
Z900RSのベースモデルとしても知られる、カワサキのスポーツネイキッドZ900。現行のモデル展開の基礎となった2018年モデルも、登場からすでに7年近く経つこともあり、手頃な価格の出玉も増えている。中古車としての注目度も高いので、この機会に各年式の違いをおさえて、自分に最適な一台を選んでみよう。この記事では2018年モデルから2025年モデルまでの変遷を紹介する。
●文:ヤングマシン編集部
2018年モデル:Z1000をベースに新設計
発売は2018年4月2日。ミドルクラスのスポーツネイキッドZ800の後継モデルとして開発された。800をベースに排気量アップを図るのではなく、Z1000ベースで排気量を落とすというアプローチが採られており、完全新設計だった。
排気量はZ1000の1043ccからボア77mm→73.4mmとすることで95ccダウンの948ccに設定。車体は新しいトレリスフレームや水平マウントのリヤショックを採用する当時最新鋭の設計を取り入れており、軽快な運動性能を獲得していた。
心臓部には948cm³並列4気筒エンジンを採用し、最高出力125psをマーク。吸気、排気バルブ径とポート形状を最適化し実現した中速回転域の優れたパワーフィーリングを実現していた。
外観では、近年のカワサキが掲げ続けている「Sugomi=凄み」デザインをZ1000から継承。足まわりには星型5本のキャストホイールを採用することで、クラシカルさを追求したZ900RSとは異なるスポーティーさが演出されていた。
【KAWASAKI Z900[2018model]】主要諸元■全長2065 全幅825 全高1065 軸距1450 シート高795(各mm) 車重210kg(装備)■水冷4ストローク並列4気筒DOHC4バルブ 948cc 125ps/9500rpm 10.0kg-m/7700rpm 変速機6段 燃料タンク容量17L ■タイヤサイズF=120/70ZR17 R=180/55ZR17 ●発売当時価格:95万4000円 ●色:灰×黒、赤×黒 ●発売日:2018年4月2日
2018年モデル概要:Z800の後継機として誕生 現行モデルにつながるZ900の初登場は、2016年11月のミラノショーでのこと。それまで存在していたミドルクラスのスポーツネイキッドZ800の後継モデ[…]
2019年モデル:カラー&グラフィック変更
2019年モデルの発売は、2018年9月1日。2018年モデルからおもな仕様や諸元に変更はなく、変更点はカラー&グラフィックのみ。メタリックフラットスパークブラック×メタリックスパークブラックとメタリックムーンダストグレー×エボニーの2色展開となった。販売価格は95万400円と据え置きで、ABSとETC2.0車載器キットが標準装備となっていることも前モデルから同様だった。
【KAWASAKI Z900[2019model]】主要諸元■全長2065 全幅825 全高1065 軸距1450 シート高795(各mm) 車重210kg(装備)■水冷4ストローク並列4気筒DOHC4バルブ 948cc 125ps/9500rpm 10.0kg-m/7700rpm 変速機6段 燃料タンク容量17L ■タイヤサイズF=120/70ZR17 R=180/55ZR17 ●発売当時価格:95万4000円 ●色:黒×黒、灰×黒 ●発売日:2018年9月1日
2019年モデル概要:カラー&グラフィック変更 現行モデルにつながるZ900の初登場は、2016年11月のミラノショーでのこと。それまで存在していたミドルクラスのスポーツネイキッドZ800の後[…]
2020年モデル:快適装備と電子制御を新採用
発売は、2020年1月15日。マイナーチェンジが実施され、「エキサイティング&イージー」のコンセプトを堅持しつつ、装備がイッキに充実した。2019年モデルはパワーモードやトラクションコントロールシステムが非装備だったが、2020年モデルでは両者が連動する統合型ライディングモードを実装。
灯火類はフルLED化され、メーターもTFTカラー液晶が採用された。また、スマートフォンと接続することで「RIDEOLOGY THE APP」と連携が可能になった。
