トライアンフモーターサイクルズジャパンは、モダンクラシックシリーズの最新となる2025年モデルとして『Speed Twin 1200(スピードツイン1200)』と『Speed Twin 1200 RS』、『Speed Twin 900(スピードツイン900)』の3車種を発表した。全国のトライアンフ正規販売店にて、スピードツイン1200およびRSは2024年11月下旬から、スピードツイン900は2025年1月より販売開始となる。
●文:ヤングマシン編集部(山下剛) ●写真/外部リンク:トライアンフモーターサイクル
さらなる走行性能と所有感を追求
トライアンフのモダンクラシックシリーズは、ボンネビルを筆頭とした伝統のスタイルとディテールを特徴としている。その中でも“スピード”の名称が示すとおり、スポーティな特性を与えられているのがスピードツインだ。新型スピードツイン1200の主だったアップデート内容は──
- 最高出力5psアップ
- フロントフォーク高性能化
- 外装パーツ改良(燃料タンク、サイドカバーほか)
- ホイールデザイン変更
- ライディングポジション最適化
- TFTとLCDを組み合わせた円形液晶ディスプレイメーターの採用
- ABSとトラクションコントロールはコーナリング対応へ進化
- 車体色は、アルミニウムシルバー(銀)、クリスタルホワイト×サファイアブラック(白、銀)、カーニバルレッド×サファイアブラック(赤×黒)
と、900同様の改良、最適化を受けつつ、その範囲はさらに多岐にわたり充実のアップデートとなっている。
ライディングポジション変更は、ハンドルグリップ位置を17.8mm高く、13.4mm前方へ移動。高性能化されたマルゾッキ製43mmフロントフォークとリアのツインショックの効果と相まって、スピードツイン1200の底力を高めた。装着されるタイヤは、メッツラー製スポルテックM9RRだ。
5psアップした水冷並列2気筒エンジンは、大排気量車らしいビッグトルクと270度位相クランク独特のアスファルトを蹴りつけて加速するバーチカルツインの魅力を深めた。よりスポーティなセッティングを施されたスピードツイン1200RSの主だった特徴は──
- ライディングポジション変更(RS)
- ライディングモードに「スポーツ」を追加(RS)
- フロントはマルゾッキ製フルアジャスタブル、リアはオーリンズ製フルアジャスタブルツインショックを採用(RS)
- ブレンボ製スタイルマキャリパーの採用(RS)
- クイックシフター装備(RS)
- 車体色はバハオレンジ×サファイアブラック(橙×黒)、サファイアブラック(黒)の2色展開(RS)
ライディングポジションの変更では、ハンドルグリップ位置を前方へ9mm、フットペグは上方へ6.5mmかつ後方へ4.5mm移動したことで、よりスポーティなポジションとなった。
また、エンジン出力アップとオーリンズ製リアショック、ブレンボ製ブレーキキャリパーの採用による走行性能アップの恩恵は大きく、RSの称号にふさわしいスポーツモデルとしての地位を確立している。
いっぽう、新型スピードツイン900は、シャシー、スタイリング、電子制御デバイスの改良が施され、走行性能とルックスをアップデートした。その主だった変更点は下記のとおりだ。
- マルゾッキ製43mm倒立フォークを採用
- リアにはマルゾッキ製リザーバータンク付きツインショック(プリロード調整機構付き。ストローク量は従来型の116mmから120mmへ伸長)
- 外装パーツの改良
- トライアンフブランドの4ポッド(リアは2ポッド)を採用
- ABSとトラクションコントロールはコーナリング対応へ進化
- TFTとLCDを組み合わせた円形液晶ディスプレイメーターの採用
- 燃料タンクとシート形状を改良
- サイドカバーやエンジンのカバー類を形状変更
- 車体色はオレンジとブルーのアクセントが効いたピュアホワイト(白)のほか、アルミニウムシルバー(銀)とファントムブラックの3色展開
エンジンこそ従来型を継承しているが、全面的なアップデートによって走行性能、質感向上が大幅に向上している。従来モデルは車体色によって価格が異なり、もっとも高価なもので122万3000円、新型は119万9000円~123万4000円と値上げ幅は小さく、アップデート内容からすれば破格といえる。
スピードツインの起源は1937年と古く、トライアンフ黄金時代の礎を作った名車だ。現在はボンネビルをベースとしてスポーツ性を向上したハイエンドバーチカルツインの地位を確立しており、モダンクラシックのフラッグシップとして堂々たる特性を有している。
トライアンフは、海外メーカーの中でもラインナップが充実しており、エンジンによるカテゴライズ、主要装備の違いによるモデルバリエーションの豊富さは群を抜いている。このたびのアップデートで、スピードツイン900/1200は世界最速を誇ったトライアンフの伝統を現代に受け継ぐ存在としての魅力をさらに深めた。
カラーバリエーション
Triumph Speed Twin 1200
Triumph Speed Twin 1200RS
Triumph Speed Twin 900
