実勢1万5千円!リード工業の本気システムヘルメット レイゼン
レイゼンの機能
レイゼンを一言でいえばインナーシールド付きのベーシックなシステムヘルメットといったところ。
インナーバイザーは左側下淵の赤いレバーを操作することで出し入れできます。実際に出してみるとバイザー下淵とノーズガードの上渕が同じぐらいでした。
シールドには強度と柔軟性に優れたポリカーボネイトが採用されており、傷がつきにくいハードコートとUVカットが追加されています。
標準のバイザーはクリアですが、オプションでシルバーミラーが2750円で用意されています。なおアマゾンだとマットブラックのLサイズのみシルバーミラーのセットが設定されていますが、単品で両方買うよりも高いのでご注意。
ベンチレーションは頭頂部と口元に一か所ずつ。
口元のベンチレーションは裏側から見る限りは口元とシールド方向の両方に風が入りそうな印象です。
頭頂部のベンチレーションは開口部が広めなので、しっかり風が取り込めそうですが、この辺りは後ほど実際に走行してチェックします。
アウトレットは後頭部左右に一か所ずつ用意されていて、造形的にはスタビライザーも兼ねていそうですが、控えめなサイズとなっています。
チンオープンは顎の赤いノブを押しながら上にあげる形になります。中途半端に上げると落ちてきてしまうのでカチッと音がなるまで上げるのが必要です。
チンオープン状態で走行している人を稀に見かけますが、基本的にはロックされているとはいえ、落ちてくる可能性もあるのでNGです。
顎紐に関してはラチェットバックル式を採用しています。ラチェットバックルだと位置によって首にあたって気になるものもありますが、こちらは問題なし。
ただ顎紐が細く薄めという事と、外す時に引っ張るストラップがオレンジ色なのが個人的に気になりました。視認性は良いかもしれませんが、バックル同様に赤で良かったような気がします。
ヘルメットホルダー用のDリングは用意されています。
インカムの取り付けに関してはレバーがあるので少々後ろに装着する形になります。また平面ではなくRがついているので、クリップタイプでの装着がお勧めです。
レイゼンの内装
内装はトップ、チークパッド左右、顎紐カバー左右、チンカーテンの計6点が取り外し可能です。
ヘルメットのインプレをすることが多いので、色々なヘルメットの内装を外しますが、外すのにコツがいるものや力や度胸が必要になるものもあります。
レイゼンの内装は経験があまりない初心者ユーザーでも比較的外しやすい設計になっています。特にチンカーテンは左右ははめ込み、中央はボタンで取り付けする形になっており、押し込むタイプの物よりは格段に装着しやすくなっています。
トップ内装は頭に触れる方はクッション性に優れ肌触りの良い素材が採用され、帽体側はメッシュになっているので、ベンチレーションの機能をしっかり生かせそうです。
チークパッドはしっかりクッション性があり、被る時に見える下側には合皮を採用したり、赤いパイピングを入れるなど配慮されています。
こめかみ部分に関してもクッションが厚めに入っているので、ヘルメットを被ってから眼鏡をかけるのは大変です。チンオープン状態で眼鏡をかけて被るのが良さそうです。
内装を外した帽体に目をやるとインカム用のスピーカーホールを発見しました。
スピーカーホールの直径はおおよそ42φ、深さは3mm~4mmといったところなので、大きめのスピーカーだと入りにくいかもしれません。
レイゼンの重さ
今回はレイゼンのMサイズ、マットブラックの重さを測定してみました。結果は1628g。
経験上、ラチェットバックルとインナーシールドを採用した多機能型のヘルメットは1600gぐらい、更にチンオープン機能が追加されたシステムヘルメットは1700g程度の印象があります。
艶消しのカラーに関しては塗装後に必要なクリア仕上げがないため、一般的な塗装に比べて一層少なくなります。
そのためホワイトの方はもう少し重いかもしれません。
※ヘルメットの重さは個体差があります。
レイゼンのフィット感
安価なヘルメットに関してはユーザーがフィット感よりもヘルメットの脱ぎ履きを優先することが多く、メーカーも緩めに作るのがセオリー。
ただレイゼンに関してはリード工業のラインナップの中では少し高価な部類になるためか、フィット感を重視したサイズ感です。
