
カワサキは、スーパーチャージドエンジンを搭載するフラッグシップ「Ninja H2 CARBON」の2027年モデルを2027年春頃に日本国内へ導入すると発表した。2021年モデルをもって国内販売が終了していたモンスターが、エンジン内部から電子制御、足回りに至るまで全面的な刷新を遂げて国内復活を果たす。進化したテクノロジーの全貌を紹介しよう。
●文:ヤングマシン編集部 ●写真/外部リンク:カワサキモータースジャパン
- 1 2021年モデルで国内導入が終了した過給モンスターが帰ってきた!
- 2 圧縮比11.2&減速比ショート化!カム作用角短縮や不等長ファンネルで4,000〜7,000rpmのトルクを研ぎ澄ます
- 3 カワサキ初のブレンボ「Hypure」を装着!KYB AOS-IIとオーリンズTTX36が支える足回り
- 4 5モードKTRC・2段階KLCM・HUD風TFTメーター!6軸IMUと連携する高度な電子制御群
- 5 立ち角約5.5度アップのハンドルから専用スタンドまで!純正アクセサリーが満載
- 6 2027年春の日本国内解禁を見逃すな!過給モデルの走りをカワサキプラザで手に入れろ
- 7 KAWASAKI Ninja H2 CARBON (2027model) DETAILS
- 8 KAWASAKI Ninja H2 CARBON (2027model) SCENES
- 9 KAWASAKI Ninja H2 CARBON (2027model) COLORS
- 10 KAWASAKI Ninja H2 CARBON (2027model) SPECS
2021年モデルで国内導入が終了した過給モンスターが帰ってきた!
2015年に登場したNinja H2は、「誰も経験したことのない走行体験を実現する」という目標のもと、川崎重工業グループのガスタービンや航空宇宙技術の知見を注ぎ込み、完全自社設計のモーターサイクル専用スーパーチャージャーを開発・搭載したフラッグシップだ。2019年モデルでは最高出力231psを発揮するまでに進化を遂げていた。
しかし、2020年9月に発表された2021年モデル受注時に「次年度モデル以降の国内導入予定はない」と公式に告知され、排ガス規制の波の中で日本国内での正規販売が一旦途絶していた経緯を持つ。海外市場においては生産と熟成が継続されていたが、現代の環境規制と走行環境に適合した2027年モデルとして、2027年春頃に日本国内へ再導入されることが正式決定した。
当モデルは全国のカワサキプラザ専売。3年間の定期点検サポートが付帯する「カワサキケアモデル」に指定されており、二輪車ETC2.0車載キットも標準装備される。メーカー希望小売価格および諸元詳細は後日公表される予定だ。
圧縮比11.2&減速比ショート化!カム作用角短縮や不等長ファンネルで4,000〜7,000rpmのトルクを研ぎ澄ます
ここからはその進化について判明していることを解説しよう。998cm3水冷並列4気筒DOHC4バルブスーパーチャージドエンジンは、実用域である4,000〜7,000rpmの低中回転域トルク感向上と加速レスポンスの強化に主眼を置いて再設計された。
エンジン内部の変更点は多岐にわたる。カムプロフィールは吸気側作用角を8°、排気側作用角を12°短縮し、バルブオーバーラップを低減。圧縮比は従来の8.5:1から11.2:1へ引き上げられ、スキッシュエリアは4mmから1mmへ縮小、ピストンクラウン形状が変更された。
燃焼効率向上に伴い、ピストン冷却はデュアルからシングルピストンジェットへと変更。オイルポンプの回転数を下げてフリクションを低減するとともに、エンジンオイル量を500mL削減し300gの軽量化を達成した。
過給・吸気系では、インペラブレードの入口角を調整して低回転・低流量時の吸気温度を下げ、ノッキングを抑制。インテークファンネルは1-4番を2-3番より短く設定した不等長とし、ディフューザー端部へ単一ネットを装着した。スロットルバルブ径はø50mmからø46mmへ小径化し、アルミ製インテークチャンバー容量を6Lから5Lへ縮小。ECU制御ブローオフバルブの作動応答性も引き上げられている。
ドッグリング式6速トランスミッションはクラッチスプリングのセッティングが変更され、二次減速比を従来の2.444(44/18)から2.588(44/17)へとショート化。エキゾーストシステムはシリンダー出口のø38.1mmから下流ø42.7mmへと拡大し、プリサイレンサーチャンバーを廃止した360度集合(1-4、2-3コネクターパイプ付き)を採用。サイレンサー容量を10Lから8.8Lへ縮小している。
カワサキ初のブレンボ「Hypure」を装着!KYB AOS-IIとオーリンズTTX36が支える足回り
シャシー関係においても最新のコンポーネントが投入されている。フロントブレーキには、カワサキの量産市販車として初採用となるブレンボ(Brembo)製「Hypure」ラジアルマウント4ピストンモノブロックキャリパーと、ø330mmセミフローティングダブルディスクを標準装備する。
非対称シルエットのHypureキャリパーは高い剛性と軽量化を両立し、特許取得済みのオンパッドピンシステムがパッドの残留トルクを低減する構造だ。
