
はたらくクルマは子供たちを中心に大人気だが、バイクも白バイを中心に機動性を生かして大活躍している。そんな「はたらくBIKE」が一堂に会するイベントが交通事故防止キャンペーン「はたらくBIKE PROJECT」として開催された。
●文:Nom(ヤングマシン編集部)
偵察用KLX250、救命救助のセロー250などが登場
東京都北区の浮間舟渡駅の真ん前にある浮間公園。「釣りのできる公園」として周辺住民から人気で、池に向かって釣り糸を垂らす人の姿が多数見られます。
そんなのどか公園に、7月12日の10時過ぎ、白バイを先頭にしたバイクのグループが入場してきました。
よく見ると、白バイだけではなく、ガンメタに塗られた自衛隊のKLX250や、真っ赤な消防署の車両、さらにブルーと黄色にペイントされたBMW・F900XRも。
白バイを先頭にして、赤羽署から40人のバイクとこれらの「はたらくBIKE」がここ浮間公園までパレードランを行ってきたのです。
赤羽署をスタートして、40人のライダーが浮間公園までパレードした。
「はたらくBIKE PROJECT」と名付けられたこのイベントは、警視庁の交通総務課と赤羽署が主催した交通事故防止キャンペーンで、タレントの平嶋夏海さんが「1日キャンペーン隊長」を務め、パレードに参加した40人のライダーとともに、浮間公園の入り口広場で交通事故防止を訴えました。
訴えたと言っても、小難しい話を唱えたわけではなく、今回集まった「はたらくBIKE」の紹介、平嶋さんと警視庁の女性白バイ隊隊員による安全運転のためのワンポイントレッスン、警視庁白バイ大会のチャンピオンによるデモンストレーション走行など、楽しめるイベントが目白押し。
さらに、主催者から集まった子供たちにさまざまなプレゼントが配られるなど、終始にぎやかにイベントが行われました。
白バイは、ホンダ・CB1300が3台、ホンダ・NT1100が1台、ヤマハ・FJR1300が1台参加した。
赤羽署の川田署長は「個人的にこのイベントをとても楽しみにしていたので、雨が降らず、それほど暑くもなくて本当に良かった」。隣の平嶋さんは、白バイ隊員の制服に身を包んでいました。
興味深かったのは、日ごろあまり目にすることがないはたらくBIKEの紹介。それぞれ乗ってきたライダーがポイントを紹介してくれました。
まず、トップバッターはいかついガンメタに塗られた自衛隊の「偵察用オートバイ」。災害などが発生した場合、いちはやく現場に駆けつけて、救援用の車両が通行できるかどうか偵察するのが主目的とのこと。
がれきや倒木が散乱しているような状況では、カワサキ・KLX250ベースのこの車両が活躍してくれそうです。
カワサキ・KLX250ベースの、自衛隊の「偵察用オートバイ」。災害が発生すると、本体より先に現場に駆け付け、状況を報告する役割だという。機動性が求められる。
消防庁からは、真っ赤に塗られた「クイック・アタッカー」。東京都でも、八王子や青梅といった山間部に配置された車両は登山客の救命救助を行い、23区内の場合は渋滞の多い首都高速上の交通事故や車両火災への対応が主な任務となるそうです。
また、興味深かったのが路面の傾斜がきつい首都高に合わせて左側だけではなく右側にもサイドスタンドが付いていること。働く場所に合わせたカスタマイズなんですね。
ご覧のように右側にもサイドスタンドが付いているクイック・アタッカー。この状態のまま、赤色灯を回して待機することもあるそうですが、それはあまりやりたくないとのこと。
山手トンネルはBMW・F900XRが守っている
ひときわ目立つブルーと黄色のペイントが施されたBMW・F900XRは、東京の首都高速中央環状線の一部である山手トンネル内での事故や災害に対応しています。全長8.2㎞の山手トンネルは慢性的に渋滞していて、さらに入り口から出口まで閉ざされた空間のため、ここだけの特別な「黄バイ」が18年前の開通当初から活躍していました。
開通当初は、ホンダ・CB400スーパーフォアが使用されていましたが、CBの生産終了を受けて、昨年の12月からF900XRの導入がスタートし、現在は3台配備されていて、年内にあと2台、来年にはあと4台が配備され9台体制になるそうです。
このF900XRは欧州など世界中でポリス仕様として販売されているものだそうで、通常は前だけについているスピーカーが、この車両の場合、後方に向けても付いているそうです。
ポリス仕様のBMW・F900XR。CB400SFから排気量もアップして、機動力が増したそうだ。田中さんは、40℃を超えるトンネル内での活動のために、アイスベストを着用しているそうです。
前方用に加え、車体後部左側に後方に向けたスピーカーも装着されている。慢性的に大渋滞している山手トンネル仕様?
説明してくれた首都高速バイク隊の田中さんによると、「山手トンネルしか走っていないので、なかなか出合うことはないと思います。トンネル入り口で待機していて、トンネル内で事故や災害があればすぐにトンネルを通行止めにして、渋滞を避けながら現場に急行します」。
なかなか出合えないなんて、引退してしまった東海道新幹線のドクターイエローのようだなと思ってしまいました。
そしてもう1台、広場内に特設されたタイヤや板で作った坂のある障害物コースで、見事なライディングを披露してくれたのは災害対策用のヤマハ・セローベースのオフロード白バイ。タイヤを乗り越えながらウイリーで通過していくセローの姿には歓声が上がっていました。
バイク乗りでもある平嶋さんは、マシンの紹介を興味深く見つめたり、クイーンスターズの南城隊員から重くて大きなCB1300の取り回し方を教わったりと、パレード参加ライダーとともにイベントを楽しんでいました。
「警察のイベントに参加するのは初めてで、とくに今日は白バイ隊員の制服を初めて着ての参加なのでとてもうれしいです」
そう語る平嶋さんには、これからも交通安全を多くのライダーに訴えてもらいたいものです。
特設の障害物コースで、デモンストレーション走行を披露した「災害対策用」ヤマハ・セロー。
パトロール用のさまざまな装備によって300㎏を超えるというCB1300の取り回しにチャレンジする平嶋さん、南城さんのアドバイスを真剣に聞いていた。
イベントの最後は、パレード参加ライダーと平嶋さん、赤羽署の川田所長、参加スタッフで記念撮影。
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