過酷なレースでその高い技術を発揮。モトラッドミツオカ鈴鹿店のメカニックが、鈴鹿8耐を戦った

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過酷なレースでその高い技術を発揮。モトラッドミツオカ鈴鹿店のメカニックが、鈴鹿8耐を戦った

日本最大のバイクレース”コカ・コーラ”鈴鹿8時間耐久ロードレース第47回大会(8耐)が2026年7月3‐5日に開催され、国内外から50チームが参戦した。BMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAMが3位、AutoRace UBEが5位を獲得するなど、BMW Motorrad勢は大健闘。サーキット最寄りのBMWディーラー、モトラッドミツオカ鈴鹿店に在籍する2名のメカニックは、世界屈指のタフなレースでBMWを駆るその両有力チームをサポートした。その二人にレース現場でのエピソード、そこから得られディーラーでの日頃のサービス業務にどう活かしているのかを取材したので紹介しよう。

●文&写真:夏目健司 ●BRAND POST提供:光岡自動車 BMW Motorrad

世界選手権を戦うBMWオフィシャルチームを支えた25歳の若きメカニック

3位表彰台を獲得したBMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAM。いわゆる”ワークス”と呼ばれるこのチームに、モトラッドミツオカ鈴鹿店に入社3年目の森田大和さんが参加した。

「入社したその年に、タイヤマンのサポートを探しているということでチームに合流しました。翌年も声がかかり、今年は8耐だけではなく、ル・マンにも行っています」(森田さん)

森田さんはタイヤサービスでのタイヤ交換や温度、空気圧管理、そしてピットインの際にすぐさま交換ができるように準備しておくといった、タイヤメカニックをサポートする役割を担った。

「最初のレースでは何をどうしたらいいかもわからない状態でしたが、チームからは翌年以降も声をかけてもらい、今年はル・マンにも行きました。レースではタイヤの空気圧を細かく調整しなければならないのですが、タイヤを担当することで、空気圧の重要性やメーカー推奨値がいかに大事なのかということを再認識できました」

「また、今回の8耐ではレインタイヤしか使いませんでしたが、天候と路面の回復に備えてスリックタイヤも準備していました。もしもに備えて先読みをして準備しておくということは、レースだけではなく、普段の仕事でも重要だと感じました」

モトラッドミツオカ鈴鹿に在籍して3年。「メカニックの立場上、お客様と直接話す機会は少ないのですが、今後はそういった機会を増やしてきめ細やかな対応ができるようになりたいです」学生時代は国産バイクに乗っていたという森田さんだが、現在は多数のバイクを所有しており、もちろんBMWにも乗っている。車種を尋ねると、なんと1980年代後半に発売された K1とのこと。

独特の縦置きボクサーエンジンに当初は驚いたというが、今はその合理性とメリットをより深く理解している

「縦置きのエンジンやボクサーエンジンなどは、それまで国産しか知らなかった自分にとっては、正直意味が分からない世界でした。でも実際に触れてみることで、そのメリットを理解できました。一方でM1000RRなどのSSモデルなどは、その高い性能はもちろんですが、メンテナンス性の良さも感じます」

「パーツの着脱に合理性があるんですね。BMWで個人的に好きなモデルはR18とR12G/Sです。R18は1800ccという大型で、しかも専用のエンジンを搭載するモデルですが、このような、時代に逆行するかのようなモデルを生み出し、しかも販売し続けているということは、それだけメーカーの努力と技術力の高さを裏付けていると思います」

「R12 G/Sは、ボクサーエンジンを搭載する本格オフロードバイクという明確なコンセプトが掲げられたモデルですが、そういったコンセプトを忠実に再現ができるメーカーというのは、現代ではなかなか存在しないんじゃないかと思います」

モトラッドミツオカグループでは旧いモデルも積極的に受け入れている。まだ20代の森田さんも、数多くの旧モデルに触れてきた。

取材時、モトラッドミツオカ鈴鹿店頭に停められていたR100GSパリ・ダカールモデル。他にもR80など旧いモデルのメンテナンスも得意としている。

森田さんは2026年のル・マンにも帯同。チームから「是非参加してくれ」と乞われ、渡欧した。

レースメカ歴12年。その高い技術を乞われ、有力チームで重責を担う

序盤にトップ争いを繰り広げるなど、圧倒的スピードで観客を魅了し、5位という結果を残したAutoRace UBE Racing Team。このチームでメカニック業務に当たったのがモトラッドミツオカ鈴鹿店入社2年目の真栄平誠さんだ。所属年数こそ少ないものの、12年もの間、国内メジャーレースの全日本選手権でメカニックとして活動してきた実績を持つ。