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(新型バイク(外国車/輸入車))
トラベル・エンデューロの最高峰に自動クラッチ制御が装備! BMWモトラッドのロングセラーモデルであるGSシリーズ。その最上位モデルにあたるのがGSアドベンチャーだ。初代モデルの登場は’02年のR115[…]
OHV45度Vツインの伝統を受け継ぐ史上最強エンジンは、キャラに違いあり!! 長きにわたり、ウィリーGが熱き情熱でスタイリングを手がけ、開発技術者たちとともに魂が込められ、製品化されてきたハーレーダビ[…]
トライアンフの歴史を華々しく飾った一流スタントライダーの記念碑的モデル トライアンフ・ロケット3は、2458cc水冷並列3気筒エンジンをクランク縦置きで搭載するメガクルーザーだ。このたび発表された特別[…]
通勤からツーリングまでマルチに使えるのが軽二輪、だからこそ低価格にもこだわりたい! 日本の道に最適なサイズで、通勤/通学だけでなくツーリングにも使えるのが軽二輪(126~250cc)のいいところ。AT[…]
小椋藍選手のファンならずとも注目の1台! MotoGPでは小椋藍選手が来季より移籍(トラックハウスレーシング)することでも注目のアプリリアから、新しいミドルクラスのスポーツモデルが登場した。欧州ではす[…]
最新の関連記事(トライアンフ)
トライアンフの歴史を華々しく飾った一流スタントライダーの記念碑的モデル トライアンフ・ロケット3は、2458cc水冷並列3気筒エンジンをクランク縦置きで搭載するメガクルーザーだ。このたび発表された特別[…]
伝説のロゴが語る歴史 2024年現在でこそ、三角形にブロック体のアルファベットといった趣の、トライアンフロゴ。しかし100年以上続く、歴史あるブランドだけあって、1902年の盾型デザインに始まり、いく[…]
タイガーシリーズの快走ツアラーが新エンジンとともに トライアンフのアドベンチャーシリーズには実にさまざまなバリエーションが揃っているが、このたび新登場する『タイガースポーツ800』は、既存モデルである[…]
電子制御デバイスとフロントフォークが進化! 2021年に登場したトライデント660は、660cc水冷並列3気筒エンジンを搭載するスポーツネイキッドで、タイで生産することで販売価格を抑えることに成功した[…]
Screenshot TRIUMPHオーナーはもちろん、他社のバイクでも参加OKだ 「TRIUMPH NATIONAL RALLY 2024」の会場は2023年同様、会場からの景色が美しく近隣に多くの[…]
人気記事ランキング(全体)
バイクショップとは思えない機器を活用して、手間のかかる下地作りや磨き作業を効率アップ 新車から何十年もの時を経たオリジナルコンディション車と、フルオーバーホール/再塗装/再メッキが施されたレストア車両[…]
スピード感を纏ってクオリティアップ ホイール/エンジンまわり/ステップなどの金属パーツは、パウダーコートや塗装を剥がし徹底的にポリッシュすることで、ノーマルパーツを使いながらも高級感を出した。汎用品で[…]
第1位:X-Fifteen[SHOEI] 2024年10月時点での1位は、SHOEIのスポーツモデル「X-Fifteen」。東雲店ではスポーツモデルが人気とのことで「とにかく一番いいモデルが欲しい」と[…]
モデルチェンジしたKLX230Sに加え、シェルパの名を復活させたブランニューモデルが登場 カワサキは、KLX230シリーズをモデルチェンジするとともに、KLX230Sとしては3年ぶり(その他の無印やS[…]
復活の軽二輪レトロは足着き性抜群、エンジンは大部分が専用設計だ 現在の国内メーカー軽二輪クラスでは唯一となるネオクラシック/レトロスタイルのモデルが待望の登場を果たした。 カワサキが以前ラインナップし[…]
最新の投稿記事(全体)
110ccベースの4kW制限モデル=新基準原付か 2025年11月の新排出ガス規制導入によって現行モデルの継続生産が困難になり、新たに110~125ccのモデルをベースとした車両に4kW(5.4ps)[…]
トラベル・エンデューロの最高峰に自動クラッチ制御が装備! BMWモトラッドのロングセラーモデルであるGSシリーズ。その最上位モデルにあたるのがGSアドベンチャーだ。初代モデルの登場は’02年のR115[…]
機密事項が満載のレーシングマシンたち バイクムック”RACERS(レーサーズ)”は、「いま振り返る往年のレーシングマシン」がコンセプト。それぞれの時代を彩った、レーシングマシンを取り上げている。 現在[…]
日本でも公開されたNT1100ポリスの北米バージョン! アメリカンホンダは、欧州を中心としたスポーツツーリングマーケットで人気車となっているNT1100を警察仕様として北米初導入することを発表した。 […]
“ヨシムラ”がまだ世間で知られていない1970年代初頭のお話 世界初となる二輪用の集合マフラーが登場したのは、1971年のアメリカAMAオンタリオでのレース。当時のバイク用マフラーは1気筒につき1本出[…]
- 1
- 2