筆者はARAI、SHOEI、KabutoのいずれもMサイズ。普段使っているSHOEIのヘルメットは更に前後左右にフィッティングでクッションを追加しているので、SとMの中間ぐらいという感じです。
今回お借りしたレイゼンのMサイズで緩さを感じませんが、被り口は広めなので顎紐を広げなくても被れました。
チークパッドはしっかりとフィットしますが、圧迫感はないのでインカム通話などで話しにくい事はなさそうです。
YZF-R3に試乗して性能をチェック
今回はYZF-R3に乗って性能をチェックしました。天候は晴れ、風が強い日でした。
シールドはインナーも含めて歪みがなく、視界の広さは一般的なヘルメット同等といったところ。開閉はヘルメット左下の突起を使う形なのでセンターロックが苦手な人は嬉しいはず。
UVカット機能付きのシールドですが、一般的なシールドと色味は変わらずクリアな視界です。
インナーシールドに関してはしっかりと視界全体をカバーしており、高速道路の走行時に太陽に向かって走行しましたが眩しいと感じる事はありませんでした。
しばらく走行した後にベンチレーションを開けてみましたが、パーツが大きいので走行中でも簡単に開けることができました。
頭頂部のベンチレーションは下道での低速走行でも効果を感じることができましたが50km/hぐらいからは特に効果を大きく感じ、高速走行では冬だったこともあり少し寒く感じるほどでした。
口元のベンチレーションに関しては、閉じている際にはチンカーテンが巻き上げの風をしっかりカットしていることもあり、口元が涼しく感じることはありませんでしたが、開けてみたところひんやりと感じました。
ただ頭頂部のベンチレーションと異なり、速度に乗じてどんどん流入量が増える感じではなく、適量が循環する印象です。
静粛性に関しては風が強かったこともあり、下道では判断が難しかったのですが、高速道路を走行してスピードレンジが上がっても下道走行時と大差なかったことから優秀な印象です。
各部エッジが効いたデザインではありますが、走行中に抵抗を感じることもなく、高速道路を法定速度内で走るぐらいなら全く問題ありません。
実勢価格が安すぎる!
この性能と質感ならメーカー希望小売価格の2万7500円でも決して高くはありませんが、実勢価格の1万5000円はコスパ最強。
特徴としてはシステムヘルメットのわりに軽量なのでKabutoのRYUKIに似ています。
RYUKIが欲しいけど予算オーバーという人もおすすめです。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
あなたにおすすめの関連記事
初めてヘルメットを買ったのは、大学通学用の50㏄スクーター購入時。 お金がない大学生が、スクーター用のヘルメットを買おうとすれば安価なハーフタイプになります。 当時近くのバイク用品店で購入したのがリー[…]
以前アストンヘルメットのGT-1000Fを紹介しました。カーボン+特殊塗装を採用しながら2万8,800円という価格に驚かされました。 そんなアストンヘルメットのラインナップをチェックしていると、トリコ[…]
バイク業界で働き始めて10年以上たちますが、コミネがヘルメットを販売していることを知ったのは2022年、つまり去年の事です。 初めてコミネのヘルメットに触れたのはスポーツジェットタイプで、youtub[…]
スペイン、バルセロナを拠点にするヘルメットメーカーLS2はコスパに優れた製品をラインナップしています。 カーボンを採用したレーシングヘルメットが7万8650円。同じくカーボン採用のツーリングヘルメット[…]
構造が複雑でパーツ点数が多いシステムヘルメットは重い。慢性的に首や肩凝りに悩まされるライダーにとっては無縁なものという印象でした。 インプレッションなどで一時的に借りて便利だなと感じることはあっても、[…]
最新の関連記事(ヘルメット)
リアル巨摩郡レプリカの「X-Fifteen グン」 SHOEIから2024年7月19日に発売された“バリ伝レプリカ”の2種類は、いずれも2024年9月30日までの受注期間限定。迷っていた方はお近くの正[…]
アメリカ国旗をモチーフとする本格オフロード用フルフェイス モトクロスやエンデューロといったオフロードレース参戦に最適で、林道ツーリングでも重宝する本格派オフロードフルフェイスのグラフィックモデル『VF[…]