昨年の8耐ではBMWで参戦するSANMEI Team TARO PLUSONEのメカニックとして参加。そして2026年の今年は、以前在籍していたAutoRace UBEに合流した。

「AutoRace UBEは外国人スタッフが多く、日本人のスタッフが不足しているということで声がかかりました。今年は第2戦のスパ8時間に参加していて、そして最終戦のボル・ドールにも帯同する予定です」(真栄平さん)

今年からEWCフル参戦を開始したAutoRace UBE Racing Team。レース序盤には優勝したHonda HRCとトップ争いを展開した。これまでに幾度となく8耐にメカとして参加してきた真栄平さんは、今回フロントタイヤ交換の重責を担った

これまでに数多くの有名チームでメカニックとしてその腕を振るってきた真栄平さん。今年は鈴鹿8耐のみならず、海外のレースにも帯同。

メインメカニックをサポートしつつ、決勝中はフロントタイヤ交換も担当。決勝中にバイクを整備できるメカニックは4名に限られるが、真栄平さんはこれまでの経験が評価され、その中のひとりに抜擢されたのだ。

「ワークスチーム勢と比べると、AutoRace UBEはPIT作業が弱点ということもありました。上位勢と少しでも差を詰めるために、経験があり、以前チームに在籍していた自分が呼ばれたんです」

レースの世界に長年身を置いてきたことで、これまでに様々な整備を経験してきた。そのノウハウは、モトラッドミツオカ鈴鹿店での業務に生かされている。またレースシーンでは、エンジンのオーバーホールも何度も行っていて、サスペンションのセッティングといった作業にも自信を持っている。

レースの現場と販売店の業務とでは、たとえばその作業量などに差があるものの、その技術とノウハウは、突発的なトラブルの対処などに生かされるし、整備における仕上げといった点にもその技術が現れる。

タイヤの空気圧管理に関しても、誰よりもその重要性を強く認識している

「一般的なディーラーではなかなか出来ないような仕事も経験しています。サスペンションに関しても、レースやサーキット派の人だけではなく、ストリート派の人の希望に合わせたセッティングも行えます」

鈴鹿サーキットの近隣に位置している店舗ということで、同店にはスポーツ走行や走行会に参加しているというお客も多く、そんなオーナーらの相談にも気軽に応じている。

なお2026年9月24日にはミツオカグループ主催の鈴鹿サーキット走行会が控えており(7月24日募集開始)、事前、あるいは事後にサスペンションの相談、セッティングにも応じてくれるとのこと。

キャリアの多くが国産バイクだった真栄平さんから見て、BMWとはどんなバイクなのだろう。

「整備するうえでは国産バイクとBMWとでは大きな差があるとは思いませんが、とにかくその性能には驚かされますね。誰でもパっと乗ってそれなりに早く走ることができるんです。そしてボクサーエンジンも魅力的ですね。自分自身現在R1250Rに乗っていますが、今までに感じたことがないフィーリングで、とにかく乗りやすくて楽しいのです」

現行のモデルはもちろん、旧いモデルの整備も行っているモトラッドミツオカグループ。その技術とノウハウに多くのBMWオーナーが信頼を置いているが、その信頼は、森田さんや真栄平さんといった貴重な経験を積んだメカニックが在籍しているからこそなのである。

AutoRace UBE Racing TeamのM1000RRにはMotorrad Mitsuoka Suzukaのステッカーが。

東名阪道鈴鹿IC下車8分にあるモトラッドミツオカ鈴鹿。新車、中古車の取り扱いはもちろん、30年を超える営業実績から、旧いモデルの取り扱いにも精通。その技術力の高さには定評があり、県内外から多くのオーナーが同店を訪れる。

■モトラッドミツオカ鈴鹿店
〒513-0831
三重県鈴鹿市庄野町羽山3216-4
電話 059-370-3033
営業時間 10:00 ~ 18:00
定休日 毎週火曜・第二、第三水曜

広い店内には、各モデルが展示され新たなオーナーとの出会いを待っている。

光岡グループは様々なイベントを実施しており、8耐でもブリヂストンのタイヤサービス見学ツアーに、ふだんはなかなか目に出来ない現場を知ることができた。


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