【KAWASAKI Z900[2020model]】主要諸元■全長2070 全幅825 全高1080 軸距1455 シート高800(各mm) 車重213kg(装備) ■水冷4ストローク並列4気筒DOHC4バルブ 948cc 125ps/9500rpm 10.0kg-m/7700rpm 変速機6段 燃料タンク容量17L ■タイヤサイズF=120/70ZR17 R=180/55ZR17 ●発売当時価格:104万5000円 ●色:灰、黒 ●発売日:2020年1月15日
2020年モデル概要:快適装備と電子制御を新採用 発売は、2020年1月15日。マイナーチェンジが実施され、「エキサイティング&イージー」のコンセプトを堅持しつつ、装備がイッキに充実した。2019年モ[…]
2021年モデル:ラインナップを黒に1本化
発売は、2021年1月8日。2020年モデルでマイナーチェンジが実施されたこともあり、基本的な変更点はカラーラインナップの変更のみ。メタリックスパークブラック×メタリックフラットスパークブラックに1本化された。
また1か月目点検に加え、3年間の定期点検とオイル交換(オイルフィルター含む)を無償で受けられるカワサキケアモデルに設定されたこともあり、車両価格は前モデルの104万5000円から110万円になったが、トータルではお得になる設定だった。
【KAWASAKI Z900[2021model]】主要諸元■全長2070 全幅825 全高1080 軸距1455 シート高800(各mm) 車重213kg(装備) ■水冷4ストローク並列4気筒DOHC4バルブ 948cc 125ps/9500rpm 10.0kg-m/7700rpm 変速機6段 燃料タンク容量17L ■タイヤサイズF=120/70ZR17 R=180/55ZR17 ●発売当時価格:110万円 ●色:黒×黒 ●発売日:2021年1月8日
2021年モデル概要:快適装備と電子制御を採用し乗りやすさも実現 大人気モデル・Z900RSのベース車両としても知られるZ900。カワサキの2021年ラインナップモデルが軒並み搭載してきたスマートフォ[…]
2022年モデル:上級/限定車も登場
発売は、2021年11月26日。仕様やスペック自体に変更はなかったものの、令和2年排出ガス規制に適合。またカラーリングが変更され、赤いフレームの差し色が目を引くパールロボティックホワイト×メタリックマットグラフェンスチールグレーとなった。価格は114万4000円だった。
2022年2月1日には、海外で先行して展開されていた上級モデルのZ900SEが国内に初登場。ブレンボ社製のフロントブレーキパッケージとオーリンズ社製のハイグレードリヤショックを装備したことで、Z900の持つエキサイティングな走りと魅力的なスタイリングをより向上させていた。
さらに、Zシリーズの50周年を記念するZ900 50th Anniversaryも発売。モダンなZ900のキャラクターに合わせて、空冷Zの頂点ともいうべき1981年登場の「Z1100GP」などに代表される、ファイヤークラッカーレッドを採用した。フェンダーやシュラウド上のZ50周年ロゴや、上質感を高めるシボ入りの専用シート表皮も印象的だった。
【KAWASAKI Z900/SE[2022model]】主要諸元■全長2070 全幅825 全高1080 軸距1455 シート高800(各mm) 車重213kg(装備) ■水冷4ストローク並列4気筒DOHC4バルブ 948cc 125ps/9500rpm 10.0kg-m/7700rpm 変速機6段 燃料タンク容量17L ■タイヤサイズF=120/70ZR17 R=180/55ZR17 ●発売当時価格:114万4000円~ ●色:白×灰、赤(50th)、黒×緑(SE) ●発売日:2021年11月26日/2022年2月1日
2022年モデル概要:赤フレームに白ボディが新鮮! 並列4気筒エンジンを搭載し、アグレッシブな「Sugomi」デザインと「エキサイティング&イージー」な走りがウリのZ900。KTRC(カワサキトラクシ[…]
2023年モデル:ホワイトからシルバーへ変化
発売は2022年11月15日。2022年モデルで令和2年排ガス規制に適合していたこともあり、主要諸元や装備はそのまま。カラーバリエーションを一新し、銀×灰+赤フレーム1色のみとなった。
