR750:現代のカワサキSSの源流【青春名車オールスターズ】
- 8 [’94-]ホンダ RVF/RC45:V4レプリカの極致【青春名車オールスターズ】
- 9 [’87-]ホンダ VFR750R:すべてに妥協のない”RC30″【青春名車オールスターズ】
- 10 [’85-]スズキ GSX-R750:衝撃の超軽量ビッグレプリカ【青春名車オールスターズ】
- 11 [’89-]ヤマハ FZ750:勝利のための”5″バルブ【青春名車オールスターズ】
- 12 [’89-]カワサキ ZXR400/250:満を持して登場したカワサキのリアルレプリカ【青春名車オールスターズ】
- 13 人気記事ランキング(全体)
- 14 最新の記事
ホンダが本気で勝ちにいったマシン【ホンダ CB1100R】
ホンダにおけるステイタスシンボル、もしくはそのブランドイメージをより強固にする旗艦モデルとして開発されたCB1100R。ホンダが自社の威信を賭けるとすれば、本機でのレースの勝利も必然。開発段階からこの事が強く意識され、その年のプロダクションレース出場も早くから決められていた。
ベース車として選ばれたのは、バランスのよさに定評があったCB900F。エンジンは排気量を拡大し、フレームは整備性を犠牲にしてまでも高剛性を追求、専用のディメンションが与えられ、赤塗装で仕上げられた。アルミタンクにFRPのカウルやシングルシートといった装備も、当時の市販車としては非常識な豪華さだった。
開発は’79年末から着手され、デビューレースは’80年10月の豪州カストロール6時間耐久に設定されていたから、その生産が通常では考えられないほどの急ピッチであった事がわかる。これを成し遂げた原動力とは開発チームの熱意だけであったと言うから、これまた驚きである。
実際、ごく初期のロットではカウルの装着が間に合わず、ノンカウルの丸目ライト仕様がデリバリーされた(RB1)ほどだった。こうして戦場に赴いた1100Rは、果たして初陣を制して鮮烈なデビューを飾り、続く生産車には当初の予定通りカウルも備えられ、秋の英国アールズコートショーで正式に発表された。
当初は1000台強の限定販売の予定だったが、好評を受けて翌年型も続投が決定。開発期間の短さから不満の残った部分も改良が加えられ、’82年型、’83年型が完成した。わが国にも相当数が上陸したが、高価な逆輸入車だけに購買層は限られていた。
ベストセラーだとかヒットモデルといった方向は眼中になく、ひたすら最高を目指し必ず勝つ…だからこそ値段も性能も、まさに特別なモデルだったのだ。
ホンダ CB1100Rの系譜
[’81]ホンダ CB1100R RB
[’82]ホンダ CB1100R RC
[’82]ホンダ CB1100R RD
ホンダ CB1100R 派生モデル
[’83]ホンダ CB1100F
[’83]ホンダ CB1100F[北米仕様]
※本記事は“ヤングマシン”が提供したものであり、文責は提供元に属します。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
[連載]青春名車オールスターズに関連する記事
人気記事ランキング(全体)
4気筒CBRシリーズの末弟として登場か EICMA 2024が盛況のうちに終了し、各メーカーの2025年モデルが出そろったのち、ホンダが「CBR500R FOUR」なる商標を出願していたことがわかった[…]
125ccスクーターは16歳から取得可能な“AT小型限定普通二輪免許”で運転できる バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限[…]
電熱インナートップス ジャージタイプで使いやすいインナージャケット EK-106 ポリエステルのジャージ生地を採用した、ふだん使いをしても違和感のないインナージャケット。38度/44度/54度と、3段[…]
第1位:X-Fifteen[SHOEI] 2024年10月時点での1位は、SHOEIのスポーツモデル「X-Fifteen」。東雲店ではスポーツモデルが人気とのことで「とにかく一番いいモデルが欲しい」と[…]
コンパクトな車体に味わいのエンジンを搭載 カワサキの新型モデル「W230」と「メグロS1」がついに正式発表! ジャパンモビリティショー2023に参考出品されてから約1年、W230は白と青の2色、メグロ[…]
最新の記事
- スズキ「Vストローム250SX」と「Vストローム250」は何が違う? 身近な兄弟車を比較!
- 【2024年11月版】150~250cc軽二輪スクーター 国内メーカーおすすめ7選! 125ccの双子モデルからフルサイズまで
- SHOEIがシステムヘルメットのド定番モデル「ネオテック3」に新グラフィック「ANTHEM」を発表!
- SHOEIが「Z-8 YAGYO」を発表! 百鬼夜行をイメージしたバイクパーツ妖怪が目印だ!!
- 【SCOOP!】ついに「GB500」登場へ?! ホンダが海外で商標を出願!
- 1
- 2