
MCFAJクラブマンロードレース第3戦(2025年11月9日)。輸入車アンダー400ccモデルで熱き闘いが繰り広げられるクラス「MAX10-Jr」を制したのは、またしてもハーレーダビッドソンX350だった! ライダーズサロン横浜(RSY)所属「ウィズハーレーレーシング」エースライダーとして参戦する宮中洋樹選手は、筑波サーキットでは開幕戦に続き2連勝。X350の実力を見事に証明してみせた!!
●文:青木タカオ(ウィズハーレー編集部) ●写真:栗田 晃、大熊政治、オレンジワークス ●外部リンク:MCFAJ、MAX10GROUP
レース当日は残念ながら雨
雨の中おこなわれたMCFAJクラブマンロードレース第3戦(2025年11月9日)。レース経験の浅いボクたちウィズハーレーレーシングのメンバーは苦戦を強いられた。
その日、筑波サーキットは朝から分厚い雲に覆われ、細かな雨が絶え間なく路面を濡らしていた。コンディションは最悪。視界もグリップも奪われる、ライダーたちにとって厳しい1日であった。
雨が降ったら中止? そんなはずがない。ライダーはレインタイヤを選択するか、あるいは趣味として楽しむサンデーレースであれば、出走そのものを見送ることもある。走るか否か、その判断はあくまで各自に委ねられている。
ボクたち『ウィズハーレーレーシング』5名がエントリーしたのは、MCFAJ クラブマンロードレース。日本で最も長い歴史を持つアマチュアレースのひとつであり、その中のMAXシリーズは“外車メーカーによる大人のレースごっこ”をコンセプトにしている。
クラス分けはラップタイムによって行われ、1分10秒を切ると卒業となるMAX10、1分6秒までのMAX6、さらに1分4秒までのMAX4などと、段階的にステップアップしていく仕組みだ。つまり、経験や技量に関係なく、誰もが同じ舞台で“レースごっこ”を本気で楽しめる懐の深さがある。
とはいえ、いざグリッドに並べばそれは紛れもない真剣勝負。遊びの延長線上にあるとはいえ、安全も結果もすべて自己責任となる。
とりわけ舞台となる筑波サーキット2000は、全日本選手権も開催される本格的なテクニカルコース。言うまでもないが、レースに出場するからには気を引き締めなくてはならない。
経験豊富な宮中が圧勝!
ウェットコンディションでも、ハーレーダビッドソンX350にて安定した走りを見せた宮中さん。見事、優勝だ!
ボクを筆頭にウィズハーレーレーシングのメンバーは、ロードレースに関してはほとんどがビギナー。雨への備えは十分とは言えず、それぞれが事前にできることといえば、「どうか晴れてほしい」と天気予報を見て願うことくらいだった。
迎えた当日、無情にも降り続く雨。ピットには焦りと混乱が広がっていた。
そんな中、ただ一人、この状況を織り込み済みで準備を整えていたライダーがいた。経験豊富なエース、宮中洋樹さんだ。
マシンにはすでにレインタイヤが装着され、雨への対策は万全。さすがとしか言いようがない。
宮中さんはライダーズサロン横浜(RSY)からホンダCBR250RRでJP250筑波ロードレース選手権に参戦し、2023年にはシリーズチャンピオンを獲得している実力者。
予選で2番手につけると、決勝では冷静かつ的確なレース運びで主導権を握り、独走状態へ持ち込む。そのままチェッカーフラッグを受けた。
排気量400cc以下のインポートモデルで争われる「MAX10-Jr」クラス。その開幕戦を制していた宮中さんは、春と秋で行われる筑波サーキットでは2連勝を達成した。
ハイスペックな欧州車勢を相手に、連続して表彰台の真ん中に立つ。この結果は、ハーレーダビッドソンX350のポテンシャルを、サーキットという極限の舞台で証明した瞬間でもあった。
まぐれではないことを証明した
MCFAJクラブマンロードレース2025第3戦 MAX10-Jrクラス、表彰台の真ん中に立ったのはX350で走る宮中さんだった。
レース後、宮中さんに勝因と今後の目標を尋ねると、こう答えてくれた。
「雨でのレース経験と、セットアップの積み重ねがすべてです。X350は車重がある分、レインでは有利に働く面があります。自然に荷重がかかり、タイヤのグリップを引き出しやすい。今回はヘビーウェットでしたが、その特性をうまく活かせました」
