
いろいろと話題になっている125ccクラスの人気は今に始まったものではなく、ヨーロッパを中心に第二次大戦後は一大ブームを巻き起こしています。庶民的なモデルからプレミアムなマシンまでさまざまなタイプがリリースされており、数十年前のモデルながら良好なコンディションにあるものも少なくないようです。そんな125ccバイクの中から、日本ではなかなかお目にかかれないものをピックアップしてみました。
●文:石橋 寛(ヤングマシン編集部) ●写真:RM Sotheby’s
やっぱりドゥカティ!小さくても高速域の信頼性は抜群⁉【ドゥカティ125スポーツ(1950年頃)】
今やスポーツバイクのハイエンドといえば、ドゥカティこそ真っ先に上がるメーカーですが、会社設立当初(1926)は小型エンジンが主流でした。それでも、40年代を迎えると盛んにレース参戦をするようになり、50ccや125ccのレーシーなエンジンを搭載したモデルが登場しています。
こちらの125スポーツはその名の通り、昔日のジロ・ディタリアなどのレース向けに作られたとされています。10 馬力の 単気筒SOHC エンジンは8500rpmまで軽々と回り、100kg程度の車重と相まって、最高速は約113km/hと言いますから、ミニサーキットなどでは超絶楽しいに違いありません。
特徴的なタンクやクリップオンハンドルなど、レーシーなディテールはオリジナルのまま。ゆえに、クラシックイベントなどにも最適です。ちなみに、この個体はモナコのオークションで約50万円という破格値で落札されています。
ドゥカティ初期の125ccスポーツモデル。これをベースに様々なレーサーがリリースされている傑作モデルです。
10ps/8500rpmという当時としては破格のパフォーマンスで、最高速は113km/hまで伸びたとのこと。ドゥカティらしさあふれる武闘派125マシンでしょう。
普通免許で乗れそうな3馬力のハーレーダビッドソン【ハーレーダビッドソン 125 ハマー(1948~1952)】
戦後、ドイツの賠償項目に含まれていたバイクの設計データ(DKW社)をもとに、ハーレーが作り上げた2ストロークの125ccモデル。最大出力3馬力と控えめながら、わずか77kgという車重(乾燥)ですから、乗り方次第では現代の道路でも通用しそう。しかも、4kW(約5.4馬力)以下なので、普通免許で乗れるというのも夢が広がりそう。
1947年の発売当初も7カ月で1万台を売るほどの大人気で、ユーザーの多くが若い女性だったとのこと。今でいう原付スクーター的な商品だったのかもしれません。実際、乗り出そうと思ったら、ビンテージゆえのメンテナンスといった現実面もさることながら、キュートなルックスと軽い車重でもって、予想以上に楽しいかと。
アメリカでは売り物も多数出回っており、5000~1万ドル(約75~150万円)あたりが相場価格。普通免許の保持者だけでなく、ビッグツインのオーナーにも乗っていただきたい逸品です。
ハーレーダビッドソンも戦後、DKWの設計データをもとに125ccモデルをリリース。ポップなカラーリングも若者むけのテイストが垣間見えます。
車重77kgという軽量も人気の秘訣で、とりわけ若い女性に人気だったという125S ハマー。
プレミアム125を気取るならマセラティ一択【マセラティ ティーポ125 ツーリスト・ルッソ(1956)】
ひところは貴族御用達のスポーツカーメーカーだったマセラティも、実はバイクを作っていた時期があったのです。もっとも、上述のハーレーダビッドソンと同じくDKWのライセンス生産にほど近いもの。単気筒2ストローク 123cc、4.8bhp/5000rpmと、ハーレーよりはハイパワーながら、こちらも普通免許で乗れる範疇(はんちゅう)にあります。
また、マセラティらしくディテールの仕上がり、デザイン性の高さは目を見張るものがあり、さすがプレミアムブランドとため息がもれるほど。こちらの個体はレストアの過程でブルー&ホワイトに塗り分けられ、シートも特注されるなどコレクターズアイテムとしても最適。マセラティファンならずとも、思わず食指が動きそう。
生産台数は不明ながら、オークションにはそこそこ出品されており、普通のコンディションなら70万円程度、こちらのレストア済み車輌だと600万円程度と予算に応じて選べるのも嬉しいポイント。せっかく乗るなら、プレミアムな125に乗りたいという方にはぜひチェックしていただきたいモデルです。
ライセンス生産とはいえ、マセラティのエンブレムがついたバイクは貴重品。125ccながら、そこはかとなく漂う気品はさすが貴族御用達ブランドです。
単気筒2ストローク125ccエンジンは、もともとドイツのDKWが開発したもの。戦後の補償によって設計データが各国に広まっています。
さりげなく漂うフェラーリ感がセンス良し【ピアッジオ ヴェスパ LX125 フェラーリ・エディション(2006)】
最後は現代的なスクーター、ヴェスパの特別仕様車ですが、コラボ元はなんとフェラーリです。2001年にもフェラーリ・エディションが20台限定で作られているものの、こちらのLXはヴェスパ生誕60周年を記念して(LX=ローマ数字の60)2006年にわずか7台のみが作られた正真正銘プレミアムなスクーター。
ボディカラーは当然マラネロ・ロッソ(フェラーリ・レッド)で、クルマに使われるキャバリーノ・ランパンテ(跳ね馬)のエンブレムがさりげなく使われているほか、シートはフェラーリの純正バッグなどを作っているスケドーニ製。高級感あふれるバックスキンを使い、ステッチの美しさは本家フェラーリを思わせる仕上がりです。
