
レオンアートやBSAなど外国車の輸入販売で知られるウイングフット(東京都足立区)より、中国の新興ブランドBENDAの軽二輪クルーザー「ナポレオンボブ250」を輸入することが(ほぼ)決まったと報せがあった。さっそく試験的に導入した車両を取材してきたぞ!
●文/写真:ヤングマシン編集部(ヨ) ●外部リンク:ウイングフット
新進気鋭のクルーザー専業ブランドから日本市場に刺客!
成長著しい中国ブランドから、またしても新顔が日本市場にお目見えしそうだ。輸入を手掛けることになるウイングフット(東京都足立区)が「導入ほぼ確定」という段階で取材させてくれたのは、ほぼクルーザー専業(1車のみネイキッドあり)のBENDA(ベンダ)から新登場したばかりの「Napoleonbob 250(ナポレオンボブ250)」、その国内導入第1号車だ。
まだ試験入荷の段階で、これから日本市場への適合をチェックしてナンバーを取得したのち、本格導入を進めていくつもりだという。
BENDA Napoleonbob 250
BENDAとは、2016年に設立された杭州サターンパワーテクノロジー社 が展開するブランドで、2017年にエンジン部門を設立し、中国とオーストリアにそれぞれ工業モデリングデザインとエンジニアリングR&Dのオフィスを設置設置している。
本格的に車両を発売したのは2020年以降だが、クルーザーを中心にネイキッドバイク、さらにはATVやサイドバイサイドも製造。中国や欧州では新進気鋭のメーカーとして、ほかにないデザイン性、そして249~475ccのVツイン、496.4ccのV型4気筒エンジン、さらには676ccの並列4気筒エンジンで攻勢をかける。
ナポレオンボブ250は、水冷250cc・V型2気筒エンジンを搭載するクルーザーの最新モデル。2024年春に本国で発表されたもので、ウイングフットは発表から一週間後には日本導入に向けた話をし始めたという。欧州への初登場は同年秋のEICMAだ。欧州で販売できるよう、すでにユーロ5+に準拠していることもあって、日本導入に向けての障壁は低そうだ。
詳細は未公表だが、挟み角は60度近辺と思われる水冷Vツインエンジン。
挟み角60度前後と思われるVツインは4バルブヘッドに圧縮比11.8:1、最高出力は25.8ps/9000rpm、最大トルクは2.55kg-m/5500rpmを謳う。実際にエンジンをかけてみることもできたが、強調された吸気音やハスキーな排気音、それに比べて静かなメカノイズも相まって、一定以上の加工精度を持った工業製品という印象を受けた。中国製ということで少しガシャガシャした雰囲気を予想していたが、それはもうひと昔前のものなのかもしれない。
スロットルレスポンスもよく、低回転からしっかりトルクが出ていそうな雰囲気だ。また、始動した直後から安定してアイドリングするのも、国産では当たり前かもしれないが、中国製にややガサツなイメージを持っていた筆者としては印象的に感じられた。
アイデア満載の機能を盛り込んだ車体まわり
見た目も“怪クルーザー”と呼びたくなるほど特徴的だが、それを形成しているのはマルチリンク式のフロントサスペンションや、リヤタイヤがほぼむき出しに見えるほどのショートフェンダーなど、思い切った造りによる機能とデザインの融合だ。
250ccクラスとは思えないたたずまいのナポレオンボブ250。
フロントサスペンションは、詳細は公開されていないもののスプリングを仕込んだテレスコピックフォークをスライダーとして使いながら、沈んだときに伸びる方向に動くダンパーが左右フォークに減衰力を与える構造に見える。外見だけでデザイン性以外の具体的なメリットを読み解くのは難しいが、手押しした感じでいえば軽二輪クラスとしては減衰力に余裕がある印象だったのは、ダンパー機構が独立しているためだろうか。また、構造的にバネ下重量の増大は小さそうなので、デメリットもそれほどないと思われる。ステアリングを左右に切った際の慣性モーメントは少し多めに感じられた。
組み合わされるフロントブレーキはシングルディスク+ラジアルマウント4ピストンキャリパー。前後ABSももちろん装備している。フロントにバイアス、リヤにラジアルを採用したブロック調のタイヤはCST(台湾のチェンシンゴム工業の子会社)製だ。