「軽量な欧州スポーツ勢は、逆に難しかったと思います。今回“もう1勝”という目標を達成できたことで、X350がまぐれではなく“勝てるバイク”だと証明できました。次は1分10秒台、ドライでの完全勝利。そして再戦を誓ったライバルに勝つことも目標です」
宮中さんは3連勝をかけて、MCFAJクラブマンロードレース2026 開幕戦へ挑んだ。そのレースレポートはまた後日、ここでお伝えしよう。
みんなで走れた! これがいちばんの成果
雨が降っても楽しく走れた! これがいちばんの成果だ。
一方で、他のメンバーたちもそれぞれに雨のレースを楽しんでいた。ハーレーダビッドソン X350に乗る“抹茶いぬ”こと越山大地さんは、排水性に優れたスポーツタイヤを準備し、紅一点のサーキット女子“ポポちゃん”こと尾西まりこさんも前日にレインタイヤを確保。経験値の差はあれど、それぞれがこの過酷な状況に真正面から向き合っていた。
そして、もっとも“らしい”ドタバタ劇を演じていたのが、筆者(青木タカオ)だ。当日になってサーキットでのタイヤサービスの存在を知り、「せっかくだから」とX500へのレインタイヤ装着を決断。X350に乗るチームメイト、ミヤシこと宮下豊史を巻き込みながら、レース直前まで慌ただしく準備を進めることになった。
ピットクルーたちの献身的なサポートもあり、なんとか予選、そして決勝にも出走できた。綱渡りのような状況を乗り越えてステーティンググリッドに立った瞬間、胸に込み上げてきたのは嬉しさと仲間たちへの感謝の想いであった。
レースは個人競技でありながら、決して一人では成立しない。その当たり前の事実を強く実感できた。仲間とともに走れたこと、それ自体がもうひとつの勝利だと思っている。
そしてハーレーダビッドソン X350とX500は、そのかけがえのない瞬間を確かに叶えてくれたのだった。
初めてのレインタイヤ
青木タカオと宮下豊史はブリヂストンのタイヤサービスにて、レインタイヤを購入。雨のレースをより安全に走ることができた。
スポーツタイヤは、トレッドが暖まることでゴム質が柔らかくなり、小さな凸凹にも追従して高いグリップ性能を発揮する。
低温ならばゴム質が硬くなり、グリップ性能はガタ落ち。また、排水のためのグルーブ(溝)もほとんどない。
競技用のレインタイヤには、細かいピッチでたくさんの深い溝が彫られ、排水効果が高い。そして冷たくても粘着質で、触れた面をペッタリと包み込むかのようなコンパウンド(ゴム質)を持っている。
今回、ブリヂストンのタイヤサービスにて『RACING BATTLAX W01』を購入。初めて履くタイヤで、どう走ればいいのかわからない。それでも、ウェット路面における安心感は高く、無事にレースを走り切ることができた。
新勢力を猛アピール!?
ハーレーダビッドソンの大きなテントが、ウィズハーレーレーシングのピット。
ハーレーダビッドソンの大きなテントが筑波サーキットのピットで、僭越ながらも今回また目立った。雨を凌ごうと肩を入れると、ずらっと並んだX350&X500が視界に飛び込む。
「これがウワサのモデルです!!」と、スポーツライディングを楽しむ熱きレース派ライダーたちに、強烈にアピールしてきたぞ。ウィズハーレーレーシングでは、一緒にスポーツ走行を楽しみ仲間を大募集中だ。
サーキットではまだ新参者のハーレーX350&X500。
ズブ濡れのサーキットもX350&X500でレースを満喫!!
スタート前の様子を見ても分かる通り、たくさんの人たちが助けてくれたこそ、こうして走り切ることができた。この場を借りて、ウィズハーレーレーシングからお礼を申し上げたい。本当にありがとうございます!
宮中さんのレース活動を支えているのは、百戦錬磨のレース仲間たち。間近で見ていると学ぶことばかりであり、ウィズハーレーレーシングのお手本としている。
メンバーみんながまた素晴らしい経験を積み、確かなステップアップを果たした今回の一戦。厳しいコンディションだからこそ得られた経験は、次へとつながる大きな財産となったに違いない。ウィズハーレーレーシングの挑戦は、まだ終わらない。
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