ジャンアントニオ選手のレプリカ第2弾がX-Fifteenに新登場 X-Fifteenに追加されるレプリカモデルは、ファビオ・ディ・ジャンアントニオ選手が今シーズンに着用している最新グラフィックだ。ブラ[…]
ダニ・ペドロサのレプリカモデルが最高峰オープンフェイスで登場 中上貴晶選手に続く、VZ-RAMのGPライダーレプリカは、ダニ・ペドロサだ。このグラフィックは’24年7月に発売されたRX-7X PEDR[…]
グレー系が4色展開となり、さらに増えたカラーバリエーション J-Cruise 3はSHOEIオープンフェイスシリーズのツーリングモデルで、第3世代となる最新モデルだ。空力性能を高めて快適性と疲労軽減効[…]
最新の関連記事(バイク用品)
CYBER LEATHER グローブシリーズの特徴 ライダーの基本的な要求である、「怪我から身を守ること」「清潔感を保持すること」「ストレスフリーで快適に走行できること」に基づいて作られたスタンダード[…]
リアル巨摩郡レプリカの「X-Fifteen グン」 SHOEIから2024年7月19日に発売された“バリ伝レプリカ”の2種類は、いずれも2024年9月30日までの受注期間限定。迷っていた方はお近くの正[…]
アメリカ国旗をモチーフとする本格オフロード用フルフェイス モトクロスやエンデューロといったオフロードレース参戦に最適で、林道ツーリングでも重宝する本格派オフロードフルフェイスのグラフィックモデル『VF[…]
ジャンアントニオ選手のレプリカ第2弾がX-Fifteenに新登場 X-Fifteenに追加されるレプリカモデルは、ファビオ・ディ・ジャンアントニオ選手が今シーズンに着用している最新グラフィックだ。ブラ[…]
ダニ・ペドロサのレプリカモデルが最高峰オープンフェイスで登場 中上貴晶選手に続く、VZ-RAMのGPライダーレプリカは、ダニ・ペドロサだ。このグラフィックは’24年7月に発売されたRX-7X PEDR[…]
人気記事ランキング(全体)
タイや欧州、北米で先行発表済みのW230とメグロS1 カワサキモータースジャパンは、新型モデル「W230」と「メグロS1」をタイ、欧州、北米に続き日本でも2024年11月下旬に発売すると発表。これと併[…]
先代譲りの緻密さは最新電脳で究極化?! 旧CB400はハイパーVTECやABSこそあったものの、従来型(NC42)の登場は2007年だけに、近年の最新電脳デバイスは皆無だった。しかし新型CB400は電[…]
1441cc、自然吸気のモンスターは北米で健在! かつてZZ-R1100とCBR1100XXの対決を軸に発展し、ハヤブサやニンジャZX-12Rの登場からのちにメガスポーツと呼ばれたカテゴリーがある。現[…]
エンジンもシャーシも一気に時代が進む 第1回の記事では、新型CB400がトータルバランス路線を取り、77psを発揮するカワサキZX-4Rのような高性能路線には踏み込まない…という情報に対し、プロは「バ[…]
水冷GVシリーズのGV125S/GV300Sに加え、250モデル×3機種を追加 ヒョースンモータージャパンは、新型水冷250cc・V型2気筒エンジンを搭載したクルーザーモデル「GV250」シリーズ3機[…]
最新の投稿記事(全体)
株式投資の本当って何? 株式投資とは、簡単に言ってしまえば「株を売り買いしてお金をふやすこと」です。この売り買いには2つのパターンがあって、短期(1日とか1週間とか)で売買する方法と、企業の成長に寄り[…]
江戸回廊とは、千葉県流山本町にある行灯が灯る町並みのこと 利根川と江戸川を結ぶ、全長約8.5kmの利根運河は人工の河川で、オランダの技術者ムルデルの力を借りて、明治23年(1890年)に開通しました。[…]
みなさんこんにちは、靴磨きしながら愛車のヤマハボルトで日本一周中のいとです! まだ暑さが残る日も続いていますが、涼しい日も多くなり、ツーリングシーズン到来となりました。この時期のおすすめは、なんといっ[…]
各国の手本となるマザー工場・磐田ファクトリー 2024年10月現在、ヤマハ発動機は世界各国に2輪の生産拠点を有しており、その多くが需要伸長の著しい東南アジアに集中している。2023年、ヤマハが全世界で[…]
全国から70名を超えるベネリスタがバイカーズパラダイスに集結 1911年に生まれた、イタリア伝統のメーカーであるベネリ。現在はボルボ、ロータスなどを傘下に収めるGEELYの資本参加を受け、「新生ベネリ[…]