
ボルトやナットを車体の内側に落としたら、“行き先”を推測することが重要。床や地面まで落ちたのか、車体のどかに引っ掛かっているのかで対応は異なる。キャブレターの下やアンダーカウルの内側など、手が届かない場所に落ちたボルトや部品は、ピックアップツールがあれば回収にかかる時間や手間を大幅に軽減できる。先端が爪かマグネットか、軸部分がロッドかフレキシブルかなど、ピックアップツールにはさまざまな種類と得意な状況がある。代表的な製品を紹介するので、いざというときに慌てたり時間を浪費しないために、もあらかじめ手元に準備しておこう。
●文/写真:モトメカニック編集部 ●外部リンク:アストロプロダクツ ストレート ワールドインポートツールズ横浜
【ストレート】金属以外も拾える4本爪。マグネットタイプはスリムな先端が魅力
「38-457」は、耐荷重700gのマグネットと4本の爪、暗い部分を照らせるLEDライトが付いたフル装備モデル。爪があれば非磁性の樹脂ワッシャーも拾えるので汎用性が高まるが、内蔵LEDのため先端部分の直径は15mmとなる。一方、シンプルな「19-2295」の先端径はφ6.5mmとスリムなので、狭い場所に届きやすいのが強み。各々のシャフト長は490mmと400mm。
【ストレート ピックアップツール マグネットタイプ 19-2295/LEDライト付き 38-457】●ストレート会員価格:800円/1540円
38-457はグリップ部分にLEDライト用電池(LR44×3)を内蔵。フレキシブルシャフトは曲げた状態を維持でき、4本の爪がスムーズに開閉する。ただし小回りが求められる場面では、マグネットが細く短い19-2295の方が使い勝手が良いこともある。
【ストレート】オイルやガソリンに浸かった部品や熱いパーツを拾うのに便利
ピックアップツールは手元から離れた場所の部品を拾う工具という思い込みを払拭する、シャフト長100mmほどのショートタイプ。ラジオペンチより狭い場所に入り、ピンセットより保持力が強いため、想像以上に汎用性が高い。日常使いを意識したペンクリップ付き。
【ストレート ピックアップツール ショートタイプ 19-4109】●ストレート会員価格:1150円
φ7mmのスチール製パイプをガイドとして、3本の爪が開く。全開にすれば直径20mmほどの部品をキャッチできる。手元の物を拾うには、短い方がコントロール性が良くなるのは当然だ。
オイルに浸ったドレンボルト/ガソリンに沈んだジェット/熱いスパークプラグなど、素手で触りにくい部品をつまむ際に重宝する。爪が柔らかいので、ラジオペンチで掴むより相手を傷つけにくい。
【スタビレー&SNAP-ON】コンパクトに収納できるのがテレスコピックタイプの強み
ワールドインポートツールズ横浜で見つけたスタビレー製マグネットキャッチの引き上げ能力は、「12600-500G」が500g、「12600-270G」が270gと、スリムなわりに力持ち。特に12600-270Gは、先端マグネット径φ5mmに対してシャフトがφ3mmで柔軟性も高く、狭く複雑な場所にも届きやすい。伸縮タイプのSNAP-ON Blue-Point製は、最短140mmに縮み携帯性に優れるのがポイント。
【スタビレー フレキシブルマグネットキャッチ12600-500G/12600-270G】●ワールドインポートツールズ横浜販売価格:7066円/2217円 【SNAP-ON Blue-Point 伸縮式マグネットピックアップツールオレンジ PHT50R】●同販売価格:2310円
12600-270Gのシャフトはしなやかで、小さな半径でクネクネと曲げながら使える。ボルトナット程度であれば、シャフトが重さに負けて曲がりっぱなしになることはない。
ピックアップツールは多くのメーカーから販売されているが、ワールドインポートツールズ横浜ではスタビレー製が人気。グリップ部に最大荷重を書くのがドイツ工具らしい。
ロッドアンテナのように最長648mmまで伸びるSNAP-ON Blue-Point製は、着脱式の磁力カットカバーがあり、これを被せると横方向に着かず、目標物まで一直線に到達できる。
