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’60ホンダスーパーカブC100徹底改造レポート【ロングストローク化計画進行中】

本来よりもサイズダウンしたセルフロックのUナットを用意して井上ボーリングへ持ち込み、そのネジサイズに合せてクランクシャフトを加工。新規ナットに合せたフックレンチ製作も同時にお願いした。

オリジナルクランクケースのときには加工していたが、ロングストロークエンジン用クランクケースもカムジャーナルの摩耗拡大に対応したブッシュ圧入をお願いした。

カムジャーナル径とケース側内径を測定すると、右クランクケースはクリアランスが1/10ミリ。左ケースは5/100ミリ。やはり右ケースは楕円に摩耗していた。

そもそもクリアランスがギリギリ大き目に加工されている純正クランクケースのカムジャーナルは、オイル交換をしっかりしないと偏摩耗が進んでしまい、メカノイズ=カムギヤの歯打音が気になるエンジンになってしまう。

治具ボーラにワークをセットし、カムジャーナル内径をボーリングヘッドで拡大する。ここに砲金ブッシュを圧入してからジャーナル軸受加工を施すのだ。

双方に抜け止めの段差加工を施し、砲金ブッシュを圧入。その後、ジャーナルクリアランスを4/100 で加工したら、カムシャフトがスムーズに回りガタも無くなった。このスムーズなカム回転によって気になるメカノイズはなくなる。

ディスクの切れがイマイチだった一次クラッチ。滑り症状も出たのでFIモデルのスーパーカブ用クラッチディスクとプレートに交換。OHVエンジン最後期のクラッチユニットをベースにすれば、最新FIカブのクラッチが使える。

初期型C100と言っても、OHVエンジンシリーズの中では最後期のクラッチユニットを流用。その理由は、凸凹形状が現代のスーパーカブ用純正パーツと同じでパーツ流用が可能なためだ。50年以上前のモデルに現代パーツを流用できる。


●取材協力:井上ボーリング ※本内容は記事公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。

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