実勢9973円のクラシックヘルメット リード工業RX-200R試用インプレッション

  • 2022/10/31 18:00
  • [CREATOR POST]相京雅行

●文:[クリエイターチャンネル] 相京雅行

初めてヘルメットを買ったのは、大学通学用の50㏄スクーター購入時。

お金がない大学生が、スクーター用のヘルメットを買おうとすれば安価なハーフタイプになります。

当時近くのバイク用品店で購入したのがリード工業のハーフヘルメットでした。

SHOEI、ARAI、Kabutoはハーフヘルメットを作っていないので、原付デビュー時、知らぬ間にリード工業の製品を手に取っている人もいることでしょう。

リード工業がヘルメットの製造、販売をスタートしたのは1965年。57年の歴史がある会社です。

そんなリード工業が1980年代に製造・販売していたRX-200というヘルメットを復刻。ビンテージフルフェイスヘルメットRX-200Rとしてリリースしました。

RX-200Rの付属品

付属品は3点

付属品は説明書、ステッカー、そしてサイズ調整用のスポンジです。

RX-200Rはフリーサイズなので、ブカブカの場合にはサイズ調整用スポンジを貼り付けます。

スポンジにはテープがついているので、内装を外して衝撃吸収ライナーに直接貼り付けます。おでこ回りから貼っていくとうまくいきます。

RX-200Rの見ため

現代のフルフェイスヘルメットと比べるとシンプルです。ベンチレーションは用意されておらず、エアロパーツも一切ありません。

古いロゴがクラシック

額と後頭部にリード工業のロゴステッカーが貼られていますが、あえて現在のものではなく当時のロゴが使われています。

淵ゴムが厚くインパクト大

ヘルメットとシールドの間や下淵にゴムが貼られているのは現代のヘルメットとも共通ですが、厚みがあり存在感があります。

シールドベースはなく、ビスで一点止めです

シールドベースはついておらず、内側にゴムワッシャー、プラスチックビスで外から固定する形です。

真鍮っぽいゴールドがクラシック

コインドライバーで外してみると、ヘルメット側には金色のナットが埋め込まれており、真鍮っぽい質感でクラシックなイメージを強めています。

機能性

見た目はクラシックですが、シールドはハイスペック

帽体には軽量なABSが採用されていますが、シールドは強度に優れたポリカーボネイトが採用され、傷がつきにくいようにハードコーティング、更にUVカット効果も追加されています。

シールドは本体にボタンで固定できます

シールドはビス一点止めなので複雑な動きはしませんが、不意に開かないようにボタンで固定することもできます。

アマゾンではダークスモークは見つけられませんでした。写真はスモークスクリーンです

なおシールドは標準はクリアですが、オプションでスモークとダークスモークも用意されています。

ワンタッチバックルは脱着が楽でした

顎紐部分にはワンタッチバックルが採用されリリースボタンを押すことで簡単にヘルメットの脱着ができます。

Dリングでヘルメットホルダーに掛けることも可能です

Dリングもついているので、ヘルメットホルダーなどにかけておくことも可能です。

内装

トップ内装は頭頂部が空いててビックリ

顎紐パッドは脱着できませんが、トップとチークパッドは可能です。

キルティング内装はクッション性もあります

トップは滑りの良い素材が採用されていますが頭頂部が空いています。内装を外したヘルメット側を見てみるとサテンの赤いキルティングが貼られてるのが確認できました。

見た目にもインパクトがありますが、キルティングはしっかりとしたクッション性があります。

チークパッドはオプションで良いので厚み違いが欲しかった

チークパッドはクッションが強めで厚手です。20mmと表記がありましたが、サイズ調整用に30mmや40mmがあると嬉しいかもしれません。

RX-200RとRX-100Rの違い

写真だけではRX-100RとRX-200Rの違いはわかりません

リード工業のホームページを見ると、RX-200Rの他にRX-100Rという製品があり、見た目にはそっくりに見えます。

違いとしては以下の通り。

RX-200R

  • 内装記事はサテンキルティングレッド
  • 顎紐はワンタッチバックル
  • ライディング時の集中力を高めるためにフェイスウィンドウは狭め
  • シェル形状はストレート