【アストロプロダクツ】4本爪にマグネット。LEDランプまで付いたフル装備
先に紹介したストレート製品と同様に、先端にマグネットと4本爪とLEDライトを内蔵した多機能タイプ。小さなボルトナットを探す際は、広範囲を一気に照らすより範囲を限定したピンスポットライトの方が見つけやすいこともあり、シャフトの先端が光るのは有効だ。全長620mmでシャフトは手を離すとまっすぐに伸びる仕様。
【アストロプロダクツ ピックアップツール 1LED&マグネット】●価格:1089円
LEDライトスイッチは爪開閉ボタン部分にあり、必要に応じて点灯できる。φ15mmの先端部分に内蔵されたドーナツ形のマグネットの耐荷重は約400g。フレキシブルシャフトから手を離すと伸びるのは、爪タイプのピックアップツールでは一般的だ。
【アストロプロダクツ】可動式ヘッド仕様の強力磁石を装備
約2.5kgという驚異的な吸着力を発揮する強力磁石が特長の伸縮式ツール。最長875mmまで伸びる全長は、今回紹介する中で一番のロングタイプで、ヘッド部分が180°首振りできるので狙いを付けやすいが、高荷重時のロッド破損に要注意。車のエンジンルーム内で落とした部品や工具を引き上げるのにも重宝する。
【アストロプロダクツ マグネットピックアップバーDX】●価格:935円
ロッドアンテナのように伸ばすと900mm近くになる長さが大きな武器となる。強力な磁石があちこちに張りつかないよう、外周には磁力を低下させるカバーが付く。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
バイクいじりの専門誌『モトメカニック』のお買い求めはこちら↓
モトメカニックの最新記事
歴史的な価値のあるパーツに使われることが多いマグリコート ホイールやエンジンカバー、といっても一般的な市販モデルではなく、アフターマーケットパーツやレース用のホイールやカバー類に使われることの多い、マ[…]
走行回数の多さと模擬レースのセットでコストパフォーマンスの高さは折り紙付き 絶版車やクラシックマシンでサーキットを走行してみたいが、レースに参戦するほどではない。あるいはクラシックレースにエントリーし[…]
エアインパクトレンチ:手のひらに収まるサイズで500Nmを発揮。狭い場所で活躍する力自慢 ガレージにエアコンプレッサーを導入したら、まず揃えておきたいのがエアブローガンとエアゲージ、そしてインパクトレ[…]
創業60年以上の老舗メーカーの強力アルカリクリーナーに注目 モータリゼーションの先進国・アメリカでは早くから洗車やディテーリング産業が確立しており、より短時間で効率よく愛車を輝かせるためのケミカル製品[…]
ソケットセット:ツールキャビネットの引き出しにそのまま収まるトレイ付きZ-EALセット ラチェットハンドルもソケットも、専門メーカーのノウハウを注入して開発されたZ-EAL。その代表的アイテムをセット[…]
最新の関連記事(工具)
【ご注意】本記事は、エンジンオイルの過剰注入がエンジンに与える影響を確認するための実験であり、一般使用車両での実施や再現を推奨するものではありませんのでご了承ください。 オイルの規定量は守らなくちゃイ[…]
エアインパクトレンチ:手のひらに収まるサイズで500Nmを発揮。狭い場所で活躍する力自慢 ガレージにエアコンプレッサーを導入したら、まず揃えておきたいのがエアブローガンとエアゲージ、そしてインパクトレ[…]
ソケットセット:ツールキャビネットの引き出しにそのまま収まるトレイ付きZ-EALセット ラチェットハンドルもソケットも、専門メーカーのノウハウを注入して開発されたZ-EAL。その代表的アイテムをセット[…]
動きが渋い鍵穴に潤滑剤はNG! ・・・の前に ちょっと前に「キーの回りが渋くなってきた鍵穴に、潤滑剤を吹きつける(注入する)のはNG!」という情報がネット上で広く流れました。その理由は一時的に動きが滑[…]
