●まとめ:沼尾宏明 ●文:沼尾宏明 ●取材協力:SHOEI
Z-8:見事なまでの静粛性と軽い着用感を実現
軽量コンパクトなフルフェイスとして知られるZ-7がリニューアルし、「Z-8」に進化した。’14年発売のZ-7から実に7年ぶりの刷新で、全面的に性能と使い勝手を向上。最上級のXフォーティーンで培ったエアロダイナミズムを筆頭に、ベンチレーション効果/静けさ/デザインなど全面的に魅力が増している。
まず帽体については、従来のAIM構造からXフォーティーンと同様のより軽量&高剛性なAIM+に変更された。Z-8の平均重量はLで1415g(SHOEI発表値)で、実物を手にしても軽い印象を受ける。
さらに、空力と静粛性を徹底して磨いた。走行時の浮き上がりは3%減、前方から押し付けられる力は5.5%減。新設計シールドには風切り音を抑えるボーテックスジェネレーターを導入した。ロックが左側からセンターに変更され、全閉時の密着性が向上したほか、ボリュームを増した頬パッドが風の侵入を抑え、静穏性に貢献する。
被ってみると、実に軽やか。普段SHOEIでLサイズを被る筆者がLを試したところ、特に後頭部のサポート感が厚く、まさに頭に吸い付くような感覚だ。走行すると30km/h程度から額に風を感じる。額の吸入孔は従来の1穴→2穴とし、リヤの排気ダクトも大型化。シャッターの操作が固いのがやや気になるが、換気性能は抜群だ。何より驚いたのは静けさ。100km/hでは平和そのもので、ゴーッという風切り音がほぼなく、チンガードを着用すれば巻き込み風も皆無。確認で首を向けても振られることなく、見事に安定している。この静穏性と空力性能は、現行製品でトップレベルと言っていい。
単色では従来型比で6600円高となるが、その価値は十分あるだろう。約1万円高となるXフォーティーンも候補に入ってくるが、公道がメインの人はZ-8を選んでソンはないハズだ。
カラーバリエーション
Xフォーティーン:狙うは勝利。最高峰のレーシング仕様
同社の最高峰モデルで、200km/h超を想定したエアロスポイラーを他社に先駆けて搭載。額/口元とも上下2段のエアインテークを備え、頬にも風を導入する。内装は前傾度合いに応じて被りの角度を調整可能だ。
GTエア2:バイザーほか旅機能満載の豪華ツアラー
シャープなエアロ帽体に大型のトップベンチレーション、歪みの少ないロングタイプの内蔵サンバイザーを組み合わせたツーリングモデル。専用設計のセナ製インカム(別売)もビルトインできる。
グラムスター:このレトロっぷりで実は高機能
丸いフォルムとシンプルさを追求したネオクラモデル。一方で帽体は軽量コンパクトな最新型で、額に開閉式ダクト、チンガードに開放式の吸気スリットを備える。走行風が帽体内を通り、内部は快適だ。
EXゼロ:往年のフォルムが最新技術で復活
’80年代のEXシリーズをオマージュしたオフ系デザインが特徴。レバー開閉式の内蔵シールドをはじめ、AIM帽体による安全性やフル着脱内装など機能十分だ。
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