
ドゥカティジャパンは、新世代890ccのV型2気筒エンジンを搭載する新型「ハイパーモタードV2 SP」と新型「デザートX」を2026年9月12日に日本で発売する。両モデルは、インテーク可変バルブタイミングシステム(IVT)を採用した水冷V2エンジンを核とし、アルミニウム製モノコックフレームなどの最新設計シャシーを共有する。それぞれのカテゴリーで新たなベンチマークを目指すドゥカティ期待の2台だ。
●文:ヤングマシン編集部 ●写真/外部リンク:ドゥカティ
先代比14kg軽量化の177kgを達成したハイパーモタードV2 SPの構造
新型ハイパーモタードV2 SPは、2005年のEICMAで発表されたプロトタイプから20年を経て再構築されたスーパーモタードモデルだ。シャシーとエルゴノミクスを全面的に見直すことにより、先代モデルであるハイパーモタード950 SPと比較して14kgの軽量化となる車両重量177kg(燃料除く)を実現している。
車体構造の中核には、このモデル専用に開発されたアルミニウム製モノコックフレームを採用。エンジンを強度部材として活用しながら、エアボックスの機能を一体化させる設計により、大幅な軽量化と車体のコンパクト化を達成した。スイングアームには、両持ち式のアルミニウム製を採用している。
SP仕様には、ゴールドに輝くオーリンズ製48mm径フルアジャスタブル倒立フロントフォークと、同社製リヤモノショックを装備。さらに、MotoGPマシンである「デスモセディチGP」から着想を得た鍛造ホイールを組み合わせる。この鍛造ホイールは、標準仕様の軽合金ホイールと比較して1.5kg軽量に設計されており、ばね下重量の低減によって、より俊敏なターンインと正確なラインコントロールに貢献する仕様だ。
エルゴノミクス面では、フロント荷重を高めるライディングポジションに変更されると同時に、シート形状が最適化された。SPモデルでは、先代モデル比でインナーレッグ(両足内側の太ももを結ぶ曲線)を35mm短縮。スポーティなポジションを維持しつつ、扱いやすさが向上している。
日本専用のローサスペンション仕様で上陸した新型デザートX
第二世代へと進化したアドベンチャーモデル、新型デザートXの日本仕様における最大のニュースは、ローサスペンションキットを標準装備して国内導入されることだ。これにより、シート高は860mmに設定され、未舗装路での扱いやすさを両立させている。
新設計となる車体の中核には、軽量化と高剛性化を両立したアルミニウム製モノコックフレームをレイアウト。このフレームは、エアフィルターハウジングを構造の一部として統合する設計だ。車両重量は燃料を除いて209kgを実現している。
新たにデザインされたフロントエンドと低く再設計されたタンク形状により、全体のプロポーションが先代モデル比でよりスリムかつコンパクトに進化した点も見逃せない。燃料タンクは、交換式カバーを採用した18Lの樹脂製だ。
サスペンションには、フロント230mm、リヤ220mmのストローク量を備えるKYB製フルアジャスタブルサスペンションを前後に採用。リヤには新開発のリンケージシステムが組み合わされており、小さな凹凸ではしなやかに路面を捉え、高速域や大きな入力に対しても車体姿勢を安定して保ち、確かな接地感をもたらす。
タイヤサイズはフロント21インチ、リヤ18インチの本格オフロード仕様で、ピレリ製スコーピオン・ラリー STRを標準装着。ブレーキは、フロント305mm径ダブルディスクとブレンボ製モノブロックキャリパーの組み合わせだ。
可変タイミングIVTエンジンとパニガーレV4譲りの最新電子制御
両モデルが搭載する「新世代V2エンジン」は、排気量890ccの水冷90° V型2気筒レイアウト。インテーク可変バルブタイミングシステム(IVT)の採用により、低回転域から高回転域まで扱いやすい出力特性と、ユーロ5+規制への適合をクリアした。
出力スペックはモデルごとに最適化されている。ハイパーモタードV2 SPは最高出力120.4ps/10750rpm、最大トルク94Nm/8250rpmを発生。一方のデザートXは最高出力110.3ps/9000rpm、最大トルク92Nm/7000rpmを発生する。