フレーム/スタンドの別体構造と自在キャスター装備で自由に移動できる 向山鉄工のオリジナル製品である「ガレージREVO」は、バイクスタンドに自在キャスターを取り付けることで、スタンドアップしたバイクを前[…]
最新の関連記事(メンテナンス&レストア)
【ご注意】本記事は、エンジンオイルの過剰注入がエンジンに与える影響を確認するための実験であり、一般使用車両での実施や再現を推奨するものではありませんのでご了承ください。 オイルの規定量は守らなくちゃイ[…]
旧車の開発に使われた”鉱物油”にこだわる 1992年に創業した絶版車ディーラーのパイオニア・ウエマツ。販売だけでなく、整備にも徹底して力を注いできた同社がそのノウハウをフィードバックし、旧車に特化した[…]
シュアラスターの「バイク洗車図鑑」 バイクが違えば洗い方も変わる! 車種別の洗車情報をお届けするシュアラスターの「バイク洗車図鑑」、今回は大ヒット街道まっしぐら、女性人気も高いホンダ「レブル250(S[…]
エアインパクトレンチ:手のひらに収まるサイズで500Nmを発揮。狭い場所で活躍する力自慢 ガレージにエアコンプレッサーを導入したら、まず揃えておきたいのがエアブローガンとエアゲージ、そしてインパクトレ[…]
ソケットセット:ツールキャビネットの引き出しにそのまま収まるトレイ付きZ-EALセット ラチェットハンドルもソケットも、専門メーカーのノウハウを注入して開発されたZ-EAL。その代表的アイテムをセット[…]
人気記事ランキング(全体)
【ご注意】本記事は、エンジンオイルの過剰注入がエンジンに与える影響を確認するための実験であり、一般使用車両での実施や再現を推奨するものではありませんのでご了承ください。 オイルの規定量は守らなくちゃイ[…]
インフレの今、価格破壊王のワークマンがまたやってくれた! 春から初夏にかけ、ツーリングのシーズンがやってきた。爽やかな空気を全身に浴びてのライディングは最高だ。しかし…この期間はジメジメ・シトシトの梅[…]
その姿、まるでGB400TT MkIIの正統後継者! 欧州ホンダは、2025年も例年通りカスタムコンテスを開催。これは正規ディーラーがホンダ車をベースにカスタムを手がけ、オンライン投票で最優秀マシンを[…]
圧倒的に軽いCB1000Fコンセプト。足着き性も良好だ CB1000FコンセプトをCB1300スーパーフォアと比較すると、前者の方がコンパクトで引き起こしも圧倒的にラク。ただ跨ってみると意外と大柄な印[…]
フェイスリフトと前後サスペンションの再設定 ホンダが「XL750トランザルプ」の国内2025年モデルを発売する。CB750ホーネットに似た2眼ヘッドライトを新たに採用し、センターダクトを設けたウインド[…]
最新の投稿記事(全体)
1位:CB400FOURは前期型→後期I型/II型でなにがちがう? 1974年に初登場したホンダCB400フォアは、初代とそれ以降でなにが違うのかを紹介した。ご存じ初代モデルは全車408ccのために発[…]
“Neo Retro”ロードスポーツ:2016年モデル 発売は2016年4月15日。現代的ストリートファイターのMT-09をベースに、アルミタンクカバーなど金属の質感を活かした専用外装などでネオレトロ[…]
2003年モデル概要:MotoGP直系の先進技術を取り入れたSSとして登場 2003年当時、最先端のMotoGPマシンだった「RC211V」で培った先進技術とスタイリングを随所に取り入れ開発された。初[…]
歴史的な価値のあるパーツに使われることが多いマグリコート ホイールやエンジンカバー、といっても一般的な市販モデルではなく、アフターマーケットパーツやレース用のホイールやカバー類に使われることの多い、マ[…]
ネオクラシックながら”新しさ”で対抗 ヘリテージやネオクラシックと呼ばれるカテゴリーで、登場以来絶対的な人気を誇るカワサキのZ900RSシリーズ。現代スポーツネイキッドをベースに、名車Z1を絶妙にアレ[…]
- 1
- 2