
ホンダEクラッチの採用モデル第3弾が軽二輪界のベストセラーレブル250だ。同時に改良された箇所も多岐にわたりまさに盤石の構えだ。
●文:大屋雄一 ●写真:真弓悟史 ●外部リンク:ホンダ
共通の仕様変更はわずかだがその効果は想像以上だった
2017年4月に発売され、翌2018年から軽二輪クラスのベストセラー街道をばく進中なのが、ホンダのレブル250だ。今年は一部の仕様変更とともに、待望のEクラッチ仕様がタイプ設定された。ラインナップとしては、スタンダードモデルはMT仕様とEクラッチ仕様が選べ、差額は5万5000円だ。ヘッドライトカウルなど純正アクセサリーをパッケージ装着したSエディションは、Eクラッチ仕様のみを用意。スタンダードのEクラッチ仕様との差額は3万8500円となっている。
試乗したのは「Sエディション Eクラッチ」のパールカデットグレーだ。まずはEクラッチの説明に入る前に、MT仕様にも共通するʼ25年モデルの仕様変更について紹介したい。具体的には、シートのウレタンを高反発タイプとし、リヤショックのバンプラバーを変更。ハンドルバーについては約18mm狭く、6.5mm手前に引いたものへと変更している。内容としては小さなものだが、いずれもユーザーの声を反映した改善とのことだ。
グリップ位置を内側に8.9mm ずつ狭め、さらに手前へ6.5mm、上方へ5mm 移動したことで、ハンドルの遠さがだいぶ改善された。
レブル250は、690mmという低シート高による足着き性の良さが魅力の一つではあるが、それとトレードオフの関係にあるのが乗り心地で、ギャップ通過時の突き上げ感が大きめだった。その後、ʼ20年モデルで前後サスが改良され、作動性が明らかに向上。そして今回は、シートの高反発ウレタンの採用とバンプラバーの変更によって、さらにストローク感が増している。これは大きな進化と言えよう。
また、ハンドルについては、わずか数ミリずつの変更ながら、Uターンなど大きく舵を切った時の余裕が明らかに増えている。一方で、レブルならではの見られることも意識して設定されたライポジの雰囲気は不変。9年目にしてなお熟成を続けていることに感心しきりだ。
あらゆる操作を許容、操る喜びは不変だ
続いてはEクラッチだ。エンジンを始動し、クラッチレバーを握らずにローへシフトする。この時のショックはスーパーカブ系と同等かそれ以下だ。スロットルを徐々に開けるとすぐに発進し、長く半クラを当てているような雰囲気はほぼない。街中での発進はスーパーカブ系の自動遠心クラッチに似ており、ゆえに慣れ親しんだ感覚があるのが不思議だ。
スロットル開度を一定のまま2速、そして3速へとシフトアップする。一瞬とはいえクラッチを切っているから、その瞬間だけエンジン回転数がウワーンッと上がりそうなものだが、それすらもなくスムーズに変速を終える。しかもショックはほぼ皆無と言っても良く、シフトダウン時も含め、これを超えるクイックシフター付きのバイクを私は知らない。
タコメーターがないので、取扱説明書にある各ギヤの下限速度から計算したところ、およそ3500rpm前後でシフトアップするのが良いようだ。実際にこのあたりでリズミカルにギヤを上げると、単気筒ならではの心地良い蹴り出し感が途切れることなく続くので、レブル250の新たな一面を見たような気すらした。
赤信号などで停止する際、高いギヤのままでも停止直前まで完全にクラッチが切れないので、スクーターの遠心クラッチのように急にエンブレが抜けることがない。ゆえに、ギヤを下げ忘れることが何度かあったが、これは慣れの範疇だ。
その他、スロットルを開けながらのシフトダウン、閉じながらのシフトアップといった無理難題にも応えてくれ、そのすべてが自分でクラッチレバーを操作するよりも楽でスムーズだと感じた。
Eクラッチという最強の武器を手に入れた王者レブル250。初心者の多い軽二輪クラスにこそ歓迎される装備だ。
【街】交差点の右左折や坂道発進など、エンストが心配されるシーンが多い街中において、Eクラッチは間違いなく強い味方だ。
【高速】スロットル一定のままシフトダウンすれば、キックダウンのように加速力アップ! 料金所で左手が自由になるのもマル。
【快走】コーナー進入時のシフトダウンはもちろんのこと、旋回中に変速しても車体の挙動が最小限なので、思う存分快走できる!
【開発者インタビュー】レブル250らしさを維持しながらのEクラッチ化に邁進!
レブル250/Eクラッチ/Sエディション Eクラッチの開発に携わった皆さん。本田技研工業の野島一人さん、遠藤洋平さん、亀井遼さん、谷口功一さん、西村舞さん、髙鍋諭史さん、武田祐大さん、鉦谷弘和さん、竹橋一馬さん、そしてホンダモーターサイクルジャパンの鶴田隆時さんだ。
幅広い層に支持されているレブル250。Eクラッチ採用車としては3機種目となるが、先行発売されたCBR/CB650Rとは異なる難しさがあったという。一つはエンジン形式の違いで、直4の650に対して単気筒のレブル250は爆発間隔が広いため、わずかに高い回転域で半クラを当てるようにしたという。
また、Eクラッチ化に伴いMCUやセンサーなどの電装品が大幅に増えたが、シート高や外観を変えずにすべてを車体内部に収めることに成功。さらに、アクチュエーターの追加で車体の右側がわずかに重くなったことを受け、直進安定性をこれまで通りとするため、フォークの構成パーツやハンドル内部のウエイトの重さを調整し、この問題を解決しているとのこと。
その他、レブル250らしさを残しながらの改善も多岐にわたっており、それらにもぜひ注目してほしいと開発メンバーは胸を張る。
純正アクセサリーをパッケージ装着したS エディションは2 色を用意。どちらもホイールはブラウンだ。
HONDA REBEL 250 S Edition E-Clutch
主要諸元■全長2205 全幅810 全高1090 軸距1490 シート高690(各mm) 車重175kg(装備)■エンジン=水冷4ストローク単気筒DOHC4バルブ 249cc 最高出力26ps/9500rpm 最大トルク2.2kg-m/6500rpm 変速機6段リターン 燃料タンク容量11L■タイヤサイズF=130/90-16 R=150/80-16 ●価格:73万1500円 ●色:黒、灰
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