なお足まわりを強化した上級バージョンのZ900SEは、欧州で2023年モデルが発売されたものの、国内導入はなかった。
【KAWASAKI Z900[2023model]】主要諸元■全長2070 全幅825 全高1080 軸距1455 シート高800(各mm) 車重213kg(装備) ■水冷4ストローク並列4気筒DOHC4バルブ 948cc 125ps/9500rpm 10.0kg-m/7700rpm 変速機6段 燃料タンク容量17L ■タイヤサイズF=120/70ZR17 R=180/55ZR17 ●発売当時価格:116万6000円 ●色:銀×灰 ●発売日:2022年11月15日
2023年モデル概要:ホワイトからシルバーへ変化 「エキサイティング&イージー」をコンセプトに掲げるZ900は、カワサキのフィロソフィーを体現したかのような、先鋭的な「Sugomi」デザインが特徴。エ[…]
2024年モデル:赤×黒の熱いカラーリング
発売は2023年11月1日。主要諸元や装備に変更はなく、カラーリングを一新。赤フレーム×灰色ボディだった2023年モデルから、さらに赤を多用した“熱い”カラーリングとなった。
【KAWASAKI Z900[2024model]】主要諸元■全長2070 全幅825 全高1080 軸距1455 シート高800(各mm) 車重213kg(装備) ■水冷4ストローク並列4気筒DOHC4バルブ 948cc 125ps/9500rpm 10.0kg-m/7700rpm 変速機6段 燃料タンク容量17L ■タイヤサイズF=120/70ZR17 R=180/55ZR17 ●発売当時価格:127万6000円 ●色:赤×黒 ●発売日:2023年11月1日
2024年モデル概要:赤×黒の熱いカラーリング 「エキサイティング&イージー」をコンセプトに掲げるZ900は、カワサキのフィロソフィーを体現したかのような、先鋭的な「Sugomi」デザインが特徴。エン[…]
2025年モデル:上級モデルSE復活
発売は2025年4月12日。海外では存続していた上級モデル、Z900SEが国内モデルとしても復活した。エンジンやフレーム、足まわりに手が入り、デザインはほぼ全面リニューアルされていた。鋭い眼光の“凄みデザイン”を磨き上げ、エンジンはカムプロファイルの変更や電子制御スロットルの新採用で中速域の力強さを増し、IMU搭載など各種電子制御も最新化。ほぼ全身に手が入った進化版SEとなっていた。
【KAWASAKI Z900[2025model]】主要諸元■全長2065 全幅830 全高1110 軸距1450 シート高810(各mm) 車重215kg(装備) ■水冷4ストローク並列4気筒DOHC4バルブ 948cc 124ps/9500rpm 10.0kg-m/7700rpm 変速機6段 燃料タンク容量17L ■タイヤサイズF=120/70ZR17 R=180/55ZR17 ●価格:165万円 ●色:灰×黒 ●発売日:2025年4月12日
2025年モデル概要:ほぼ全身に手が入った進化版SE 海外では存続していたZ900の上級モデル、Z900SEが国内モデルとしても復活したのは2025年4月のこと。エンジンやフレーム、足まわりに手が入り[…]
カワサキ「Z900シリーズ」の最新相場情報
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
最新の関連記事(カワサキ [KAWASAKI] | 新型大型二輪 [751〜1000cc])
全身ブラックアウト! 国内ではスタンダード的な位置づけに 「Z900RSブラックボールエディション(Black Ball Edition)」を初生撮り! カワサキがジャパンモビリティショー2025で展[…]
11/1発売:カワサキ カワサキ ニンジャH2 SX SE カワサキの最高峰スポーツツアラー「ニンジャH2 SX SE」の2026年モデルが、11月1日に発売された。スーパーチャージャー搭載のバランス[…]
11/1発売:カワサキ W800 カワサキが50年以上にわたり培ってきた「W」ブランドの最新進化系「W800」の2026年モデルが11月1日に発売される。この国産クラシック系の旗艦モデルは、美しいベベ[…]