ライダーを支援する電子制御パッケージには、最新の6軸IMU(慣性計測ユニット)を核としたシステムを標準装備。トラクションコントロール(DTC)、ウィリーコントロール(DWC)、エンジンブレーキコントロール(EBC)、コーナリングABSを統合制御する。
さらに、新型パニガーレV4で初採用された、新ロジックの第2世代「ドゥカティ・クイック・シフト(DQS 2.0)」を全車に標準搭載。オンロードから過酷なダートセクションまで、より正確かつダイレクトなシフト操作をサポートしてくれる。
同一の「革新的骨格」から分岐した、対極のライディングプレジャー
ドゥカティが提示したこの2台は、共通の「新世代890cc V2ユニット」と「アルミニウム製モノコックフレーム」という同一のプラットフォームから誕生した。しかし、そこから導き出されたキャラクターは、驚くほど対極に位置している。
かたや、限界まで無駄を削ぎ落として車両重量177kgに仕上げ、公道とクローズドコースでの俊敏な走りを追求した純粋なモタードスポーツ、ハイパーモタードV2 SP。かたや、21インチ&18インチの本格的な足まわりを維持しながら、日本市場専用のローサスペンションキットを装備することでシート高を860mmまで下げ、日常の扱いやすさとタフな冒険を地続きにしたアドベンチャー、デザートX。
このドゥカティの新世代を体現する2台は、2026年9月12日に日本での販売が一斉に開始される。車両本体価格は、ハイパーモタードV2 SPが249万円、デザートXが212万円だ。
また、発売と同日の9月12日から10月18日にかけて、全国のドゥカティ正規ディーラーネットワークにおいて「ドゥカティV2デビューフェア」が開催される予定だ。ドゥカティの「新世代プラットフォーム思想」が乗り手にどのような最適解をもたらすのか。それを確かめるための舞台は、すでに全国のディーラーに用意されている。
DUCATI HYPERMOTARD V2 SP / DESERT X [2026 model]COLORS
【DUCATI HYPERMOTARD V2 SP】●専用カラー
【DUCATI DESERT X】●ホワイト
DUCATI HYPERMOTARD V2 SP / DESERT X [2026 model]SPECS
| 主要諸元 | ハイパーモタード V2 SP | デザートX(日本仕様) |
|---|---|---|
| エンジン形式 | 水冷90° V型2気筒 4バルブ IVT | 水冷90° V型2気筒 4バルブ IVT |
| 総排気量 | 890cc | 890cc |
| 最高出力 | 120.4ps @ 10750rpm | 110.3ps @ 9000rpm |
| 最大トルク | 94Nm @ 8250rpm | 92Nm @ 7000rpm |
| クラッチ形式 | 油圧作動式湿式多板スリッパー | 油圧作動式湿式多板スリッパー |
| フロントサスペンション | オーリンズ製48mm径フルアジャスタブル倒立フォーク | KYB製46mm径フルアジャスタブル倒立フォーク(ストローク230mm) |
| リアサスペンション | オーリンズ製フルアジャスタブルモノショック(両持ちスイングアーム) | KYB製フルアジャスタブルモノショック(プログレッシブリンク) |
| フロントタイヤ | ピレリ製ディアブロ・ロッソ4 コルサ 120/70 ZR17 | ピレリ製スコーピオン・ラリー STR 90/90-21 |
| リアタイヤ | ピレリ製ディアブロ・ロッソ4 コルサ 190/55 ZR17 | ピレリ製スコーピオン・ラリー STR 150/70 R18 |
| フロントブレーキ | 320mm径ダブルディスク、ブレンボ製M50キャリパー[コーナリングABS] | 305mm径ダブルディスク、ブレンボ製モノブロックキャリパー[コーナリングABS] |
| リアブレーキ | 245mm径ディスク[コーナリングABS] | 265mm径ディスク[コーナリングABS] |
| シート高 | 880mm | 860mm(ローサスペンション仕様) |
| 車両重量(燃料除く) | 177kg(装備重量) | 209kg(装備重量) |
| 燃料タンク容量 | 12.5L | 18L |
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