
ちょうど良いサイズに欧州のA2ライセンスに合わせたパワーと聞くと“お手軽アドベンチャー”に感じるかもしれないが、新開発のエンジン&シャシーも電制も、ロアミドルとは思えないテンコ盛りの本格派。日本の道でも威力発揮間違いなし!
●文:伊藤康司(ヤングマシン編集部) ●外部リンク:BMW Motorrad
革新メカERC装備の本格アドベンチャー
EICMA2024、そして今春の東京モーターサイクルショーでも展示された「Concept F450GS」が、EICMA2025で正式モデル「F450GS」として発表され、日本導入も決定した。
F450GSはヨーロッパのA2ライセンス(日本の普通二輪免許に相当)に対応するスポーツアドベンチャーバイク。排気量やパワー的には、既存のBMWのラインナップの中でG310GSとF800/900GSの間を埋めるモデルに見えるが、新機軸のロアミドルアドベンチャーと捉えたほうが良いかもしれない。
BMW F450GS[2026 model]
エンジンは新開発の420㏄水冷並列2気筒DOHC4バルブ。珍しい135度位相クランクを採用し、1軸バランサーを装備することでスムーズかつダイナミックな乗り味を実現。クラッチレバー操作ナシでシフトアップ/ダウンが可能なシフトアシスタントProを標準装備(Basicはオプション設定)するが、特筆すべきは新採用のERC(イージーライドクラッチ)だ。
ERCはいわゆる遠心クラッチ(スクータースーパーカブなどが採用)だが、大幅に発展させた革新的なシステム。エンジン回転数に応じてクラッチを自動的に断続し、シフトアシスタントProと連携することで、発進からギヤチェンジ、停止までをクラッチレバーを操作する必要が無く、ライディングに集中できる。
また、既存の遠心クラッチはスロットルを戻してエンジンブレーキが効き始めると直ちにクラッチが切れるが、ERCはクラッチが切れずに自然なハンドリングを維持する。そしてエンストを防ぎつつアイドリングまでエンジン回転数が下がったときのみクラッチが切れる。
しかもクラッチレバーは従来通り装備しているので、障害物の乗り越えや滑りやすい下り坂など、シーンに応じていつでもライダー自身がクラッチ操作を行うことができる。その意味ではホンダのEクラッチに近い機構といえる(クラッチレバーが存在するのでAT免許では運転不可、大型自動二輪免許が必要/ホンダEクラッチと機構は異なるが得られるメリットは似ている)。このERCはAdventureに標準装備され、他のバリエーションではオプションで装着が可能だ。
ライディングモードはRain、Road、Enduroの3種が標準装備され、ABS Pro、ダイナミックブレーキコントロール(DRC)、ダイナミックトラクションコントロール(DTC)、エンジン制御コントロール(MSR)を統合制御。またBasicを除くモデルにはEnduro Proモードが追加され、後輪のABSをOFFにすることもできる。
シャシーも新設計で、フレームはエンジンを剛性メンバーに使うスチール製チューブラー。足周りはフロントにKYB製φ43㎜倒立フォークを装備し、SportおよびAdventureは伸び側/圧縮側減衰調整が可能。リアはアルミ鋳造中空スイングアームにストローク依存型(WADシステム)のKYBショック(プリロード、伸び側減衰調整)を装備する。
ホイールはフロント19、リア17インチのアルミ鋳造で、タイヤサイズは前:100/90-19、後:130/80-17。オプションでクロススポークホイールも用意する。
ブレーキはフロントがブレンボ製4POTキャリパー+φ310㎜のシングルディスクで、リアはByBre製1POTキャリパー+φ240㎜ディスクのセットとなる。
メーターは6.5インチの大型TFTディスプレイを装備し、制動力やバンク角など多彩な情報を表示できる。もちろんスマートフォン連携だ。
これらロアミドルクラスでは最上級ともいえる装備を誇るF450GSは、4種のバリエーションが揃う。
BMW F450GS[2026 model]
BMW F450GS series[2026 model]
主要諸元■全長2161 全幅869 全高─ 軸距1465 シート高845(各mm) 車重178kg■水冷4ストローク並列2気筒DOHC4バルブ 420cc 48ps8750rpm 4.38kg-m/6750rpm 変速機6段 燃料タンク容量14L■ブレーキF=φ310mmディスク+4ポットキャリパー R=φ240mmディスク+1ポットキャリパー■タイヤサイズF=100/90-19 R=130/80-17 ※諸元は欧州発表値
BMW F 450 GS Adventure[2026 model]Racing Blue Metallic
オフロードフットレスト、ホワイトのハンドガード、スモークのラリーウインドシールド、アルミニウム製エンジンガード、Riding Modes Pro、Shift Assistant Pro、およびイージーライドクラッチ(ERC)を標準装備。ラリーシートやクロススポークホイール、アクラポヴィッチのサイレンサー等はオプション。
BMW F 450 GS Sport[2026 model]Racing Red
オフロードフットレスト、ハンドガード、プラスチック製アンダーボディプロテクション、クリアウインドシールド、スポーツサスペンション(KYBフォークはリバウンドとコンプレッションが調整可能)、Riding Modes Pro、Shift Assistant Proが備わる。
BMW F 450 GS Basic / Exclusive[2026 model]Cosmic Black
標準モデルのBasicに対し、同カラーのExclusiveはオフロードフットレスト、ハンドガード、プラスチック製アンダーボディガード、クリアウインドシールドを装備し、電制もRiding Modes Pro、Shift Assistant Proが加わる。
BMW F450GS のディテール
GSのデザイン言語を色濃く踏襲し、X型のデイタイムランニングライトや“クチバシ”は長兄のR1300GSを彷彿させる。標準シートは2分割で(シート高845㎜)で、低いライダーシート(830㎜)やフラットで一体のラリーシート(写真。865㎜)もオプションで用意する。Adventureはイージーライドクラッチ(ERC)を標準装備し、アンダーガードはアルミ製。ExclusiveとSportはプラスチック製のアンダーガードを装備。エクステリアのパーツは共通だが、バリエーションによってカラーチオグラフィックが異なる。
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