フロントサスペンションにはインナーチューブ径41mmのKYB製AOS-II(エア・オイル・セパレート)レーシングフォークを採用。リヤサスペンションには、アルミニウム製チューブで軽量化を図ったオーリンズ(Öhlins)製TTX36リヤショックと片持ちスイングアームを組み合わせる。
アッパーカウルには軽量・高剛性なCFRP(カーボンファイバー強化プラスチック)素材を採用し、チンスポイラーやガーニーフラップ付きミラーステーを装着している。
5モードKTRC・2段階KLCM・HUD風TFTメーター!6軸IMUと連携する高度な電子制御群
ボッシュ製6軸IMU(慣性計測装置)と連携する電子制御テクノロジーも全面進化を果たした。カワサキトラクションコントロール(KTRC)は5ミリ秒周期で姿勢変化を演算する5モード制御へと細分化され、ウェット路面サーキットに対応するモード5を設定。Sport/Road/Rain/Riderから選べるインテグレーテッドライディングモードと連動する。
ローンチコントロール(KLCM)は発進から60km/hに達するまでエンジン回転数を6,250rpm(従来比約250rpm低減)に維持する2段階制御を搭載。再作動インターバルはクラッチ保護のため150秒に設定されている。クイックシフター(KQS)は作動開始回転数が従来の2,500rpmから1,500rpmへ引き下げられた。また、オーリンズ製電子制御ステアリングダンパーやエレクトロニッククルーズコントロールも標準装備する。
メーターには、航空機のHUDに着想を得たバンク角・ピッチ角表示やグラフィカルなブーストゲージを表示できる2タイプ表示TFTカラー液晶を採用。「RIDEOLOGY THE APP MOTORCYCLE」による音声コマンド操作やナビゲーション表示にも対応する。
外装には粒子サイズと量を調整した銀鏡塗装(ミラーコートスパークブラック)と自己修復型のハイリーデュラブルペイントを採用。片持ちスイングアームで露出するアルミ鍛造ホイール右側面には、カワサキ初となる水転写プリント(ハイドログラフィックプリント)による「Ninja」ロゴグラフィックが施されている。
立ち角約5.5度アップのハンドルから専用スタンドまで!純正アクセサリーが満載
2027年モデルの日本導入に合わせて、カワサキ純正アクセサリーのラインナップも公開されている。車体保護パーツとして「フレームスライダー(価格:2万6620円)」に、ライディングポジションの変更用として、標準状態より立ち角が約5.5度アップする「アップハンドル(価格:5万820円)」と、それに適合する「ハンドルウェイト(価格:1万5400円)を用意。
さらに、片持ちスイングアーム車用の「メンテナンス用スタンド本体(価格:1万9800円)」および「専用シャフト(価格:1万780円)」がラインナップされており、保管や整備に対応する体制まで整えられている。
2027年春の日本国内解禁を見逃すな!過給モデルの走りをカワサキプラザで手に入れろ
2021年モデルでの国内導入終了告知から時を経て、エンジン内部の微細メカニズムから電子制御、足回りに至るまで熟成を果たして国内復活を果たす「Ninja H2 CARBON」。川崎重工業グループの技術を結集した231ps系過給エンジンとカーボンアッパーカウルが織りなす造形美は、カワサキのモノづくり精神を体現している。2027年春の解禁が待ち遠しい一台だ。
KAWASAKI Ninja H2 CARBON (2027model) DETAILS
KAWASAKI Ninja H2 CARBON (2027model) SCENES
KAWASAKI Ninja H2 CARBON (2027model) COLORS
KAWASAKI Ninja H2 CARBON (2027model) SPECS
| 項目 | 諸元 |
|---|---|
| 車名 | Ninja H2 CARBON |
| 型式 | ZX1002XVFNN |
| エンジン形式 | 水冷4ストローク並列4気筒DOHC4バルブ+スーパーチャージャー |
| 総排気量 | 998cm3 |
| 圧縮比 | 11.2:1 |
| 燃料供給方式 | フューエルインジェクション(ø46mmスロットルボディ) |
| トランスミッション形式 | ドッグリング式6速リターン |
| 1次/2次減速比 | 1.480(74/50) / 2.588(44/17) |
| ブレーキ形式(前) | ダブルディスク330mm(ブレンボHypureラジアルマウント4ピストン) |
| ブレーキ形式(後) | シングルディスク250mm |
| 懸架方式(前) | 41mm倒立フォーク(KYB AOS-II) |
| 懸架方式(後) | リンク式モノショック(オーリンズTTX36) |
| アッパーカウル素材 | CFRP(カーボンファイバー強化プラスチック) |
| 国内導入予定時期 | 2027年春頃 |
| 販売チャンネル | カワサキプラザ専売(カワサキケアモデル・ETC2.0標準装備) |
| メーカー希望小売価格 | 未発表(後日案内) |
