
バイク乗りを含め、業界内でたびたび話題に上がるのが「バイク用駐車場の不足」問題。今回は、道路上を活用した先進的なバイク駐車場が多い、神戸市の事例を紹介しよう。市役所へのインタビューも踏まえ、その背景や課題にも触れていく。
●文:田中淳麿(ヤングマシン編集部)
改正道路法による道路空間の活用
神戸市は、瀬戸内海から六甲山地まで、約2~3kmほどの平地に繁華街や住宅地が密集しており、坂道も多い。そのため特に原付バイクの利用が根付いている。
そこで同市は放置駐車対策として関連条例を制定。駐輪/駐車場の整備に力を入れてきた。
建設局道路計画課は、改正道路法に基づく整備を進め、道路空間を活用した欧州のようなバイク駐車スペースの設置を多数実現している。
ちなみに上記道路法施行令の改正では、「道路管理者以外の主体でも道路上に自動二輪車・自転車駐車場を占用物件として設置できる」ようになり、道路上に設置する駐車場の一般的技術的指針も策定された。2006年11月に改正、翌年1月に施行された。
歩行者空間に駐車場を設ける三宮
神戸市の中心地である三宮(さんのみや)は、その街並みに特色がある。
旧外国人居留地を始め、JR線の南側には幅6m以上の歩道も多く、歩行者空間が多様に活用されている。
特に駐輪/駐車場の増設に積極的で、歩道の車道側を切り込んだ、チェーンロック式のバイク駐車スペースを多数設置。
そばにはPマーク標識があり、補助標識に条件が明示される。警察(交通管理者)からPマークの許可を取る際の条件は厳しく、課題のひとつとなっている。
駐輪場への125ccバイクの受け入れ
対して三宮の北側は、昔ながらの小さな商店街が多数残っている。
商店街の場合、附置義務駐車場を設けるスペースがないなどの理由もあるが、短時間利用の駐輪場を整備。そこへ125cc以下のバイクを受け入れ可能とすることで、多くの住民が快適に暮らせる街づくりの実現に一助している。
しかしそれ以上の、大型バイクなどの受け入れについては、自転車条例改正の根拠となる自転車法の改正が必要であると神戸市は考えているとのこと。
いずれにせよこれらの取り組みは、他の自治体も道路空間再編などの機会にぜひ参考にしてほしい。
JR高架下のわずかなスペースに自転車と原付の停め場を確保。
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