11/1発売:カワサキ Z250 カワサキ「Z250」はニンジャ250と骨格を共有するこの軽二輪スーパーネイキッドは、アグレッシブな「Sugomi」デザインを継承。軽さと力強さを併せ持つ本格的スーパー[…]
新しい顔にウイングレットも装備! カワサキは欧州と北米で「ニンジャZX-10R」と「ニンジャZX-10RR」の新型モデルを発表した。サーキットパフォーマンスとこうどうでの 実用性を両立するスーパースポ[…]
最新の関連記事(Z900)
アッパーミドルクラスに君臨する“Sugomi”ゼットの中核モデル カワサキは北米において、948cc並列4気筒エンジンを搭載したスーパーネイキッド「Z900」および上級モデル「Z900 SE」の202[…]
スーパーチャージド4気筒の「Z H2」、2気筒「Z」ら計7モデルに11色を新設定 カワサキは欧州で、獲物に襲い掛かるかのような低い構えを表現した“Sugomi”デザインで人気の「Z」ファミリーの、スー[…]
2025年モデル概要:ほぼ全身に手が入った進化版SE 海外では存続していたZ900の上級モデル、Z900SEが国内モデルとしても復活したのは2025年4月のこと。エンジンやフレーム、足まわりに手が入り[…]
2024年モデル概要:赤×黒の熱いカラーリング 「エキサイティング&イージー」をコンセプトに掲げるZ900は、カワサキのフィロソフィーを体現したかのような、先鋭的な「Sugomi」デザインが特徴。エン[…]
2023年モデル概要:ホワイトからシルバーへ変化 「エキサイティング&イージー」をコンセプトに掲げるZ900は、カワサキのフィロソフィーを体現したかのような、先鋭的な「Sugomi」デザインが特徴。エ[…]
人気記事ランキング(全体)
最新の安心感と46worksテイストを両立した「究極のコンプリートモデル」 この『#02』は、2024年に限定販売された初代モデルに続くコンプリートカスタムモデル。今まで46worksが得意としてきた[…]
スズキCNチャレンジのファクトリーマシンと同じウイングを装着(一部地域でオプション設定) スズキは今回、初代GSX-R750から40周年にあたる今年、「GSX-R1000」「GSX-R1000R」の復[…]
鮮やかなブルーでスポーティな外観に グローバルサイトでの2026年モデル発表、北米での正式発表に続き、英国でもスズキ「ハヤブサ」の2026年モデルが正式発表された。2026年モデルとしてレギュラーカラ[…]
距離もブランドも関係なし!50人同時通話を実現 EVA Rモデルは、EVANGELION RACINGをモチーフとした特別デザイン(初号機A/B、2号機A/Bの全4モデル)をまとい、ナイトランでも存在[…]
3気筒と変わらない幅を実現した5気筒エンジンは単体重量60kg未満! MVアグスタはEICMAでいくつかの2026年モデルを発表したが、何の予告もなく新型5気筒エンジンを電撃発表した。その名も「クアド[…]
最新の投稿記事(全体)
インホイールモーターなど車体のベースはホンダ製 ヤマハが原付一種の電動スクーター「JOG E」を市販する。2002年に量産初の電動二輪車「パッソル(Passol)」を日本国内で発売して以降、原付一種E[…]
全身ブラックアウト! 国内ではスタンダード的な位置づけに 「Z900RSブラックボールエディション(Black Ball Edition)」を初生撮り! カワサキがジャパンモビリティショー2025で展[…]
今季初の雨、「行くしかねぇ!」の代償 レースも残り3周となったS字コーナー2つ目、転倒を喫した長島哲太の姿がサーキットの大型ビジョンに映し出された。コースサイドで撮影していた私は、思わず「あぁぁ」と空[…]
トータルバランスに優れた走れるオールラウンダー ライダーの年齢やスキルを問わず多様な道でライディングを楽しめる「新時代のスズキスポーツバイク」として、ʼ24年型でデビューしたのがGSX-8R。遅ればせ[…]
幅広いライダーを満足させる扱いやすさと優れた旋回性 日本では2025年4月に発売となった’25年型のヤマハYZF-R25は、デザイン刷新と機能充実化を中心とした変更を受けています。 外観上の大きな特徴[…]
- 1
- 2













