リヤサスペンションも面白い。リジッドサスペンション風のリヤアームの中にリンク式の2本ショックをマウントするような構成で、シートに体重を預けて沈めてみた感じではストロークが短く減衰力は強め。おそらく、リヤにしっかりとした蹴り出し感やトラクション感を与えつつ、フロントで衝撃を逃がす考え方なのだろう。シートもこんな見た目のわりには吸収性があり、乗り心地も期待できそうだ。
スイングアームピボットからリヤアクスルまでまっすぐ伸びるパイプがなく、上段と下段のパイプで三角形を織りなすような形状、またスイングアームマウントのナンバープレート&ウインカーホルダーも特徴的だ。
ハンドル幅はやや広め、シート高は足着きに安心できる低さで、ステップ位置はフォワード気味。1人乗り専用のシートはクッションが薄そうな見た目だが、そこそのの吸収性が期待できそう。ハンドル切れ角はやや少なめだろうか。バーエンドミラーやレバー&ペダル類も建て付けはしっかりしている。押し歩きした印象では、個性的すぎる見た目や太めのフロントタイヤから受ける印象に反して普通に走れそうに思えた。このあたりは、近日中にナンバーを取得する予定というから試乗が楽しみである。
円形TFTメーターも印象的だった。ステアリングヘッド左側にあるイグニッションキーを回すとオープニングアニメーションに続き、アナログメーターっぽい画面が表示される。オド&トリップのほか燃料残量計やギヤポジションインジケーター、そしてTCS(トラクションコントロールシステム)やABSの表示も。いかにも視認性がよさそうな明るさだ。
面白いのは、外周に速度を表示する指針式のスピードメーターと、速度目盛りの内側を小さな玉が移動するように表示されるタコメーターのハイブリッドデザイン。これを言葉だけで説明するのは難しいので記事末の動画をぜひご覧いただきたいが、回転はあくまでも目安ということで数字を表示せず、でも雰囲気はきっちり表現したいという製作者のイメージが見て取れる。
エンジンのコーションマークが点灯しているほうが始動前、もう一方が始動後で、速度を指す針の中央付近にある小さい玉のような点が動いているのがお分かりだろうか。これが回転を指しているわけだ(詳細は記事末の動画参照)。
ウイングフットによれば、今後のスケジュールとしてはまずナポレオンボブ250をしっかり日本市場に導入できるようBENDA側と調整していき、正規ディーラーを置くというよりは業販のような形でスタートするかもしれない、とのこと。そして日本でも安定したブランド力が見込めるようになれば、他機種の導入も検討することになるだろうという。ただし当面は250ccクラスをメインに見据えており、大排気量クラスについてはまだ考える段階にないとのことだった。
ナポレオンボブ250の価格は90万円程度になりそうだという。軽二輪クルーザーと考えれば大衆性のある価格帯とは言い難いが、これはそういう万人向けを狙ったバイクではないだろう。ほかにないデザインとメカニズムは「高くても他人と違うものに乗りたい」というマイノリティ好きの心に刺さるに違いない。
試乗インプレッション記事は近いうちにお届けできるはず。その後の導入については続報をお待ちいただきたい。
BENDA Napoleonbob 250
主要諸元■全長2333 全幅838 全高1038 軸距1545 最低地上高120 シート高748(各mm) 車重182kg■水冷4ストロークV型2気筒DOHC4バルブ 249cc 25.8ps/9000rpm 2.55kg-m/5500rpm 変速機─ 燃料タンク容量9.5L■ブレーキF=φ320mmディスク+4ポットキャリパー R=φ260mmディスク+2ポットキャリパー タイヤサイズF=130/80-18 R=160/70R18 ※諸元はグローバル仕様
BENDA Napoleonbob 250
BENDA Napoleonbob 250
BENDA Napoleonbob 250
BENDA Napoleonbob 250
【動画】V型2気筒 軽二輪のBENDA「ナポレオンボブ250」のエンジン始動と車体チェック
【動画】ウイングフット公式──BENDA NAPOLEON250
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