至高のコレクターズアイテムゆえ、オーナーは室内で大事に飾るものかと思いきや、オークションに出品されたこちらの車体は2128kmの走行済み(笑)それでも、世界に7台のプレミアは大金持ちを刺激したらしく、3万ユーロ(約530万円)というにわかには信じがたい落札価格を記録しています。「ちょっとコンビニまで」と気軽に使い倒していたりしたら、それはそれでカッコいいのではないでしょうか。
2006年にピアッジオがリリースしたヴェスパLX125フェラーリ・エディションは、わずかに7台が作られたのみの超プレミアムモデル。
販売されたのはバイクディーラーでなく、正規フェラーリディーラーだったそう。跳ね馬マークのポーチも付属していました。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
最新の関連記事(名車/旧車/絶版車)
日本が文明開化している頃に生まれたメーカー ノートンは言わずと知れたイギリスの古参メーカー。日本が文明開化の真っただ中、19世紀末に創業されています。 その後、激動の社史をつづりつつ、1976年には1[…]
DR650は安くて壊れづらくて、ラリーにうってつけ! 1994年のパリ・ダカール・ラリーは前述の通り、古式ゆかしくパリをスタートして、ダカール砂漠を横断、そしてパリのゴールを目指すルートでした。これは[…]
当初は直4に対しジェントル・イメージだったV4 ホンダが1980年代のHY戦争で懐刀として切り札だったV型4気筒。 GPマシンNR500をきっかけに、V型4気筒が耐久レースからF750まで世界のレース[…]
ムートデザインに斬新のコントラストで切り裂くシェイプを形成 ご存じスズキのGSX1100S KATANAがデビューしたのは1981年。 当時の日本国内は750ccを超えるバイクの販売が認められていなか[…]
その道のプロが「趣味性」に熱き思いを込める真剣さがホンダのDNA! ホンダは1962年、世界GP挑戦のカテゴリーを50ccにまで拡げチャレンジを開始。 小排気量エンジンほど、爆発回数が2倍の2ストロー[…]
最新の関連記事(新型原付二種 [51〜125cc])
最短2日間で修了可能な“AT小型限定普通二輪免許”で運転できる バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限)があり、原付を除い[…]
1/9発売:スズキ GSX250R 4気筒などの高性能を競うライバルが多い中、低中速域の扱いやすさを重視した並列2気筒エンジンにより、街乗りからツーリングまで幅広いシーンで真価を発揮する一台。2026[…]
モーターは独自開発のホイールサイドタイプを採用 ホンダは、タイおよびベトナム向けにICE(内燃機関)の110ccクラスに相当する動力を備えた電動二輪パーソナルコミューター「Honda UC3」を発売す[…]
縦目2灯の斬新スタイルとVVAエンジンの実力を確認 「WR125R」の基本スペックを知るならこの記事だ。WR125R最大の特徴は、YZF-R125やXSR125と基本設計を共有する水冷4ストローク単気[…]
125ccスクーター『LEAD125(リード125)』が華やかになりました! Hondaがラインアップする原付二種スクーターの中でも実用面においてはトップクラスの実力派が『LEAD125』だということ[…]
人気記事ランキング(全体)
前回は3日で作った“最先端”のバイク……ドリルとハンマーを使ってね 2026年1月14日にお届けした記事では、リヤホイールを半分ずつにして2つ装着したCBR300Rの製作過程を紹介しました。昨年はその[…]
「お金も時間もありそうなのに、なぜこんな天気の良い日にツーリングにも行かず、用品店に来ているんだろう?」という疑問 都内の某大手バイク用品店の駐輪場にて。今日も「なぜ来ているのかわからない?」ようなバ[…]
制動性能と視認性を高めたメカニズムの進化 「COCOシリーズ」は、三輪による走行安定性と、電動モーターによる静粛性を両立したモデルだ。開発元である株式会社バブルは、この新型モデルを通じて、日常の移動に[…]
最短2日間で修了可能な“AT小型限定普通二輪免許”で運転できる バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限)があり、原付を除い[…]
DR650は安くて壊れづらくて、ラリーにうってつけ! 1994年のパリ・ダカール・ラリーは前述の通り、古式ゆかしくパリをスタートして、ダカール砂漠を横断、そしてパリのゴールを目指すルートでした。これは[…]
最新の投稿記事(全体)
対照的なコンセプトで開発された2つのプログラムを用意 「Z」と「Adventure(アドベンチャー)」の各グレードに対応した専用カスタマイズパーツが登場した。今回のプログラムは、それぞれのグレードが持[…]
発売日は1月30日、価格は予想通りの120万円台から スズキ株式会社は1月22日、新型ストリートバイク「GSX-8T」および「GSX-8TT」を2026年1月30日より日本国内で発売すると発表した。 […]
1. 【背景と現状】“原付”モビリティの現状について かつては50ccガソリンエンジン車しかなかった“原付”も現在では多様化している。今回の排ガス規制により50ccガソリン原付は生産を終了し[…]
日本が文明開化している頃に生まれたメーカー ノートンは言わずと知れたイギリスの古参メーカー。日本が文明開化の真っただ中、19世紀末に創業されています。 その後、激動の社史をつづりつつ、1976年には1[…]
リアルとコミックの融合が生む「NSR500」の造形 本モデル最大の特徴は、実車のリアリティと漫画の世界観を高度に融合させている点にある。制作にあたってはホンダの協力のもと、実在するレーシングマシン「N[…]
- 1
- 2












































