
250ccを思わせる車格と水冷2スト最強パワーに前後18インチの本モノ感!
1979年、ホンダはライバルの2ストメーカーに奇襲ともいえる2スト50ccの、まだレプリカとは言われてなかったもののレーシーなパイプフレーム・マシン、初の2ストスポーツMB50を投入した。
2ストのほうがパワーを稼ぎやすい小排気量の50ccクラスでさえ、4ストメーカーであることを守り通してきたホンダが、いきなりの方針転換に周囲は焦り狂った。
もちろんこれに対抗して、スズキもヤマハも2スト・スーパースポーツをパワフル・チューンで対抗、一躍ゼロハン・ブームが巻き起こるきっかけとなった。
2スト後発のMB50に7.0PSを許したライバルたちは、当然これを超えるパワーを稼ぎ、トップスピードも90km/h到達が常態化し、巷では3ケタ可能が囁かれるエスカレートぶり。
これに負けじとホンダがリリースしたのが1982年のMBX50だった。
エンジンは水冷にリードバルブ……世界GPで急遽2ストNS500開発で瞬く間にライバルを追いついたホンダの急先鋒ぶりを象徴するかのような、まさにGPマシンからのフィードバック満載。
そのリードバルブは、整流板を上下各2枚の四葉式にすることで混合気の流速を高め、吸気効率を向上させる繊細な仕様と、先行2ストメーカーに追いつき追い越しにかかっている勝負強さを漂わせる7.2PS/8,500rpmを誇った。
フレームもパイプを組んだセミダブルクレードルの50cc用とは思えない本格的な構成で、ステアリングヘッドまわりに高張力鋼板を使用する250ccクラス並みのクオリティを奢っていた。
リヤサスはもちろん当時の最新プロリンク、前後ホイールもコムスターと、ホンダの250~400のスーパースポーツと同じ仕様に身を包み、50ccとは思えない贅沢さでライバルを突き放していた。
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