RX-100R

  • 内装記事はサテンキルティングブラック
  • 顎紐はDリング
  • 左右の視野範囲が広げられたフェイスウィンドウ
  • シェル形状はボトムが若干狭められている

ウェブページ上で見る限りは違いが殆どわかりませんが、細かい点が異なるので、好みによって選ぶと良いでしょう。

重さ

実測値で1388g

メーターが公表しているのは1400gでしたが、図ってみたところ1388gでした。

フルフェイスヘルメットで1400g前後はかなり軽量です。

サイズ感

RX-200Rはフリーサイズ。そういえば初めて買ったハーフヘルメットも同様でした。

安価なヘルメットを購入するユーザー層は被り心地やフィット感より、ヘルメット脱着のしやすさを重視しているというアンケート結果があるのだとか。

普段Mサイズヘルメットの筆者が被ってみると、かなりブカブカ。チークパッドが頬を圧迫する感じもありません。

インカムなどで通話する際には良いと思いますが、段差などの衝撃でヘルメットがずれるので、普段SやMサイズヘルメットを使っている方はサイズ調整用スポンジ必須でしょう。

オプション扱いでも厚みの違うチークパッドがあると嬉しいですが、価格を考えると難しいのかもしれません。

試用インプレッション

フェイスウインドウは狭さは感じません

RX-200RはRX-100R比でフェイスウインドウを狭くしたとの事ですが、意外と広く感じました。

特に縦幅に関しては、むしろ一般的なフルフェイスと比べても広めと感じたので、フルフェイスの圧迫感が苦手な方も問題ありません。

シールドはボタンで帽体に固定することができますが、馴染むまでは固いのでロック状態だと走行しながら開けるのは大変です。

静粛性に関してはチークパッドがフィットせず、顎下にチンカーテンがないので巻き上げの風がかなり入ってきます。

特に高速道路ではかなり巻き上げの風が入ってくるので、風の音が気になる人にはお勧めできません。

反面、ベンチレーションがないヘルメットですが、巻き上げの風が入ってくるので頭が蒸れることはありません。

エアロパーツは一切ないヘルメットですが、一般道では走行中に風の抵抗を感じることはなく、ヘルメットがぶれることがないので、軽さが際立って肩や首への負担が少ないのはありがたいポイント。

高速道路を走ってみても、最新のスポーツヘルメットと比べると多少風の抵抗を感じますが、ストレスを感じるほどではありません。

お勧めのユーザー

以外に帽体が小さいので映えます

1980年代のリバイバルヘルメットなので、最新の素材を使っていても、最新ヘルメットと比べれば機能的には見劣りします。

ただ個人的には以下のポイントは良いと感じました。

帽体が小さい

フリーサイズなので、帽体は大きいと思い込んでいましたが、被って写真を撮ってみたところコンパクトでした。

帽体が大きいと、マッチ棒フォルムになりがちなので、映えるヘルメットが欲しいならお勧めです。

脱着が楽

チークパッドのサイズが選べないのは残念ですが、反面被り口が広く脱着が楽というメリットがあります。

例えば買い物や通勤・通学などで頻繁にヘルメットの脱着をする場面では使い勝手は良いでしょう。

涼しい

巻き上げの風がガンガン入ってくるのでシールドを開けなくても涼しいのは人によっては嬉しいのでは?

暑がりという人や夏場もフルフェイスを被りたいけど、できるだけ涼しい方が良いという人にもお勧めです。

価格も実勢価格1万円切りと安いので、予備用ヘルメットやタンデム用に一個買っておいても良いかもしれません。

※なお実勢価格は2022年10月25日現在のアマゾンの販売価格です


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