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(ニンジャH2カーボン/R)
兵庫県西明石発、エンジニアリングの宝石がここに まだまだ続くよ北米で! 国内では2021年モデルの予約受注をもって販売終了が宣言されたニンジャH2/H2カーボン、およびクローズドコース専用のモンスター[…]
兵庫県西明石発、エンジニアリングの宝石がここに まだまだ続くよ北米で! 国内では2021年モデルの予約受注をもって販売終了が宣言されたニンジャH2/H2カーボン、およびクローズドコース専用のモンスター[…]
〈動画はこちら〉撮影中に死にかけたので、一部始終をお見せします(三崎優太 青汁王子YouTube)[…]
兵庫県西明石発、エンジニアリングの宝石がここに まだまだ続くよ北米で! 国内では2021年モデルの予約受注をもって販売終了が宣言されたニンジャH2/H2カーボン、およびクローズドコース専用のモンスター[…]
”PREPARE FOR TAKE-OFF”って……オイ! 最初に言っておきたい。これは光栄にもバイク界の東●ポと呼ばれるヤングマシンが、妄想力を逞しく発揮した記事である。カワサキが直列6気筒ターボ搭[…]
最新の関連記事(新型スーパースポーツ)
製造工程の見直しで熟成!スペック維持で登場した最新「2027年モデル」 ヤマハ発動機は、3気筒スーパースポーツフラッグシップ「YZF-R9 ABS」の最新仕様となる2027年モデルを発表した。プロダク[…]
サーキット専用「AMB 001」を経てついに解禁!公道を駆けるロードスター 英国の四輪ラグジュアリーブランドであるアストンマーティンと、伝統の二輪メーカーであるブラフシューペリアの提携が生み出した「A[…]
レース由来の超軽量鍛造ホイールと専用コックピットがもたらす旋回性能 新型パニガーレV2 MM93およびパニガーレV2 FB63は、ベースモデルとなるパニガーレV2 Sの基本設計を受け継ぎつつ、サーキッ[…]
R1のDNAとYCC-Tを凝縮。クラス最軽量149kgを掲げたYZF-R2の全貌 インドで世界初公開されたヤマハの新型YZF-R2は、急成長を続ける200ccプレミアムスーパースポーツセグメントに向け[…]
不等間隔爆発とスロットルシンクロが生み出す極限のリニアトルク YZF-R1は、1998年に欧州仕様の販売を開始して以来、スーパースポーツカテゴリーを牽引してきたヤマハモーターサイクルのフラッグシップモ[…]
人気記事ランキング(全体)
「プロジェクトBIG-1」が生んだ400ccネイキッドの基準「CB400SF」 1992年4月、ホンダは「新しい時代にふさわしいホンダのロードスポーツモデルはどうあるべきか」を追求した「プロジェクトB[…]
サビて固着したネジやナメて外せなくなったネジを簡単に外せる デイトナから発売されている「バイク用ショックドライバーセット(品番:95392)」は、錆びついて固着したボルトや、ネジ緩み止め剤が塗布された[…]
荒野を駆け抜けた友情と青春!『機甲創世記モスピーダ』が放つタイムレスな魅力 1983年10月から1984年3月まで全25話が放送されたタツノコプロ制作のTVアニメ『機甲創世記モスピーダ』。謎の宇宙生命[…]
タイムレスなクラシックスタイルと現代的実用性の融合 「クラシックのエッセンスは決して時代遅れにならない」というデザインコンセプトのもと、コロンビア/フィリピン市場で展開されるスズキの「GN 160」。[…]
従来の2気筒から新設計3気筒へ!劇的進化を遂げた新型「Ryker」 BRPジャパンが国内に展開するカンナムシリーズの中で、よりカジュアルに3輪アドベンチャーを楽しめるモデルとして支持されてきた「Ryk[…]
最新の投稿記事(全体)
製造工程の見直しで熟成!スペック維持で登場した最新「2027年モデル」 ヤマハ発動機は、3気筒スーパースポーツフラッグシップ「YZF-R9 ABS」の最新仕様となる2027年モデルを発表した。プロダク[…]
2021年モデルで国内導入が終了した過給モンスターが帰ってきた! 2015年に登場したNinja H2は、「誰も経験したことのない走行体験を実現する」という目標のもと、川崎重工業グループのガスタービン[…]
2スト&クロスプレーンの猛威 そもそもヤマハが海外レースに初参戦したのは、1958年開催のカタリナGP。激しいサバイバルレースで6位に入賞し、米国市場への足掛かりとする。 世界選手権は1961年フラン[…]
全ラインナップ試乗可能! アパレルやカスタムパーツも充実 最大の注目ポイントは、国内で展開される全取扱い車種の試乗車が常備されている点だ。スポーツ、ネイキッド、アドベンチャー、クルーザー、スクーターま[…]
XSR155&Z900RS SE用 純正のボテッとした大型リアフェンダーを削ぎ落とし、リフレクターやLEDライセンスランプまでセットにしたオールインワン仕様。追加パーツ不要のボルトオン設計で、届いたそ[…]
- 1
- 2


















































































